日本語の未来は真っ暗い goo〈1〉〜〈4〉 | tobiの日本語ブログ それ以上は言葉の神様に訊いてください

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日本語アレコレの索引(日々増殖中)【27】
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1980862166&owner_id=5019671

mixi日記2021年11月23日から

 テーマサイトは下記。
【「には」について】
https://oshiete.goo.ne.jp/qa/12674736.html
===========引用開始
質問者:エビ味チョコレート質問日時:2021/11/16 15:35回答数:11件
こんにちは。
日本語を勉強しています。
日本語の助詞「には」についての質問です。

・平日のパチンコ①には客も少なく、真っ暗い室内②には泥だらけになっていた。

この文章で使った「には」は、全部あってますか?
===========引用終了

 最近質問連投している日本語学習者のひとり。
 簡単に説明できないような微妙な差異を質問する。こういう質問が分別教の獲物になる。
 そんな瑣末なことより指摘するべきことがあるでしょうに。無視しようと思ったのだが、さすがにあんまりなので口を挟んでしまった。

 以下は「真っ暗い」について調べた結果。

 びっくりするのは、Macintoshだと「真っ暗い」で変換できること(泣)。
【”真っ暗い”】の検索結果。約 113,000 件
https://www.google.com/search?q=%E2%80%9D%E7%9C%9F%E3%81%A3%E6%9A%97%E3%81%84%E2%80%9D&rlz=1C5CHFA_enJP933JP935&oq=%E2%80%9D%E7%9C%9F%E3%81%A3%E6%9A%97%E3%81%84%E2%80%9D&aqs=chrome..69i57j0i4i37i512l2.8773j0j4&sourceid=chrome&ie=UTF-8

 例によってこの数字は見せかけ。
https://www.google.com/search?q=%E2%80%9D%E7%9C%9F%E3%81%A3%E6%9A%97%E3%81%84%E2%80%9D&rlz=1C5CHFA_enJP933JP935&sxsrf=AOaemvL8yutxjdpoZbGzruglSU-rjgukMw:1637146967381&ei=V-GUYZ7aFpDh-AaE6r-gDw&start=100&sa=N&ved=2ahUKEwje4b3bn5_0AhWQMN4KHQT1D_Q4WhDy0wN6BAgBEEw&biw=1252&bih=666&dpr=2
 実質は110件。それでも多い。

 森山直太朗や東郷さくら(誰?)の曲の歌詞にもある。
 こんな妙な言葉を広めたのは誰だ。

 ↑の質問では回答者のほとんどがスルー。
 わけのわからないコメントを入れる前にそこを教えてあげなさいよ。


 コメントを回収する。
No.11

回答者: 1311tobi 回答日時:2021/11/17 18:57
 いつも鋭い着眼点で、日本人が気がつかないようなむずかしい質問をされていますが、そんな細かい点にこだわって何かいいことがあるのでしょうか。コメントも分かれていますよね。それぐらいビミョーな問題です。どれが正解かわかりますか?

 答えだけを書くなら(「パチンコ」は「パチンコ店」のことと考えます)、①は△でしょう。
 ②は×でしょうね。
 ただ、これをちゃんと説明するにはいろいろな話をする必要があります。
 うんとザックリ書くと、「ニ」にできるなら、ほとんどの場合「ニハ」にもできます。
「ニ」にできない場合は、ほとんどの場合「ニハ」にはできません……と考えてよいのでは。
 以下、2つの文に分けて書きます。

 1)平日のパチンコ店①{ニハ/ニ}客も少ない。
 2)真っ暗い室内②{ニハ/ニ}泥だらけになっていた。

 1)は「ニハ」でも「ニ」でも通じるでしょう。
 厳密にいうなら「ニ」は少しヘンです。「ニハ」でも同様に少しヘンです。
「ニ」を使うなら下記のようにするほうが自然でしょう。
  平日のパチンコ店①{ニハ/ニ}少数の客がいた。
 これなら「ニ」でも自然です。
 元の文は後に続きがあるので、「ニハ」でもおかしくない感じで読めてしまいますが、やはりヘンです。
「ニ」を「ニハ」にするとどうかわるか。「強調」ですかね。「限定」ですかね。この違いは、非常にむずかしい話になるのでパスします。
 興味があるなら、下記をご参照ください。
【これならわかる!? 助詞の「ハ」の使い方  教えてgoo】
https://ameblo.jp/kuroracco/entry-12285486151.html

 2)はこのままでは「ニ」にできません。(これを〈「ニ」にはできません〉とすると……強調でしょうか)
 下記のようにするべきでしょう。
  真っ暗〝な〟室内②{ニハ/ニ}泥がいっぱいあった。
 これなら「ニ」でも自然です(厳密にはまだ不自然です。↓参照)。

