(これは千葉大学工学部総合工学科情報工学コース今泉研究室関係者にあてた老婆心以外の何物でもない文章です)
OB会に昨年初めて参加して、大変な賑わいであることに感動しました。私がいたときは、OBという存在が5人くらいでしたから。
若者の人数の多さと先生のお人柄に共鳴して集まったのか純心な人が多かったことで少し心配になったことがあり、たまたま皆様よりほぼ倍生きている人間からお伝えしたいと思うことがありました。
<ちなみにここは結論です>
学生生活のあと、すぐに経済的に自立する必要はありません。
もちろん必要に迫られて就職する道しかないということはあると思いますが、
みんながみんな就職するからといって自分の本当の意思を確認せずに「とりあえず就活して新卒内定をしておく」という必要はないのだろうと私は思っています。
<ここは if(n==0); 的な部分です>
みんなとは違う、みんなの発想にない「今しかできないこと」をひそかに持っている人は今のうちにやってみてほしいと思います。Appleだって、Googleだって、Facebookだって、そうやって始まったんだと思います。
<これ以降が n !=0 的本体です>
だからといって新卒で就職することが悪いことではありません。
日本という国の習慣、おそらくは悪しき習慣ですが、習慣への適用能力が高い人ほど新卒就職の道を選ぶのだろうと思っています。習慣への適応能力の高い人の方が、組織の中での動き方は上手で、日本の組織はそういう人が大好きなんだと思います。
私も含めてですが、この先も会社員や公務員といった組織の一員として生活する人が多いのだろうと思いますが、ネットワークの分野は、オンラインでの生活が主流になってますます重要性が増し、引く手数多の業界であることは当面続くと思いますから、現役生は就職活動をすれば高確率で在学中に正社員としての採用内定をいただけるのだと思います。
今年の春から生活様式が大きく変わってネットワークを利用した生活が主流になりましたから、ネットワークはもう立派に生活インフラの仲間入りをしています。
人間生活のインフラになるということは、社会からの評価の質が変わってきます。
一昔前からずっとインフラとして認識されているものは、電気・水道・交通といったものです。電気って毎日自宅に届いていますが、毎日届くことを電力会社に感謝(評価)のメールを送っている人とかいませんよね?
電気が途絶えたら、即座にネットのトップニュースで流れ、電力会社に苦情が殺到します。停電が起きれば謝罪しますし、原因報告の文書を監督省庁に届けて、場合によっては行政処分とか言われ会見で頭を下げることもあります。
この状態はすでにネットワークの業界で起きているのはご存知と思います。大手携帯通信会社の通信不能とか、有名通信アプリ提供会社のサービスが止まったとかで、トップニュースになりますよね?
研究室のテーマ的に、すぐに内定をいただける企業はこういう"インフラ"の企業が多いと思います。日々頑張って正常運用することがどれだけ大変なのか、そこを褒めてくれる人はいません。ちょっとしたミスで世間から叩かれ、謝罪会見で誰かが頭を下げる世界です。
こういう業界にいく人、業界で生活をしていく人が多いんだろうなと思ったので、私がこの記事の最初に書いた
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みんながみんな就職するからといって自分の本当の意思を確認せずに「とりあえず就活して新卒内定をしておく」という必要はないのだろうと私は思っています。
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を卒業前にできる範囲で自分の気持ちを確認して、会社選び・人生設計をしてほしいと切に思いました。
日本社会の流れに乗って新卒就職会社員!とスタートできたときに証明できることは、自分の「日本社会への適応能力の高さ」でしかなく、生活能力の高さはもちろん技術力の高さが証明されたわけではないということを頭の片隅に置いておいてくれると安心です。
日々苦労して社会全体のインフラ(もしくは社内インフラ)を支えているのに自分は全く評価されないどころか少しのミスで怒られるというのが辛くなったとき、その場で踏みとどまれるかどうかは、就職前に
仕事内容が唯一無二で好き、あるいは、自分の効率最大の収入源はこの業界だけ
といった確固たる意思を持って自分で就職を決めたかどうかなのだと思います。
<この辺りで閉じておきます頭の中でエラーでちゃった人ごめんなさい } return 0;>
考えを文章にするとどうしても固苦しくなるので、この文面ももし読んでくれている人がいたとしても、うるさい高齢者予備軍何か書いてるとしか思われないんでしょうけど、少しでもこの先の人生のヒントになればと思って2020年今泉研アドベントカレンダー用に書きました。
研究室のアドベントカレンダー昨日で切れてるみたいなんですけどね。