先日ふと飲食店では、実際どれくらいキチンと「料理」しているのか?(してないのか?)について考えていたら、こんなネット記事があった。
日本の外食チェーンは、なぜこんなに安くて美味いのか
外食チェーンに関して自分の書きたいことをかなり代弁してくれているので、是非読んで頂きたいと思う(笑)
要約すると、外食チェーンが安く均一化された品質のモノを出せるのは、店内でほとんど料理していないからであるといったところである(かなり自分側に寄せてますが(笑))
ココで書かれているような外食チェーンにおける温めるだけ、盛り付けるだけというのは、明らかに「料理をしていない」と言える。
すなわち、「飲食店」ではあるが、もはや「料理屋」では無いという事である。
一方、「ちゃんと料理している店」の代表格は、いうまでもなく対極となる超高級店であろう。
1人当たり何万円もするような店では、ちゃんと料理しなければそもそもお客さんが来ない訳だし。
が、その間に位置する店の方が世の中圧倒的に多いし、そういった店は、実は、消費者目線からすると「ちゃんと料理している」と思われがちである。
なので、実際はどうなのか?という部分を自分の経験から例を挙げてみたいと思う。
では、自分がキッチンに約1年バイトとして入った店について。
魚介が中心の居酒屋で、席数50~60席くらいの規模。
都内にも数店舗はあるが、チェーンという訳では無く、メニューも各店でそれぞれかなり違う。
客単価がランチ1,300円くらい、ディナー5,000円くらいの、居酒屋の価格帯としては、中のちょい上くらいに位置している。
そして、かなりの繁盛店で、1千万近い売上になる月もあった。
で、始めにはっきり断言しておくと、実際に訪れたお客さんが思っているよりもかなり料理はしていないと思う(笑)
コチラは、ウリである刺身は、寿司含め専用の社員がいてキッチリやっていたが、それ以外のメニューは、かなり合理的?だった。
以下に一から調理していない具体例を列挙してみる。
まず、出汁、調味料など基本的なところだが、出汁は店で引かず、ほんだしを利用していたし、そもそも出汁自体を使うメニューがほとんど無かった。
調味料系も全て既製品、唯一すし酢だけは店専用の特注品だった(業者に作らせたモノ)。
天つゆ、麺つゆも追いがつおつゆを用途に応じて濃さを変えていた。
ドレッシングも全て既製品で、たまにごま油を混ぜたりはしていた。
フライに付けるタルタルソースなんかもモロ既製品で、業務用のデッカイチューブからむにゅっと出して盛り付けていた。
次に揚げ物だが、ちゃんと調理していた天ぷら以外は、鶏の唐揚げ、フライドポテト、カキフライ、アンコウの唐揚げ、豆アジの唐揚げ、ゲソの唐揚げ、マグロの唐揚げといったラインナップだったが、ほぼ冷凍食品。
エビフライは、刺身用の赤えびを使っていたが、冷凍品を一度解凍し、殻むき&背ワタ抜きした後また冷凍、それをオーダーが入ると再度解凍して衣を付けて揚げていた。
焼き物は、ホッケなどの干物、ギンダラ西京漬けなどの漬け系など、基本的には、全て既製の冷凍品。
ごくたまに店で西京漬けを仕込んだりする時もあったが、漬け味噌は、調合された既製品を使っていた。
うなぎのかば焼きも夏は出していたが、焼いてある冷凍品をレンチンし、仕上げにたれを掛けてバーナーでちょっと炙っていた。
煮物は、鯖味噌、マグロのカマ、かなりの高額メニューだったのどぐろの煮付けなどがあったが、殆ど冷凍品だった。
野菜については、サラダなどに使う野菜は、キャベツの千切りは、カットされたヤツを使用し、それにレタスなどを足して使っていた。
万ネギもカットされたモノを使用していた。
夏には、季節メニューで枝豆を導入する事となり、とりあえず試験的に冷凍食品を使ったのだが、結局そのままレギュラーメニューになったりしていた。
漬物も全て既製品で、モノによっては、カットのみ厨房でやっていた。
焼きとうもろこしは、100円の茹でたレトルトのを買ってきてレンチンし、醤油を塗ってバーナーで炙って出していた。
その他としては、食事に付く味噌汁も味噌汁サーバーがあって、味噌もモチロン既製品。具には火入れ済の冷凍のしじみを入れていた。
ピザも市販のソースからチーズまで付いた冷凍食品に具と特製ソースにチーズなどを足して焼いていた。
塩辛類の珍味類も全て既製品。
デザートのアイスやゼリー等も基本的には全て既製品で、そのまま盛り付ける場合以外には、2種を組み合わせたり、ソースを足したりしていた。
と、まだまだあるのだが、今日はこれくらいにしておこう(笑)
以上は、あくまでも「一から調理していない例」であって、モチロン一からちゃんと調理するメニューもあったのだが、刺身以外のメニューの大半はこんな感じ。
だが、お客さんは殆どがキチンと調理されていると思っていたと思う。
実際、先にも書いた通りかなり繁盛していたし、味も悪くなかったし、別に「一から調理してます」と謳っていた訳でもないので、特に問題無かったのだと思う(刺身が目当てだったというのも大きいと思いますが…(笑))。
とまあ、以上のような感じだったのだが、コレは良いのか?悪いのか?という事ではなく、あくまで実際の一例である。
結局何を言いたいのか?と言うと、殆どの飲食店は「引き算で成り立っている」という事である。
本来は全てキチンと料理する100が理想ながらも、特に高級店ではない場合、しっかりと利益を出そうと思うと、どこかである程度合理化(引き算)しないと回らないのが実情だと思う。
そして、とにかく利益重視で引き算しまくって限りなく0に近くなったのが外食チェーンであって、それ以外の大半は、100と0の間でバランスを取りながら立ち回っているという事なのだと思う。
かく言う自分も前回起業時は、かなりこの引き算についての葛藤があって、最初は限りなく100に近くやろうと思いつつ、実際にやっていく中で徐々に引き算が増えていった挙句に立ち行かなくなり、結局は、調理を板前に任せてしまったという苦い経験がある。
しかし、現在は、先にも挙げたような貴重な?修行経験や日頃の料理経験などから、自分なりに納得のいく引き算が前回よりもかなりはっきりと見えているので、次回開業では、出来るだけ迷いなくやりたいと思う。
そして、なんとか50よりは上を目指したいと思っている…(笑)
世の中、小さな個人店でもちゃんと料理されていて続いている店もたくさんあるし、ホントに素晴らしい事だと思うし、尊敬に値すると思う。
世の消費者もチェーンばかり利用しないで、是非ともそういった店も大事にして頂きたいモノである。
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