亀井静香氏は決して静かではなく、品も良くないが、外国人地方参政権を巡る発言だけは、支持できる。
自分の身体を張って法案の提出自体を阻止する覚悟を示しているから、国民新党が連立政権に参加していて良かった、と思ったほどだ。
国籍取得が本筋だ、という亀井氏の指摘は正しい。
それではどうするか。
その具体策が示されていないのでは、結局言っただけで終わってしまう。
私が国会にいたら、特別永住者に対して日本国籍を付与する特別措置法案を提案するところだ。
戦前の日本の韓国併合や台湾の日本領土化で日本人になった方々をどう捉えるか。
これが、問題のポイントだ。
戦前の日本の植民地政策の当否はさておき、私は、彼らは日本人だと思っている。
沖縄で散華された特攻隊の隊員の中に、台湾や朝鮮半島生まれの人が含まれていることは、周知の事実。
朝鮮半島から徴用されて、日本の軍需工場や松代の地下壕等で苛刻な労働に従事し、亡くなった朝鮮半島生まれの人も多いと聞く。
広島の原爆投下で亡くなった方々の中に、朝鮮半島生まれの方が含まれているのも事実である。
皆、日本人として教育を受け、日本人として死んでいる。
そういった方々を日本人ではなかった、などとは言えない。
日本が敗戦を迎えても、昭和27年4月28日まで日本人だった人達が、講和条約の発効と共に忽然として日本人でなくなった。
こんな理不尽なことがあってよいものか。
私は、未だに納得していない。
一度日本国籍を取得した人達の日本国籍を一方的に剥奪する権利は、誰にもない。
そして、日本人の子どもは日本人である。
血統主義から言えば、そうなる。
特別永住外国人は、昭和27年4月28日の講和条約の発効に伴って一方的に日本国籍を失った日本在住の元日本人の外国人若しくはその2世、3世である。
現在、その数は40万人程度になっていると言われている。
私は、帰化という特別の手続きによらないで、本人が日本の国籍取得を希望することを条件に、原則として日本国籍を付与することとしては如何か、と考えている。
勿論、二重国籍の解消等の問題があるが、そろそろ一挙に解決すべき時期ではないか。
私は、小沢氏のように、外国の勢力に阿って外国人地方参政権の付与を提案するのは、国の制度の根幹に関わる憲法違反だと思っている。
しかし、元々日本人だった方々やその子孫に日本国籍を付与することは、差し支えないはずである。
しばしば無茶をする亀井静香氏だが、亀井氏が私のこの提案に気付いて取り上げてくれればありがたい。
亀井氏ならば、この問題の突破口を見い出す力になるかも知れない。
私は、密かに期待している。