長らく、更新が送れましてすいません。
現実の建物の構造設計とか、完了現場検査とか、原稿書きとか
そういったものが10月末よりたて続けにありまして検討できずにいました。

で、引き続き「進撃の巨人」の考察なんですが、
物語上重要な背景に人類が立てこもる壁の存在がありました。

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未知の自然災害ともいえる「おっさんおばはん型巨人」の襲撃から人類の居住区を守る壁です。
巨人の侵入を防ぐためにかなりおおがかりな構築物として計画されています。
普通の巨人は身長が15メートル程度ですので、壁の高さは充分に機能しているのですが、

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突如現れた、壁の高さを超える巨人によって、人類は危機にさらされるわけです。
下図は今まさに壁を乗り越えよう、破壊しようとしている巨人の姿です。
で、壁の規模はどれくらいなのだろうか、、ということで
図面化してみたんですよ。
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エレンやミカサたちが、壁の頂部で雑談しているシーンから推測して、
壁頂での厚みは約6メートルくらいです。
壁は、構造的な配慮からなのか、底部に向かってゆるく斜めに設計されており、
壁底部では20メートル弱と推察されます。

壁高さは50メートルです。
かなりの高さですね、どれくらいの高さかというと、
ビルでいえばだいたい12階建てくらい、誰もが知っている建物なら国会議事堂です。

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で、この壁の構造なんですが、ここまで大きな建造物となると、
コンクリートで建造されているとして、その自重に対し地盤が耐えられるのか
ということが重要です。

ざくっと計算すると
高さ50メートルで頂部6メートル、底部20メートルくらいと設定すると、
壁1メートルあたりの壁体積が578立方メートル、
コンクリートの単位体積(1立方米)あたりの重量が2.3トンなので、
この壁は、地盤に対し1㎡あたり67トンもの重量がかかっていました。

となると、この壁はいわゆる普通の地面では建ちません、沈みます。
東京近辺で住宅規模の建物を建てるときに良好な地盤と言われている
関東ローム層の地耐力が約10トン/㎡です。
その数倍です。

このような60トンもの荷重を支えるには、地面は岩盤でないとダメです。
ということは、進撃の巨人で人類が立てこもっているウォールの地盤は、
すぐ岩盤が出てくるような地層でなければならないということになってきます。

「進撃の巨人」における建築的考察 1
「進撃の巨人」における建築的考察 2

「進撃の巨人」における建築的考察 4
「進撃の巨人」における建築的考察 5
「進撃の巨人」における建築的考察 6