
初期の頃のユニクロは粗悪な素材、粗悪な縫製などで、
商品としては価値はほとんどありませんでした。
その当時の品質と今の品質は天と地ほど違うという印象を持っています。
僕たちクリーニング屋は一日に数百点という衣類を扱います。
洋服の手触りや艶などで、素材を当てることもできます。
また、触ることによって『よい洋服か、洗濯に弱い洋服か』などを感覚で感じ
洋服に付いている、洗濯ラベルや素材を見てクリーニングをしていきます。
手触りや品質表示タグでクリーニングを決めるので
あまりメーカー名などは気にすることはありません。
一流メーカーでも十分に粗悪な素材って本当に多いし、
安いからって品質も悪いかなんて一概には言えません。
その中で、瞬時に『あれ、この洋服しっかりした作りしてるな』なんて
直感で感じた時はメーカーを見ることがあります。
そんな時、本当に多いのがユニクロなのです。
ユニクロの価格帯であの縫製技術は、今現在ではほとんど真似することは出来ない
かと思います。ユニクロの低価格にしっかりした品質があれば、売れない訳がない。
というのが、クリーニング屋の見方です。
※安く中国で作らせている etc などいろいろな意見がありますが、僕はクリーニング屋なので
衣類のメンテナンスという観点から続けさせて頂きます。
では、なぜ、ユニクロの品質はいいのか?
ユニクロは最初から自社の洋服がクリーニング屋に出されることは想定していないということが挙げれます。
出来るだけ、家庭で洗濯してもらうように商品作りをしている。
家庭で洗濯をする為に商品を作ると、中途半端な商品だとすぐに洗濯事故になり、
アフターフォローにコストが掛かりすぎます。
しかし、一般的なアパレルメーカーのように、洗濯時の事故のクレームを減らす為に
水洗いできるような洋服まで、洗濯表示にドライクリーニング◯ 水洗い× にすると、
低価格なユニクロの価値が維持できないはずです。
安く購入して頂いたのに、クリーニング屋でしか洗濯できないなんて意味ないですよね。
ご家庭で水洗いできるように商品作りしているからこそ、頑丈で長持ちする洋服を作り
だすことが出来ているんだろうなとクリーニング屋は考えます。
中には綿のジャケットまで水洗い◯の洗濯表示をつけて販売していますが、
もし、家庭で洗濯してもシワで着れないはずなんですが、徹底的に家で洗濯することを
考えられて作られています。
ここまで、アフターフォローの力を入れているアパレルはほとんど無い
かと思います。全てだとは言いませんが、洗濯表示にドライマークを付けていればいい
というアパレルさんも少なくないかと思います。
例えば、ポリエステル100%の薄手のブラウスが水洗い× ドライ◯ になっているなんて
よくあること。ちなみにポリエステル素材はドライクリーニングすると、衣類の色が流れ出る
可能性がすごく高いので僕たちはクリーニング店はドライクリーニングで洗いません。
もちろん、水洗いで洗います。
自社の商品に対する覚悟がユニクロさんはズバ抜けていることも
ユニクロが売れ続ける理由かもしれませんね。
低価格でいい商品を提供し続ける。尚かつ購入後、消費者の負担にならないような
商品開発をしているユニクロ
クリーニング屋の視点から見ると、もう少し独壇場は続くと思います。
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もおもしろいよ
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