 注目してほしいのは、1)の修正案は「いる(いた)」が使われ、2)の修正案は「ある(あった)」が使われていることです。
 この場合の「ニ」は場所を表わしているので、「いる」「ある」などの存在に関係する動詞が使われることが多いのです。
 これも厳密に考えると長くなります。興味があるなら、下記をご参照ください。
【場所を表わすニの働き 二の特殊用法?】
https://ameblo.jp/kuroracco/entry-12162885042.html

 本題の説明は以上で、以下は余談です。
 本題に関係のない話を書くのはよくないのかもしれませんが、誰も指摘しないのが不思議なので、「ニハ」の話よりももっと大切なことを指摘しておきます。
「暗い室内」とはいいますが「真っ暗い室内」はヘンです。No.6のかたが「真っ暗な」と書きかえた以外、ほかのかたは「真っ暗い」と書いている気がします。最近は「真っ暗い室内」ともいうのでしょうか。少なくとも日本語学習者にはおすすめできない表現です。辞書をご確認ください。

 真っ暗な室内は泥だらけ……数人のかたが修正していますが、どんなに客が少なくても、店内が真っ暗で「泥だらけ」という状況があるのでしょうか。トラックが突っ込んだために、事故の後「店内ハ真っ暗で泥だらけ」になっていたならわかりますが。

 もうひとつ、〈この文章で使った「には」は、全部〉も気になります。「全部」「すべて」などは、もっと多くの数の場合に使います。
 この場合は2つですから、「どちらも」「両方とも」ぐらいでしょう。

 以上こうるさいことも書きましたが、日本語の勉強をがんばってください。こういうところで質問するよりもっといい勉強法があると思いますが。
 下記あたりは信用できるサイトです。
【 現 代 日 本 語 文 法 概 説】
http://niwanoda.web.fc2.com/bunpou/0mokuji.html
【アークアカデミー 日本語教育能力検定試験用語検索「マンボウ」】
https://yousei.arc-academy.net/manbow/index.php

 

日本語の未来は真っ暗い goo〈2〉

ま+形容詞 真+形容詞

mixi日記2021年11月23日から

「真っ暗い」は、現段階では×だろう。
 接頭語の「ま/真」について考えてみたい。

https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E3%81%BE/#jn-206539
===========引用開始
出典:デジタル大辞泉(小学館)
 
ま【真】 の解説
【1】[名]偽りがないこと。まこと。ほんとう。真実。
【2】[接頭]名詞・動詞・形容詞・形容動詞などに付く。
1 うそいつわりのない、本当の、などの意を表す。「―人間」「―正直」
2 純粋である、まじりけがない、などの意を表す。「―水」「―新しい」
3 正確にその状態にある意を表す。「―北」「―下」「―四角」
4 動植物の名に付いて、その種の中での代表的なもの、標準的なものである意を表す。「―いわし」「―がも」「―竹」
5 りっぱな、美しい、などの意を表す。「―玉」「―杭 (ぐい) 」
===========引用終了

https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E7%9C%9F%E3%81%A3/#jn-208513
===========引用開始
出典:デジタル大辞泉(小学館)

まっ【真っ】 の解説
[接頭]《接頭語「ま」の下に促音の挿入されたもの》名詞・形容詞・形容動詞などに付いて、語勢を強める。「―ただ中」「―ぱだか」「―白い」「―正直」
[補説]「ま(真)」が摩擦音([s][f]などの音)、破裂音([p][t][k]などの音)を語頭にもつ語に続くときの形。 
===========引用終了

 そうか。接頭語の「真」と「真っ」は別物なのね。音便の一種だと思ったが、そうでもないみたい。
 ここで問題です「真正直」「真っ正直」はどちらが一般的でしょう。↑を見ると、どちらもあるみたい。
「真正面」「真っ正面」はどちらが一般的でしょう。
〈[補説]「ま(真)」が摩擦音([s][f]などの音)、破裂音([p][t][k]などの音)を語頭にもつ語に続くときの形。〉なんだから「真っ」じゃないのかね。「真っ新(さら)」「真っ逆さま」「真っ白」「真っ直ぐ」なんてのもある。うーむ……「真下」もあるな。

 素朴な疑問。
「真っ暗」って、何に「真っ」がついたの? 当方の感覚では「暗」って、名詞はない。
 さすがの日国には、それらしい項がある。
https://kotobank.jp/word/%E6%9A%97-429042
===========引用開始
くら【暗】
(形容詞「くらい」の語幹) くらいこと。また、そのさま。感動表現に用いられる。
※落窪(10C後)一「いとをかしげなりと見る程に、火消えぬ。〈略〉『あなくらのわざや』」
===========引用終了
 海賊版の日国は、ビックリするほど記述が違う。

 詳しくは下記をご参照ください。

 いずれにしても、その「暗」に「真っ」がついて「真っ暗」になったとは思えない。

 そうなると、「真っ」+「暗い」と考えるのが素直だろう。でも「真っ暗」はよく使われるけど、「真っ暗い」は、現段階ではおそらく×。なんで?
 なぜ「真っ暗い」に異和感を持たない人が多いのか。
 これは推測だけど、「真っ黒い」との混同では。
 ただ、「真っ黒い」がOKかというと微妙で立項していない辞書もある。「真っ白い」も同様。
 個人的にはちょっと引っかかる。

