401日して曰く
最近、某有名カツ丼系チェーン店にて、優雅にチキンカツ定食のディナーを満喫し、とても美味しくいただきましたので、ついついおかわりのカツ丼+温泉卵を追加注文したところ、いかにも気が利く感じの店員さんが何も言わずにそっとお茶をもう一つ出してくださったので、「誰も来ねえよ! おれがもう一個食うんだよ!」と世界の中心で愛を叫びたいところをぐっとこらえたのはもちろん、ご存知、虫歯天使でございます。
さて、腹が立ったので一週間連続で同じ店に寄り同じ食い方をしていたらすっかり店員さんも覚えてくださったようで、陰で「ラグビー部」などのあだ名をつけられていそうであったりなかったりもしますが、このように人間様の偉いところは学習能力の高さにあるということはお分かりいただけたと存じます。
これまでにも、初期にヒメタニシを襲うなどオラつきまくっていたグッピーさん達が、いつの間にか、底砂をついばんでばかりいるようになり、おそらく襲われて数が減っていたと思われる、ミナミヌマエビさん達の個体数が回復したというエピソードは、ひつこ過ぎること迷惑メールの如しと皆さんに思われることは百も承知でありながら、「グッピーの学習能力」よりも10倍くらいは胡散臭い「ミナミヌマエビの学習能力」あるいは「ジャンボタニシ学習能力」について語りたいと思います。
事の発端は、暴君、ジャンボタニシ。とうとうスクリューバリスネリアを絶滅させ、ミリオフィラム・マトグロッセンセを絶滅させ、そろそろロタラもやばいんじゃないかっていうくらい相変わらず水草を食いまくっています。そんなある日、私は見てしまったのです。ジャンボタニシに群がるミナミヌマエビを。
最初はとうとうジャンボタニシが天に召されて、浸透圧の関係で体液が周囲に滲み出し、その死臭を嗅ぎつけたミナミヌマエビが集まってきたのかと思いました。しかし、ジャンボタニシは動いています。そして、近くを見ると、ジャンボタニシのフンにミナミヌマエビが群がっていたのです。
他の巻貝もフンをしますが、枯れてもいない水草をバリバリ食べることができるのはジャンボタニシだけ。さぞかし栄養価の高いフンをするのではないでしょうか。しかもその量も、他の巻き貝とは比べ物になりません。ガタイからしてもう、他の巻き貝と比べたら赤ちゃんの中にラグビー部が混ざっているかのようです。これまでにも、ジャンボタニシがフンをする様子は観察していました。フンは次の日には無くなっていたので、界隈では以前から人気のあるフンだったことは間違いありません。しかし、産みたてホカホカのフンに群がるだけでなく、ジャンボタニシ本体に集団でまとわりついて「早く!次!」などと世界している姿は恐ろしいものでした。ラグビー部をまるで恐れてません。そんなことが、あったのは10月12日のことでしたが、
また、一昨日も同じことをやってやがった! しかも同じ場所です! 「バイオキューブ」の南西の角の部分です。・
E? なんなん? この場所はジャンボタニシのお気に入りのトイレってこと?
ミナミヌマエビは下手したら「ジャンボタニシ」と「トイレの場所」を両方学習している可能性があるってこと?
謎は深まるばかりです。
そこで最近お気に入り(仲良くケンカもする)の生成AI、Geminiくんに「ジャンボタニシの学習能力」、「ミナミヌマエビの学習能力」について先行研究が存在するのか調べてもらいました。げげげ!
先行研究としては、以下のようなものがあります。
- 古典的条件付け: 特定の光刺激と餌の提示を組み合わせることで、光刺激だけでミナミヌマエビが餌を探す行動を示すようになるという研究があります。これは、ミナミヌマエビが光と餌を関連付ける学習能力を持つことを示唆しています。
- 空間学習: 迷路実験などを用いて、ミナミヌマエビが環境の空間的な構造を学習し、記憶する能力を持つことが示されています。例えば、特定の場所に餌があることを学習したり、障害物を避ける経路を記憶したりすることができます。
- 社会学習: 他個体の行動を観察することで、ミナミヌマエビが新たな行動を学習できるという研究もあります。例えば、捕食者を避ける行動や、餌場を見つける行動などを、他の個体から学ぶことができます。
これらの研究から、ミナミヌマエビは、単純な連合学習から複雑な空間学習、社会学習まで、様々な学習能力を持っていることが明らかになってきています。
学習すんのかよ!? まじでビビった!
ジャンボタニシの学習能力に関する研究は、ミナミヌマエビほど多くはありませんが、いくつかの興味深い先行研究が存在します。
主な先行研究
- 条件付け学習:
- 電気ショックを用いた忌避学習: 特定の行動(例えば、特定の場所に移動すること)と電気ショックを組み合わせることで、ジャンボタニシがその行動を避けるようになるという研究があります。これは、ジャンボタニシが危険を学習し、回避行動をとる能力を持つことを示唆しています。
- www.jst.go.jp
ジャンボタニシに電気ショックを与える実験装置 - 餌と匂いの連合学習: 特定の匂いと餌の提示を組み合わせることで、ジャンボタニシがその匂いに対して摂食行動を示すようになるという研究もあります。
- 捕食者認知: ジャンボタニシは、捕食者の存在を学習し、それに応じて行動を変えることができるという研究があります。例えば、捕食者の匂いを感知すると、殻の中に隠れたり、活動性を低下させたりするといった行動が見られます。
- トラップに対する学習: 一方で、トラップに対する学習能力は低いという研究結果もあります。これは、ジャンボタニシが一度トラップにかかっても、同じトラップに再びかかることが多いことを示しています。
これらの研究から、ジャンボタニシは、条件付け学習や捕食者認知など、ある程度の学習能力を持っていることが分かります。しかし、その学習能力は、ミナミヌマエビなどの他の生物と比べると、限定的なものである可能性も示唆されています。
エビよりバカなの? ラグビーのし過ぎだろ! (これは冗談です。ラグビーガチ勢の方、アホの言うことなので多めに見てやってください)
それにしても生成AIの能力には恐れ入る(でも結構な頻度でデタラメも言うので上記の情報は自己責任で御活用下さい)。色々と弱点もあるが、このように先行研究の検索などをやらせたら、その威力は絶大である。
以前から、「魚やエビががバイオフィルムを餌にしているということは実証されていないのか?」「そのバイオフィルムは単にバクテリアのコローではなくて、沢山の原生生物の棲家になっていて、それゆえ栄養豊富なのではないか?」とかずーっと悩んでいましたが、Gemini君に先行研究を探させると一発です。
昔、検索エンジンが世に立たときには大層驚かされて、アホのようにいろんなものをググりまくってしまいましたが、あの時と同じ衝撃ですね。100回具ググらないとわからないことが、1回の命令でわかってしまう。
しかし、バイオフィルムについての論文にたどり着いたときに痛感したのは、アカデミズムの世界とアクアリウムの世界の情報格差と分断です。バイオフィルムについて決定的な実証研究がすでに2004年にはなされていたんですよ! でも、私のアンテナが低いせいかもしれませんが、アクアリウムのブログとかでは、みんなバイオフィルムについては推論しかしていないですからね。
この大きな壁を生成AIがぶっ壊してくれることは期待してもいでしょうが、そのためにはまず、わたしたちアクアリストが新しい武器を使って学びまくることが必要かと生意気ながら申し上げる次第でございます。可愛い401日グッピーの動画をうpするのでお許しくだされ。
おっと最後はこいつ!
ど根性シジミ!
1トン級ミニ地球「バイオキューブ」の観察•考察シリーズ! 前回はこちら!
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