GLORY・RISEフェザー級トーナメント 感想と、K-1雑感。カルロスSARABAの宴。 | 銀玉戦士のアトリエ

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先日行われたGLORY・RISEフェザー級グランプリ感想です。

 

 

GLORYとRISEの合同興行として開催され、現GLORYフェザー級王者👑🇹🇭ペットパノムロンを筆頭に、RISEのリングでそのペットパノムロンに勝利し、RISEフェザー級王者となった👑🇦🇺チャド・コリンズ、フェザー級日本人トップファイターである🇯🇵原口健飛、🇯🇵白鳥大珠などが参戦、キックボクシングフェザー級(65kg級)としてはガチの世界最高峰の面々を揃えてきたと言い切ってもいい、今回のGLORY・RISEフェザー級世界最強トーナメント。

トーナメントはK-1方式の8人制ワンデートーナメントとして行われ、65kg級という階級においては実質のK-1 WORLD  MAX世界一決定トーナメント2024と言ってもいいでしょう。

 

先々週、代々木第一体育館で行われたK-1 WORLD GPに関しては、5500円のPPV料金を払わなければ観れないという事もあり、おまけにこの日は休日出勤という事もあって(後に仮病使ってサボったけど)、K-1ファン😝💓でありながらも後追い視聴で済ませればそれでいいかなと思いまして、PPV購入は見合わせていましたが、このRISEトーナメントに関してはAbemaで無料で観れるという事で、タダで観れるんであればこの面々は豪華だよなと思いまして、視聴に至ったわけです。

「令和のかかとおとし」を自称しておきながら、K-1ファンの風上にも置けない奴ではありますが😝💔、まぁ全盛期旧K-1と比較すると圧倒的に劣るあのヘビー級トーナメントの面子に5500円のPPV料金を支払うのは、いくら熱狂的なK-1ファンであれどよほどの物好きか選手ファンでない限りは、日本では1000人にも満たないと思うので、致し方ない所ではあります。

 

それではざっくりではありますが、トーナメント準々決勝、準決勝、決勝の感想です。

 

 

 

⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️

 

 

😝😝トーナメント準々決勝😝😝

 

 

⚪️🇹🇭ペットパノムロンVS白鳥大珠🇯🇵⚫️(3R判定)

⚪️🇰🇷イ・ソンヒョンVSペルジャン・ペボシ🇦🇱⚫️(3R判定)

⚪️🇦🇺チャド・コリンズVSエイブラハム・ヴィダレス🇲🇽⚫️(3R判定)

⚪️🇵🇹ミゲール・トリニダードVS原口健飛🇯🇵⚫️(1RKO)

 

 

準々決勝は原口健飛、白鳥大珠というRISEフェザー級の日本人2大エースが揃って初戦で姿を消すという結果となりました。

白鳥と対戦したペットパノムロンは上述の通り現GLORYフェザー級王者ですし、原口と対戦したミゲール・トリニダードも、今年RISEで現フェザー級王者チャド・コリンズを1RKOで破っているので、こういう結果になっても全然おかしくない組み合わせではあったのですが、本当にそうなってしまった事で外人マニアの自分としましてはこの結果に狂喜乱舞してしまいました(笑)。

旧K-1MAXでも、世界トーナメント決勝戦で日本人が居ないというケースはあれど、K-1 GLOBAL時代を除く全ての大会において何だかんだ日本人選手は1人は準決勝に勝ち上がってベスト4に入っていました。

 

RISEフェザー級日本人実質2位の白鳥は、ペットパノムロンのロー、前蹴り、ミドルに終始苦しめられての完封負けという事で、今年GLORYのリングで原口健飛がペットパノムロンに完封負けを喫した事を考えれば、この結果も順当かなとは思っていましたが、原口健飛がトリニダードにKO負けを喫した事には驚きました。

 

1Rの序盤の攻防を見る限りでは原口の反応も悪くなかったですし、今回ペットパノムロン戦の反省を活かしてフィジカルトレーニングを行ってきた成果もあってか、クリンチの攻防に置いても相手に打撃を打たせない立ち回りを見せていましたが、ちょうど原口がローキックを放って足が揃ったところでトリニダードが右オーバーハンドをヒットさせてダウンを奪った格好となりました。

 

原口にとっては半分貰い事故のようなKO負けではあったのですが、トリニダードは一発が強く、瞬発力のある選手なのでこのような結果となってしまいました。

 

 

 

 

😝😝トーナメント準決勝😝😝

 

 

⚪️🇹🇭ペットパノムロンVSイ・ソンヒョン🇰🇷⚫️(3R判定)

⚪️🇵🇹ミゲール・トリニダードVSチャド・コリンズ🇦🇺⚫️(1RKO)

 

 

両カード共に、準々決勝でダメージが少ない選手VS激しい消耗戦を繰り広げた選手、という組み合わせになってしまったので、ワンデートーナメントゆえに「まぁそうなるよな」という試合結果に。

 

 

 

 

😝😝トーナメント決勝戦😝😝

 

 