 ちょっと話をかえて、「真っ」+「色」の話。これに関しては、下記がよくまとまっている。 (←何様!)
【日本語センター  赤い、青い、緑い???】
https://www.nihongo-c.jp/blog/blog-entry-48.html
===========引用開始
「色の名前+い」の言葉がある色は、赤・青・白・黒の4色だけです。
「色の名前+色+い」の言葉 がある色は、茶・黄の2色だけです。
その他の色は全部「色の名前+の」で表現します。
(もちろん、「赤の、青の、茶の」という言い方もありますが、ここでは
「+い」、「+色い」の表現ができるかどうかという点に注目してください)
===========引用終了
「真っ赤(か)」「真っ青(さお)」「真っ白」「真っ黒」  
「真っ茶色」「真っ黄色」
 あたりはフツーだろう。
「真緑」「真紫」……etc. も話し言葉ならいえなくはない気もするが、△だろう。
「真っ赤」「真っ青(さお)」「真っ白」「真っ黒」「真っ茶色」「真っ黄色」のうち、「い」をつけられそうなのは、「真っ白」「真っ黒」。ただしすでに書いたように、立項していない辞書も。
 

日本語の未来は真っ暗い goo〈3〉

辞書

【<形容動詞>という誤り】

【本質坊主のSFナゾ日本語】

 

 下記の仲間。

日本語アレコレの索引(日々増殖中)【28】
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1981223451&owner_id=5019671

mixi日記2022年02月03日から

 下記の続き。
【日本語の未来は真っ暗い goo〈1〉〈2〉】
https://ameblo.jp/kuroracco/entry-12712457108.html

 テーマサイトは下記なのか?
【接頭語の「真」「ま」の使い方】
https://oshiete.goo.ne.jp/qa/12691207.html
===========引用開始
質問者:1311tobi質問日時:2021/11/27 20:50回答数:7件
次の形容詞を使いますか。
1)真っ黒い
2)真っ白い
3)真っ暗い
 1)2)は辞書によって判断が分かれるようです。

 次の言葉はどちらを使いますか。
4)「真正直」「真っ正直」
5)「真正面」「真っ正面」
===========引用終了

 念仏コメントが●●すぎる。
 ちょっとおもしろいことに気づいたんだけど、そこにふれる前にゴミ処理をしておく。

 質問する側が辞書を踏まえて〈辞書によって判断が分かれる〉と書いているのに、辞書の引用に終始するコメントってさぁ。しかも辞書は、例によって違法の海賊辞書(笑)。
 広辞苑モドキには、「真っ黒い」はある。でも「真っ白い」「真っ暗い」はない。ほかの辞書もいろいろ。詳しく見てもキリがない。なんでかは知らない。そこを逆質問してるのに、例によって必死にごまかそうとしてアサッテへ。
 しかも、形容動詞という言葉を使いたくないから「漢語的に使用する場合」と書いているらしい。そんなもの通じないよ。【漢語的に使用する場合は、「真っ黒な」といわゆる<形容動詞>的な使用法】って、なんなのよ。●●なの?

===========引用開始
また、多くの形容詞が同じようなやりかたで、

 切り方が「ぶ」【あつ】だ。 (あつく あつい あつけれ)
 水が「なま」【ぬる】だ。  (ぬるく ぬるい ぬるけれ)
 採点が「大」【あま】だ。  (あまく あまい あまけれ)
 病気は「処置」【なし】だ。 (なく  ない  なけれ)

というように形容詞の活用をとるものに変わってしまいます。なぜこのようなことが起こるのかを明らかにしなければ意味がないということです。
===========引用終了
 何を書いているのだろう。〈多くの形容詞が同じようなやりかたで〜というように形容詞の活用をとるものに変わってしまいます〉……何語?
 もしかすると、
 多くの形容詞が〈接頭語的なものをつけることで形容動詞のような活用をとる語にかわる〉とでも言いたいのだろうか。
 そう解釈するためには、修正しなければならない点がいくつもある。

〈「ぶ」【あつ】だ〉〈「なま」【ぬる】だ〉〈「大」【あま】だ〉〈「処置」【なし】だ〉のうち、一般に使われるのはどれなんだろう。〈「大」【あま】〉〈「処置」【なし】」〉は使う気がするけど、それは「名詞」なのでは。活用するの?
 がんばって解読しても得るものはなさそうだからパスする。

 

 念仏コメントはゲンナリするだけだが、ブログへは非常に有意義なコメントをいただいた。

日本語の未来は真っ暗い goo〈4〉 辞書

https://ameblo.jp/kuroracco/entry-12726053873.html

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とってもうれしいです。
※やはり「うれしいです」は美しくない。
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