こんにちは、備え・防災の専門家を志す、今はただのパパリーマン高荷です。

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【関連】放射線を、どのくらい浴びるとどうなって、そしていつ避難・屋内待避すればいいのか?
【関連】福島第一原発、放射能漏れ事故。いま、何をすればいいのか。


※当方、原発関係者や放射線の専門家ではなく、一般のサラリーマンであり、当サイトの情報は専門性を担保するものではございません。また原発事故の状況について、危険をあおる行為も、安全を強調する行為も、いずれをも行う趣旨ではございません。情報の活用につきましては、各自の責任と判断でお願いいたします。

※一部、いま、まさに原発内部で、必死の沈静化活動を行っている、技術者や作業員の方にとって、好ましくない表現が含まれております。当方、これら方々には心からの敬意を表しており、その活動を否定する意志はいささかもございません。「一般の方」に対する情報として特化していることをご理解いくださいませ。



★全国の放射線量値マップ(4月4(月)07:30時現在)備える.jp-全国放射線量値マップ(20110321)

最新の画像はこちらから(twitpic)。
※リンク先の画像の右上に表示される、「+ VIEW FULL SIZE」をクリックすると、大きな画像が見られますので、拡大してご覧ください。

東京電力と政府機関の発表が、ようやく充実して来ました。そろそろこのマップの役目も終わりつつあります。リアルタイムではないですが、最新の状況は下記でもごらんいただけます。

▼原発の状況:経済産業省
※「福島第一原子力発電所の現状」が分かりやすいです。

▼原発周辺の放射線量値:東京電量
※「福島第一原子力発電所の現状について【○○時点】」が一覧です。

▼福島第一原発周辺の放射線量値:文部科学省
※更新のたびに見やすくなってきました。

▼全国の放射線量値:文部科学省
※ミラーサーバーもあってつながりやすいです。



福島第1・第2原発の放射能漏れ事故、15日の夜以降、急激な変化が報道されなくなっていますが、状況は未だ深刻で、安全になったとは言い難くあります。

現場では、技術者や作業員の方々が、被曝覚悟の決死の活動による、最悪の事態だけは回避させるための昼夜を問わない活動が行われています。まずこの事実において、現場の方々の活動について心からの敬意を表します。

一方、「原発」の現状については、東京電力と枝野官房長官の会見による情報に、様々な解説者たちがコメントを添えており、全ての方が口をそろえて「大丈夫、問題ない、安全に向かっている」と発言していますが、本当でしょうか?

この記事とまとめの画像では、報道から拾えるキーワード、また私たち一般市民が直接得られる唯一の真実「全国の空間放射線量、モニタリングポスト」の「数字を元に、福島第一原発の状況が現在どうで、「何を」すればよいのかを考えます。(かなりの長文ですが、できるだけわかりやすく書くようにはつとめております。)

【ご注意】当方、原発関係者や放射線の専門家ではなく、一般のサラリーマンであり、当サイトの情報は専門性を担保するものではございません。また原発事故の状況について、危険をあおる行為も、安全を強調する行為も、いずれをも行う趣旨ではございません。情報の活用につきましては、各自の責任と判断でお願いいたします。

なお、情報は適宜更新しておりますので、記事や画像の転載をする際はその旨と、当サイトへのリンクを併記くださいませ。



★何を切り口に現状を判断すべきか?
下記の切り口から、2つのことが分かります。
 1)空間放射線量モニタリングポストの「数字」
  →今、どの場所がどのくらい危険なのか、避難・屋内待避の必要性。

 2)原発の状況を伝えるキーワード
  →作業の進展、今後の見込み、現在の状況。


1)放射線量値(今、どの場所が、どのくらい危険なのか)備える.jp-全国放射線量値マップ(20110321)

【結論】右の画像が全ての結論です。各測定器の地点の放射線量が、基準値と比較して高ければ屋内待避or避難、低ければ問題なしです。

この画像の数字は、インターネットで一般に公開されている、全国の空間放射線量モニタリングポスト(リストは後述)を1件1件目視でまとめたものです。「今安全かどうかは、東京電力や政府ではなく、数字が教えてくれるをスタンスにしています。
※ただし数字上安全でも、危険だという政府発表があれば、そこは従うべきと思います。

■空間放射線量値とはなにか?
原発から放出される「放射性物質」は、人体に影響をもたらす「放射線」をまき散らします。しかし困ったことに、この放射線は目に見えず、臭いもなく、熱も感じられないため、人間が直接感知することができません。

原発事故の際には、この「放射性物質」からできるだけ離れ、いかにして浴びる「放射線」の量を小さくするか。また特に、放射性物質が体内に取り込まれることで生じる「体内被曝」をいかにして避けるかが重要です。