⚪️👑🇹🇭ペットパノムロンVSミゲール・トリニダード🇵🇹⚫️(3R判定)

 

 

 

トーナメント2試合を全て3R判定勝利で勝ち上がってきたペットパノムロンに対し、2試合全て1RKO勝利で勝ち上がってきたトリニダード。

 

GLORYの5Rマッチで両者が対戦したら、ペットパノムロンの老獪な戦い方の前にトリニダードはなす術なし、といった試合展開になっていたでしょうが、今回は3試合を戦うワンデートーナメントの決勝戦。

ペットパノムロンは大きなダメージも無く勝ち上がってきたとはいえ、トリニダードのほうが短いラウンドでノーダメージで勝ち上がってきてフィジカル的にも元気なので、もしかしたらトリニダード優勝もあり得るかな❓と思っていましたが、ムエタイ世界王者として200戦以上を戦いながらも、GLORYフェザー級世界王者として6年間、5度の王座防衛に成功しているペットパノムロンの牙城は、勢いのあるトリニダードと言えども崩す事は叶いませんでした。

 

ペットパノムロンの戦い方はトーナメント3試合を振り返っても、大まかな部分においては殆ど変わっていません。

サウスポーに構え、中間距離で左右ローキックを効かせ、ミドルで相手の腕や腹を狙い撃ちし、相手が距離を詰めようと踏み込んでこようものならばタイミングよく前蹴りやプッシングで突き放す。

得意の強打でKOしたいトリニダードではありましたが、相手のパンチに対してペットパノムロンは局所でしっかりと顔面とブロッキングして対応。フィジカルの強いトリニダードですがペットパノムロンは体幹が全く崩れる事なく圧力を掛け続け、時々クリンチで時間稼ぎをしては相手を苛立たせ、近距離では膝蹴りや左右のパンチをヒットさせて確実にダメージを与えていました。

 

カードの組み合わせによっては消耗戦の激しい試合を強いられるワンデートーナメントにおいて、ペットパノムロンのような試合経験が豊富で、打たせずに打つ戦い方をされてしまうと、相手にとっては更になす術なしと言ったところであります。

 



 

ペットパノムロンはGLORYのリングでも長く活躍しているので、35歳くらいなのかなと思っていましたが、まだ29歳なんですね。

GLORYはコロナ禍で存続の危機に陥ってた時期もありましたし、ライト級以下の階級が軽視されているGLORYにおいて、現役のフェザー級王者なのに日本にドサ回りしている不遇さを見ていると、ファイターとして腐ってしまってもおかしくないような境遇ではありますが、それでもなお現役王者としてモチベーションを保ち続けているのも凄いです。

ガンガン打ち合うファイトスタイルではないので選手寿命も長持ちしそうですし、年齢を重ねる事によって老獪さに更に磨きが掛かって、あと3〜5年くらいは全盛期が続きそうであります。

 

 

反対に、若い頃からガチスパーや激しい打ち合いの試合をこなしてきたインファイター系のK-1選手は、大体30歳をピークに打たれ強さや反応が衰えて、選手として下降線を辿ってゆく印象を受けます。

これがMMAの場合だと、例えばストライカー系の選手が寝技の弱点が埋まって、極力打たれないオールラウンダーなファイトスタイルにシフトしていって、MMAの試合経験を積み重ねた事によって35歳前後で第二の全盛期を迎えるような選手はボチボチ居たりするのですが、MMAよりも近い距離での打ち合い、短いラウンド数でスピード感のある打撃戦が要求されるK-1ルールだと、特に中軽量級の場合は選手寿命が短くなるのかなと思います。

30歳となったチャド・コリンズの昨日の試合でもその危うさを感じましたし、先日ONE championshipのリングで無名の中国人選手にまさかの敗北を喫してしまった野扖正明にもそれを感じました。

思えば野扖は高校3年生だった2011年4月のKrushで狂拳竹内に3RKO負け→そこから2ヶ月のショートノーティスでK-1MAXの63kg級トーナメントに出場、という試合をこなしていたわけで、こんな無茶なマッチメイクを若い頃から強いられていたらせっかくの逸材も壊れてしまいますよ。

打ち合うのが悪い‼️と言うわけではありませんが、試合オファーの間隔も含めて何事も程々が大事なのであります。

 

 

 

⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️

 

 

 

⚪️🇯🇵大崎一貴VSアルベルト・カンボス🇪🇸⚫️(3R判定)※53kg級契約

 

 

 

トーナメント以外の試合では、この試合のみフルで視聴しました。

RISEスーパーフライ級王者である大崎の相手であるアルベルト・カンボスはスペインの選手。

吉成名高が出場しているRWS(ラジャダムナン・ワールドシリーズ)に参戦している選手で、WAKOの53.5kg級スペイン王者の肩書きを持っています。

この階級で日本とタイ以外の国のキックボクシングの選手層は薄いですし、どうせまた噛ませなのかな・・・と思いましたが、試合が始まるとカンボスは大崎相手に想像以上に健闘していたように見えました。

 

