昨日午後、党本部で地震緊急災害対策本部の会議が開かれ、出席いたしました。党としての復興への取り組みが報告されたのち、議員同士の意見交換にうつり、私は次のように発言しました。
「国民の多くがいま最も恐れているのは、福島第一原発による放射能汚染の拡大です。野菜や乳製品などに対する根拠のない風評被害は排さなければならない。ただ大切なことは、国民に放射能による「実害」を断じて及ぼしてはならないということです。私は幼い時から広島の地で被爆者に囲まれて育ちました。放射能の恐ろしさを間近に感じて育ったわけです。大震災後、福島原発事故の影響について、広島大学原爆放射線医科学研究所の専門の先生方と毎日のように電話などでやり取りをしています。私の地元で原爆投下直後に降った「黒い雨」を現地で調べたり、チェルノブイリに出かけて影響調査をしてきたその研究所の先生が言うには、いまの状況は極めて憂慮すべきだ、ということなんです。まず、福島県庁が公表している環境放射線モニタリングによると、21日17時現在、福島市で7.13マイクロシーベルト。飯館村では11.60マイクロシーベルトに達している。これらは毎時の数値なので、これに24(時間)と30(日)をかけると、それぞれ5133.6マイクロシーベルト、8352.0マイクロシーベルトにもなるんです。日本人が年間浴びている自然放射線量は2.4ミリ(2400マイクロシーベルト)。すでに一か月分に換算しただけで、自然放射線の値を大きく上回っていることになります。飯館村は原発から北西に30~40キロメートル、まだ四千人ほどの人が政府が言った屋内退避勧告を守って家にいるらしいんです。私は、飯館村から一刻も早く子供や妊婦さんを避難させるべきだと考えます。ぜひ自民党として政府に対して、避難範囲の拡大を訴えてほしい。その際に参考になるのは、チェルノブイリ原発事故の時の放射能汚染の実態です。汚染は同心円状にはまったく広がっていないのです。中心から100キロメートルでも汚染されていないところがある一方、300キロメートルでも濃い汚染地域もある。風向きや地形などにより、半径何キロが一律に影響を受けるわけではないという事実を私たちはしっかりと認識しなくてはならない。同じ村や町の中でも値は異なっているに違いないのです。もっと緻密な放射線測定を実施したうえで、その結果に基づき、専門家の意見を聞き、避難範囲の拡大に踏み切るべきです。半径20キロが避難、半径20~30キロは屋内退避という決定が汚染の広がりの現実からずれているのならば一刻でも早く範囲の拡大に踏み切るべきです。一度決定したことを変更すると政治責任が問われるので、いまさら避難範囲を拡大することなんてできないと、政府はゆめゆめ考えるべきではない。国民の命が係っているのです。」
さらに昨日になり、東京の水道水でも乳児の基準値を超える放射性ヨウ素が検出され、乳児が飲むのを控えるようにと東京都は発表しました。福島第一原発の放射能汚染はまだまだ始まったばかりなのに、東京にまで影響を及ぼす事態になっていることを政府は逃げないで真正面から見据えなくてはならないと私は考えます。詳細な検査・分析を実施し、それらはすべて即時、国民に公表する。そのうえで、原発からの距離に関係なく汚染の実態によって避難を呼びかける、これがまっとうな政府のとるべき行為ではないでしょうか。