しかし人間は放射線を自分自身では感じることができないため、最悪レベル(水蒸気爆発による原子炉格納容器、および原子炉圧力容器の完全な破壊)の原発事故が起こったとしても、直接的にはそれを知ることができません(爆発音や水蒸気の煙は目視できるでしょうが)。

そこで必要なのが、各場所における放射線の量を調べるための放射線検出器と、実際の計測数値です。この「放射線量値」が高いか低いかを見ることで、原発事故の度合いの「真実が分かります。


放射線を測定するための放射線検出器は、平時から全国各地に設置されており、インターネットで一般公開されているものが多くあります。この値を私たちが直接見ることで、報道の言葉に惑わされない、実際の真実を知ることができるのです(この値が改ざんされていたらお手上げ、数字の正しさはこの記事の前提でもあります)。

ところが、放射性物質から放出される放射線には、いくつかの種類があり、そのため検出器にもいろいろなタイプがあります。さらに放射線の強さや量を表す単位も複数あり、ニュースを聞くだけでは、その値が何を意味しているのか、どのくらい深刻なのかが分かりません。

そのためここから先では、各種報道で公開される数字を、物理学的に正しい値ではなく、「安全?危険?」がざっくりと分かればよい精度の数字に変換する方法と、そこで得られた数字をもとに、今どうすべきかを自分自身で判断できるようになる方法をご案内します。


■各地の放射線量値を実際に見る
まず、各地域に設置されている放射線検出器-モニタリングポストの一覧をご紹介致します。この値が高ければ「やばい、逃げろ」となり、低ければ「大丈夫、安全だ」となります(数字の読み方は後述)。
アクセスの集中、サイトのメンテナンス等で、時折閲覧ができないサイトがあります。その場合は時間をおいて再度アクセスを試みてください。負荷低減のため連続アクセスはお控えください

まずは下記のサイトをざーっと眺めてみてください。意味はまだ分からなくていいです。また重たくて開けないサイトもありますが、そこは飛ばしてください。([Ctrl]を押しながら下記のリンクをクリックすると、新しいタブが開かれて、快適に閲覧できます。)

【北海道/リアルタイム】北海道原子力環境センター
http://www.pref.hokkaido.jp/soumu/sm-gensc/index.htm

【青森/リアルタイム】青森県原子力安全対策行政
http://gensiryoku.pref.aomori.lg.jp/atom/index.html

【新潟/リアルタイム】新潟県環境放射線監視システム
http://www.k4.dion.ne.jp/~ngtl-rad/

【宮城/リアルタイム】女川原発
http://www.tohoku-epco.co.jp/electr/genshi/onagawa/mp.html

【茨城/リアルタイム】放射線テレメータ・インターネット表示局
http://www.houshasen-pref-ibaraki.jp/present/result01.html

【長野/1時間おき】長野県環境保全研究所
http://www.pref.nagano.lg.jp/kankyo/kansei/houshanou/houshanou.htm

【群馬県/1時間おき】群馬県衛生環境研究所
http://www.pref.gunma.jp/05/e0900020.html

【埼玉/1時間おき】埼玉県における空間放射線量測定結果
http://www.pref.saitama.lg.jp/page/housyasenryou.html

【神奈川/リアルタイム】神奈川県安全防災局
http://www.atom.pref.kanagawa.jp/cgi-bin2/telemeter_map.cgi?Area=all&Type=WL

【静岡県/リアルタイム】浜岡原発モニタリングステーション
http://www.chuden.co.jp/hamaokastate1/RealMonitorStation.html

【福井県/リアルタイム】福井県原子力環境監視センター
http://www.houshasen.tsuruga.fukui.jp/f_o1020.html

【全国/1日遅れ】環境省:環境放射線等モニタリングデータ公開システム
http://housyasen.taiki.go.jp/

【福島】
-文部科学省のモニタリングカーを用いた福島第1発電所及び第2発電所周辺の空間線量率の測定結果
http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/syousai/1303726.htm

-東京電力による報道資料(数時間遅れだが更新はされる)
http://www.tepco.co.jp/nu/monitoring/index-j.html

-福島第一原発
http://www.tepco.co.jp/fukushima1-np/monitoring/index2.html

-福島第二原発
http://www.tepco.co.jp/fukushima2-np/monitoring/index2.html

-福島県原子力センター、環境放射線測定
http://www.atom-moc.pref.fukushima.jp/dynamic/C0001-PC.html


※下記は測定方法が異なる(簡易的)なので参考としてください。値が跳ね上がれば「やばい」のはほかと変わりません。

【東京・日野/リアルタイム】ナチュラル研究所(cpm形式)
http://park18.wakwak.com/~weather/geiger_index.html