Abemaの解説があまりにも大崎贔屓で「安定感のある強さ」などと持ち上げまくっていましたが、接近戦の打ち合いの中でもカンボスは大崎相手にアッパーやボディを入れるなど、決して大崎が一方的に押しているような展開にはさせませんでした。ヒット数も大崎のほうが多かったものの、カンボスの打撃もそれなりに入ってはいました。

 

ただ、全体的にプレッシャーを掛けているのは大崎のほうで、下がらされる展開の多いカンボスに対して、大崎のほうがウェイトの乗った強いパンチが打てていたのは確かで、その辺りの印象の差が勝敗を分けたように思えます。

技術的にも両者は互角レベルで、もしもカンボスのほうがフィジカル的に強かったら逆の展開になっていただろうな、という、僅差の試合内容ではありました。

 

レベルが高くなると、キックボクシングの3分3Rという短い時間では、特に軽量級の場合だと相手をKOするのも難しくなっていきますし、この試合のようにほんの僅かな差が勝敗を分けるような、優劣が付かない試合が多くなっていきそうですね。

 

 

⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️

 

 

 

幕張メッセで行われた今大会。

今年行われたRISEの大会の中では最も豪華なメンバーが出場しましたが、それでも映像を見る限りでは空席がポツポツ目立っていたのは気になりました。

 

まぁ空席が目立っていたのはこの間のK-1もそうでしたし、RISEも今年に入ってからは後楽園ホールでの開催も多くなってきていて、日本のキックボクシング界は2年前にTHE MATCHで東京ドームを満員にして、50万件のPPVを売り上げたのがまるで嘘のような大暴落ぶりです。

思えば旧K-1は2002年のボブ・サップフィーバー〜谷川モンスター路線と、格闘技バブルの絶頂から視聴率が徐々に低下していって緩やかに衰退していった感じではありましたが、THE MATCH後のバブル崩壊からの代々木第二体育館も埋められないガラガラの会場の落差はあまりにも大きいです。

武尊VS天心を経てキックボクシングがメジャーになるどころか、再びマイナージャンルへと成り下がるという。結局あの時熱狂していたファンの大半はキックボクシングというジャンルそのものが好きになったわけではなく、武尊VS天心という、当時は実現不可能だった夢のカードを引き伸ばしに引き伸ばしてファンを焦らせまくって、ダイヤモンドの価値にまで磨き上げて期が熟したところで対戦が実現して熱狂していただけに過ぎなかったのです。今となっては何で鎖国していたのか分からない新生の方針も含めて、ファンはただ踊らされていただけなんでしょうね。

 

 

前述の通り、この間のK-1はPPVを購入していないので試合映像もまだ観ていないのですが、どうやら俺😝💓たちのカルロス菊田さんがK-1プロデューサーを退任するとの発表がありました。

カルロス菊田さんは、これまでの鎖国路線から一変して「開国」を推し進め、旧K-1MAXの階級である70kg級とヘビー級に力を入れていきましたが、その辺りが新生K-1保守本流のファンからは戸惑いの声が多く、何かと批判が多かったプロデューサーではありました。

 

海外展開に強みを持つカルロスさんは強豪外国人選手を多く招聘し、7月に行われたK-1MAXの70kg級世界トーナメントでは日本人が一人も居ないオール外国人選手によるエントリーになるなど、まさしく俺😝💓好みのK-1ガチ最強路線を展開していったわけですが、それが集客に結び付ける事は難しく、おまけに外国人選手を招聘するためのギャラを補填するために無料視聴から有料のPPV視聴へと移行したところ、観る人が少なくなってファンがますます離れてしまうという悪循環を生み出してしまいました。

 

ヘビー級に関しては旧時代と同じく世界各地で予選を開催し、トーナメントを勝ち上がった選手が12月の決勝トーナメントにエントリーしたわけですが、GLORYですらヘビー級の選手層が薄いという現状の中、レベル的にも旧K-1の全盛期を彩った面々よりも遥かに劣るラインナップとなってしまいました。


個人的には、ヘビー級はともかくとして70kg級に関してはあと2年はこの路線を継続して欲しかったですが、もう一刻の猶予もないほどに追い込まれてしまったか。

来年からは宮田充プロデューサーが専属で指揮を執るとの事ですが、経費削減と拡散力を高めるために無料中継に戻るという事が考えられるので、再び日本人選手主体の新生K-1保守本流路線に回帰する事は考えられそう。

なんか大晦日のRIZINで網走番外地だかでK-1とブレイキンダウンの選手らが対抗戦をやるらしいけど(笑)、K-1ってここまで落ちぶれてしまったのか・・・と思う反面、カルロス菊田のガチ路線よりも今の時代はこっちのほうが話題性になるので仕方がないんでしょうね。

ああ・・・格ヲタから半分足を洗ってしまったオイラだけど、これで心おきなくK-1から離れられるかも(笑)。個人的にカルロスK-1に関しては、「立ち技世界最強」と称されていたあの頃のK-1の雰囲気が味わえたというだけでも、充分に楽しませて貰いました。ありがとう俺😝💓たちのカルロスさん。

カルロス最高😝‼️‼️‼️‼️