【告白・突発性難聴との戦い】その2
【告白・突発性難聴との戦い】その2
右耳の突発性難聴。なんとなく右耳に蓋をされているような、脱脂綿をたくさん詰め込まれているような、ボワワンとしたそんな感じだ。
頭を振ると、ひゅんひゅんっていう音が右耳の奥の方でする。ちょうどアルミホイルの短冊を、耳の奥で叩かれているみたいな音だ。
誰かの喋る声や時計の音、テレビの音が、右耳と左耳で時間差でずれて聞こえたりもする。イラつく。
そして、とにかくずっとずっと耳鳴りがやまない、頭がおかしくなりそうだった。
朝起きた瞬間から耳鳴りがする。
ヒーーーーンという高い音だ。
音階はいつもファのシャープ。
なんか耳鳴りで耳が聞こえずらいのか、聴力が落ちて聞こえないのか、自分ではよくわからない。
寝るときはラジオのノイズをヘッドホンで耳に流すと、耳鳴りがウソみたいにすっと消えてよく眠れた。毎日ノイズの中で眠りに落ちていた。
気晴らしに好きな音楽を聴いても、左右で音がバラつき、ステレオで聞こえないからつまらない。世界の終りのような気分だ。
というか、もう音を聞きたくない。
耳が聞こえないという現実をつきつけられて、なんかとてつもない不安が心をよぎるからだ。
電話もとりたくなかった。
おれは、いつも右耳で電話に出るからだ。
治療期間中だからといって、別に心的ストレスが軽減されるわけではないから、いろんな重圧の中で相変わらず心がグラグラしている。
そしてスケジュールにライブやテレビが入っていれば、うたも歌わなければならない。
爆音はとにかく耳によくないので、なるべく音量を小さくしてもらった。
聞こえないからと言って爆音を流し続けて、今度は反対の左耳まで難聴になったらなんて考えたら、もう恐ろしくてイヤモニもできなくなってしまった。
そんな調子で、ステロイドや投薬の治療は数週間続いた。
しかし、聴力が戻った自覚はほとんど・・・・ない。
「検査の結果、聴力は最悪の状態から少しは回復しましたが・・・・うーん・・・これ以上、劇的な回復は難しいかもしれませんね。」
主治医に聞くまでもなく、なんとなく、そうだろうなと思っていた。クソったれな話だ。一生このままかよ、そう思うと、音楽になんかまともに向き合う気になれなかった。
主治医から、これ以上同じ治療を繰り返しても効果があると思えないということで、東洋医学をとすすめられた。いわゆる鍼とか整体だ。
おれは昔から面倒を見てもらっている古い知り合いで、鍼整体の名医のもとをさっそく訪ねた。
つづく。
◆◆◆新曲リリース◆◆◆◆◆◆◆◆◆
New song
「Festival」
https://itunes.apple.com/jp/album/festival-single/id572504226
作詞・曲・編曲・全楽器・プログラミング スガシカオ
制作 UGM
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