愛なき世界
三浦しをん 中央公論新社 2018年9月
愛なき世界 (単行本)
1,728円
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恋のライバルは草でした(マジ)。洋食屋の見習い・藤丸陽太は、植物学研究者をめざす本村紗英に恋をした。しかし本村は、三度の飯よりシロイヌナズナ(葉っぱ)の研究が好き。見た目が殺し屋のような教授、イモに惚れ込む老教授、サボテンを巨大化させる後輩男子など、愛おしい変わり者たちに支えられ、地道な研究に情熱を燃やす日々…人生のすべてを植物に捧げる本村に、藤丸は恋の光合成を起こせるのか!?道端の草も人間も、必死に生きている。世界の隅っこが輝きだす傑作長篇。
植物の研究の様子が、詳しくえがかれている。
知らない世界のことで、驚きも多かった。
気の遠くなるような実験を繰り返しているんだなと思った。
藤丸が、木村を思う気持ちが、まっすぐ。
たとえ自分の気持ちが受け入れられなくても、素直に受け入れているところが、すがすがしい。
研究室の人たちは、個性的で、愛すべき人たちだ。
愛なき世界の植物のことがえがかれているが、ここには、愛があった。
お気に入り度★★★★★