ある雑誌紙上で、近田春男さんもお書きになっていましたが、
今やヒットチャートがなければ、どんな歌がヒットしているのか
全然把握出来ない世の中になっていますね。
昔なら、別にそれほどチャートに敏感でなくても、だいたい今、流行っている楽曲が
なんなのか?など自然と分かったのですが、
今は、全然分からなくなっています。
それと、当時に比べてCD自体の売り上げがかなり落ちていて、チャート1位!と言っても
昔ほど、ありがた味が無くなってしまった事も事実です。
私もチャートには、あまり縁がなくて、たとえばサクラの初代歌謡全集は
初週にアルバムで10万枚以上売れたのに、チャート10位でした。
当時はアニメ、ゲーム関係CDは色々な事情でチャート的には不利(今はそんな事ない)
だったのも理由の一つですが、
それにしても、10万越えで10位。
今なら、嵐やスマップなどと被らない限り、楽勝の一位ですけどね(笑)
それに、当時のライバル達が凄い。
『スピード』『パフィー』『サザン』『キンキ』など、一番勢いのあった時期
でしたもんね。
皆さんも、この何年かで、『ヒットチャート第一位!』の金看板が
随分軽くなって来たようにお思いでしょうけど、
全体のボリュームが激減して、楽曲や歌手のバリエーションも
減ってしまったのが原因ではないかと思います。
私も先日『アエラ』の取材を受けまして、このような問題と
アニメソングの独自な発展について、熱く語ったのですが、
ヒットチャートが軽くなってしまったのには、
もう一つの要因があると思います。
(ちなみにアエラ発売日は11月中旬以降だそうです)
それは、業界自体がこのチャートを意識し過ぎるあまりに、
チャートで上位に来るような曲作りに走り過ぎてしまった事です。
インパクトのある曲の横行です。
キャッチーで、人の耳に速攻で入りやすい曲ばかりになりました。
このような曲は、凄く瞬発力はあるのですが、そこに重点をおいて
作られ過ぎているので、長くは人の記憶の中には残らない。
結果、長く売れる曲(ロングセラーな曲)が出来にくくなってしまいました。
皆さんも思い出してみてください。
この2~3年でご自分の記憶に凄く残っている楽曲を。
それほど多くないと思いますよ(と言うか皆無かも)
アニメソングはそう言う作りではありません。(タイアップは除く)
私事で恐縮ですが、私の『ウィアー』や『ゲキテイ』などは、いまだ売れ続けて
おります。
たとえ瞬発的にはチャート上位の曲と比べれたら負けていても、
この10年,15年と言うスパンでみたら、この2曲はミリオンセラーなのです。
そして、これも自褒めで恐縮ですが、皆さんの心に
しっかりと残っている!と思っております。
今や、駄目にありつつある音楽業界も、そろそろ瞬発力勝負ではなくて
ロングセラーを作り出す方向に軌道修正していかないと
本当にユーザーから見放されてしまうような気がしますが、
皆さん、どうお考えでしょうか?