総務省、国土交通省、法務省所管の特別会計の仕分け担当主査になって、今はヒアリングをひたすらやっていますが、とても良い勉強になっています。元々外務省という非事業系官庁にいたので、聞くこと一つ一つがとても新鮮です。
ただ、やっぱり中央官庁に11年強居た経験というのは、それなりに活きていて、比較的説明がスッと入ってきやすい方にはいると思います。官庁の用語というのは一定のリテラシーが必要になります。例えば、「この予算は概ね●●に使われています」と言うと、「概ねということは、概ねに含まれないものがあるのだな。そりゃなんだ。」という感じで発想できるかどうかは少し技術が要るところです。昔、吉田戦車の漫画で「果汁80%」と書いてあるジュースを見たかわうそ君かかっぱ君かが、「残りの20%は何?」と訊いていたシュールなシーンがありましたが発想は同じです。
事業仕分け、主査になってみて感じるのは「こりゃ大変だわ」ということです。どうしても、メディア的には最後の本番だけが注目されますが、その事前段階で相当な準備作業があることはご理解ください。蓮舫大臣についても、あれこれ映像の一部だけを切り離した報道がなされますが、私が内部の会議で大臣と議論していると理路整然とコテンパンにやられてしまいます。その背景には大臣の人知れない努力があるわけです。
まあ、特別会計のヒアリングをしていると、それぞれの官庁から「パーフェクト」な理論構成が返ってきます。あの理論構成に立ち向かっていくのは相当に大変です。「母屋でおかゆ、離れですきやき」みたいな情緒論では、絶対に議論には勝てません。「特別会計はチェックが効かず、ムダの温床になっている」なんていう総論でも出そうものなら、各役所に完膚なきまでに叩きのめされてしまいます。
そういった情緒論を超えたcool headな議論を展開していくのが私の役割でして、最近白髪が増えてきた頭をcoolにして、夜な夜な資料を読んでいます。
ということで、党代表選のゴタゴタはありますが、私自身は相当に担当の特別会計について頑張っているつもりです。成果は10月下旬くらいからの本仕分けになると思いますが、素直に乞ご期待とだけ言っておきます。