【東京・江東区/リアルタイム】個人のustream(cpm形式)
http://www.ustream.tv/channel/geiger-counter-tokyo


■放射線量値を読み取る
いかがでしょうか、平常時であればおおむね10~50の数字が並びます(雨が降ると高くなる)。一方、福島第一原発の付近では桁が跳ね上がります。なお数字の単位にある[nGr/h]、これは「○○ナノグレイ パー アワー」もしくは「毎時○○ナノグレイ」と読みます。

n(ナノ)→数字の大きさ。m(ミリ)→μ(μ)→n(ナノ)の順に、1000分の1になっていきます。1000ナノは1マイクロ、1000マイクロは1ミリです。

Gr(グレイ)→放射線の強さの単位です。報道では「Sv(シーベルト)」という単位がよく使われておりますが、今回の場合はおおむね「1Gr=1Sv」と考えて差し支えありません。(厳密には異なります。今回はわかりやすさ優先です。詳細はwikiなどで。)

/h(パーアワー)→1時間当たり、という意味です。そこに表示されている値は、1時間当たりの合計値であると言うことです。10分で立ち去れば、浴びる放射線の強さは6分の1ということになります。

例:
・30[nGy] は、0.03[μSv](30ナノグレイは、0.03マイクロシーベルト)
・1,000[μSv]は、1[mSv](1000マイクロシーベルトは、1ミリシーベルト)

・60[mSv/h]の地点に10分間いた場合に浴びた線量は、10[mSv]。(60ミリシーベルトパーアワーは、1時間当たりの線量値。そこに10分いたら、6分の1の10ミリシーベルトを浴びたことになる)。

・値が30[nGr/h]と表示されていれば、報道の単位に無理矢理あわせて口に出すと、「1時間そこに滞在すると、30ナノシーベルトの放射線を浴びることになる」となります(繰り返しますが厳密には異なります)。


■放射線量値が、実際どのくらい「危険or安全」なのかを知る
ではこの値を、どう考えれば良いのでしょうか?そのためには、どのくらいの放射線を浴びると、人体にどのくらいの影響が出るのかという一覧に照らし合わせて考えます。

放射線をどのくらい浴びると、どのくらい影響が出るかというのは、放射線の種類、浴びた時間、浴びた場所、個人差など、さまざまな要因で定まるため、一律ではなんともいえません。

▼自然界(大地と空気)から浴びる、1年間の放射線の値
地上の生物は全て、大気中と大地に含まれる、天然の放射性物質から、毎年一定レベルの放射線を浴びており、その値は1,740[μSv/y]です。

これを無理やり/hにするならば→0.198[μSv/h]=198[nGy/h]。モニタリングポストの値がこれ以下なら、日常となんら変わりはないレベルということになります。(厳密には異なりますが、ざっくりです。)

次に、いくつかの基準値や実例値を紹介します。ここは読み飛ばしてもOKです。

▼基準値(1年間にさらされてよい値、超えてもすぐ病気になるわけではない)
1,000[μSv](139[nGy/h]…… 妊婦さんの基準(妊娠から出産まで)
50,000[μSv](5700[nGy/h]…… 放射線業務従事者の限度
100,000[μSv](1,000,000[nGy/作業1回]…… 放射線業務従事者の緊急作業の限度

▼医療行為として-----
150[μSv]…… いわゆる集団で行う健康診断の、胸部のX線撮影
600[μSv]…… いわゆる集団で行う健康診断の、胃のX線透視
3,300[μSv]…… 個人で行う胃のバリウムX線写真
2,400~12,900[μSv]…… CTスキャン1回(部位により異なる)

▼人体に影響が出る値として-----
250,000[μSv](250ミリシーベルト)…… 白血球の減少
500,000[μSv](500ミリシーベルト)…… リンパ球の減少
 →3月15日(火)に原発正門前で観測されたピーク値、400ミリシーベルトに近い。そのとき、そこに、1時間たっていたら、上記の症状がでた恐れがあります。
1,000,000[μSv](1000ミリシーベルト)…… 急性放射線障害(吐き気、嘔吐、水晶体混濁)
2,000,000[μSv](2000ミリシーベルト)…… 急性放射線障害(出血・脱毛)、5%の人が死亡する
3,000,000[μSv](3000ミリシーベルト)…… 半数の人が死亡する
7,000,000[μSv](7000ミリシーベルト)…… 99%の人が死亡する

▼過去の実例値(単位を強引に変換)-----
4,500,000[μSv](4.5シーベルト)…… 東海村JCO臨界事故で、退院された方が浴びた値
20,000,000[μSv](20シーベルト)…… 東海村JCO臨界事故で、83日後に亡くなられた方が浴びた値
10,000,000[μSv](100シーベルト)…… 東海村JCO臨界事故で、211日後に亡くなられた方が浴びた値
※wikipedia、および関連webサイトより引用



■これまでに報道された放射線量値
今回の事故で報道された、福島第一原発の境界で観測された放射線量値のピーク値は下記の通りです。
3月12日(土)17:30 1,015[μSv/h]
3月13日(日)08:33 1,204[μSv/h]
3月15日(日)10:22 400,000[μSv/h](400ミリシーベルト毎時)

また、政府の原子力安全委員会が定める指針では、放射線量の測定値が50,000[μSv](マイクロシーベルト = 50ミリシーベルト毎時)を超える放射能汚染が予想される範囲に、避難指示を出すと定めています。※(記事元)

50,000[μSv]という値は、放射線業務従事者が、1年間にさらされてよい放射線の限度ですが、これをわずか1時間で浴びてしまう線量になり、ようやく避難指示が出ると言うことになります。

妊娠されている方が、妊娠から出産までに、自然界から受ける放射線以外にさらされてよいとされる放射線量の基準値は、前述の通り1,000[μSv]。避難指示や屋内待避指示を待っていたのでは、手遅れとは言わないまでも、かなりの線量を浴びてしまうことになります。
※ただし医学的には、妊娠期間中に100ミリシーベルト(100,000マイクロシーベルト)まで浴びても、胎児に影響が無いという説もあります(東大病院放射線治療チーム)。ただそれであっても、2時間が限界ですが。


■まとめ
ここのまとめとしては、下記のリンク先の記事が関連しますのでご覧ください。
放射線を、どのくらい浴びるとどうなって、そしていつ避難・屋内待避すればいいのか?

下記リンク先の抜粋を含むまとめです。

各地のモニタリングポストの放射線量値が、198[nGy/h]以下であれば、自然放射線(大地と空気からいつも出ている放射線)のレベル以下ですので、慌てる必要はありません。

一方、一値が下記を超えてきた場合、「屋内待避」か「避難」が望ましいです。ただし考え方は人それぞれですので、自分に合うケースをしたから選択して、自分の基準とする数字を定めてください。

▼男性と中・高齢の女性の基準値
1)急性放射線障害にならなければいい
 =5,950,000[nGy/h](毎時5,950,000ナノグレイ)
 ※1週間この値の放射線を浴び続けると、急性放射線障害の症状がでる。
2)緩い基準値がクリアできればいい
 =1,190,000[nGy/h](毎時1,190,000ナノグレイ)
 ※1週間この値の放射線を浴び続けると、白血球の減少などの影響が出始める。
3)リスクゼロとは言わないが、できるだけ影響は小さく
 =5,708[nGy/h](毎時5,708ナノグレイ)
 ※1年間この値の放射線を浴び続けると、原発関係者が1年で浴びて良い値と等しくなる。

▼女性(出産年齢)と子どもたちの基準値
4)すこし余裕を持って考える
 =13,889[nGy/h](毎時13,889ナノグレイ)
 ※妊娠期間中この値の放射線を浴び続けると、胎児に影響が出る可能性がある。
5)限りなくリスクを小さくする
 =337[nGy/h](毎時337ナノグレイ)
 ※妊娠期間中この値の放射線を浴び続けると、自然放射線と、国際機関が定める基準値の合計に等しくなる。

※上記を[μSv/h](マイクロシーベルト)に直す場合は値を1,000分の1に、[mSv/h](ミリシーベルト)に直す場合は、さらに1,000分の1にしてください。また[Sv](シーベルト)と[Gy](グレイ)は同じと考えて差し支えありません。


妊娠可能年齢の女性は、(4)か(5)、その他の女性と男性は、(1)~(3)の値の、いずれかを自分自身の基準値として認識しておくとよいです。

具体的な判断基準の例としては、女性や子供の場合は、今いる場所の放射線量値が(5)毎時337ナノシーベルトを超える場合屋内に退避し、(4)毎時13,889ナノグレイ(約13マイクロシーベルト)を超えそうであれば避難する。

男性の場合は、(3)毎時5,708ナノグレイを超える場合屋内に退避して、毎時1,190,000ナノグレイ(約1,200マイクロシーベルト)を越えそうであれば避難する。などが考えられます。


もっとも上記は、医学的な「被爆の量」としては問題がないのかもしれませんが、本来私たち一般市民は、自然放射線を除けば、医療行為以外からの放射線を浴びることはありません。

そういう意味では、原発事故によって強制的に浴びせられる放射線の量は、限りなくゼロにすべきであり、今いる場所の放射線量値が、上記で言えば(5)毎時337ナノグレイ=毎時0.337マイクロシーベルトを超えた場合、屋内に退避することが望ましいのかもしれません。


※繰り返しになりますが、これは私の私見です。またこのレベルの放射線を浴びたからと言って、すぐに健康被害が出ることもありません(政府会見ではないですが、これは事実。ただ、将来の発がんリスクが高まる可能性はある)。しかし放射線と人体への影響については未知なことが多く、さらされた量が増えるに従い、将来のリスクが高まることもまた事実です。

当ブログでは、「最悪を想定して備え、事が来たら最も楽観的に行動する」を趣旨として、皆様に情報を提供しております。上記はその最悪に備える為の結論であり、全ての方にオススメすることではないことを、矛盾するようですが明記いたしいます。

ただし、私自身(と妻、0歳と4歳の子供たち)のことを言えば、上記の値が近所の放射線量値として観測された場合、屋内待避は徹底して行うつもりです。




2)原発の各種パラメータ値(作業の進展、今後の見込み)
(1)では、「今」の状況を見極める方法について考えてみましたが、次は、「今後」どうなるのかを見極めるための切り口です。これは、報道で発せられるキーワードに注目することで行います(この項目は昨日までのまとめ記事と重複になります)。

■今後、特に注目するべきキーワードと状況
「水蒸気爆発(水素爆発ではない)」やその他の要因で、「原子炉圧力容器」および「原子炉格納容器」「破壊」された場合、最悪の事態が生じている可能性があります。近隣100キロ、および風下のエリアにいる方は、大至急屋内待避をしてください。

■原発のニュースを見るとき、何に注目すればいいのか?
今後ニュース番組などで情報を収集する際には、下記のキーワードに注目してください。

■よい話とも、悪い話とも、何ともいえないキーワード
「炉心溶融(メルトダウン)」現在すでに、炉心溶融(メルトダウン)が生じております。メルトダウンというと、チェルノブイリ原発事故を連想し、すでに手遅れのような印象を受けますが、メルトダウン事故にはいくつかの種類や段階があり、現状、致命的な最悪の状況にはまだ達しておりません。そのため、この言葉のみで状況の判断を行うことはできません。

「原子炉圧力容器の圧力低下通常時でも原発の炉心部は超高圧状態で運転されていますが、現状冷却がうまくできないため、圧力がさらに高まり、これが進めば炉心部が破壊されて深刻な事態となります。そのため圧力を下げるための対応を行っていますが、圧力を下げる際には、放射性物質を含む気体を大気中に放出する必要があり、一時的に原発周辺の放射線量値が上昇してしまいます。このキーワード、大局的にはよい話ですが、局地的には悪い状況となるため、判断が必要です。


良い話を示しているキーワード
「原子炉圧力容器の水位上昇今回の事故がこのまま収束するか否かは、核燃料を含む炉心部の冷却が安定的に行われるかどうかで決まります。通常、原子炉の核燃料は、完全に水没した状態で運転されているのですが、現状は核燃料の一部が水の上に露出してしまい、冷却が正しくできず、異常に加熱していることが問題となっているからです。


悪い話を示しているキーワード
水蒸気爆発」メルトダウン事故の最終局面で、これが発生した場合広範囲に放射性物質がまき散らされる、最悪の事態が生じる恐れがあります。かなり巨大な爆発となるため、大規模な爆発音や、原発から立ち上る白い大きな煙が確認された場合、この可能性があります。

「原子炉圧力容器の破壊」一部で溶融が起こっている核燃料を含む、炉心を格納している容器です。現在、これの破壊を避けるために、空気中に放射能を放出することを覚悟で、上記を外に逃している状態です。にも関わらず圧力容器が破壊された場合、かなり取り返しのつかない事態になりつつあります。

「原子炉格納容器の破壊」原子炉圧力容器を納めている施設です。福島第一原発の1号機は、昨日の水素爆発(水蒸気爆発ではない)で、この外側の建物の一部が崩壊していますので、現状この原子炉格納容器が、外界と炉心を隔てる、最後の防壁となっています。これの破壊が起こった場合も、事態は深刻です。

これら悪い話を示すキーワードを含む報道がなされた際には、原発の周辺100キロ圏内にお住まいの方は、避難の準備と屋内への待避を。関東以北でそれより離れた地域にお住まいの方は、原発周辺の風向きに注目しながら、とりあえず身の回りの荷物を整理してください。


以上