理系のキャリアと留学 (3)修士から留学?それとも修士とってから博士留学? | あるらのアメリカ大学院留学記

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凡才ながらアメリカの大学院で博士号をめざす普通の女の子の奮闘記。

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「アメリカで理系PhDをとる」

と決めてあるとして、どの時点で留学するか

、考えたことを書きます。

私の結論からいいますと・・

おそらく修士を日本で取得してから留学するほうが

無難であると思われます。

まずはありうるパターンを考えてみましょう。

<タイプA>日本で修士を取得してからPhD過程に留学

<タイプB>日本で学士を取得後PhD過程に留学

<タイプC>日本で学士を取得後ヨーロッパに留学

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さて、ここではもう日本で修士を取得してから博士課程に留学した場合、大学によっては単位の移行が認められて、PhDに必要な単位数を日本の修士で取った単位数として数えられ、学士をとってから直接入学した人よりも早くPhDが取れる場合もあります。しかし大学によっては、学士しか持っていない人と同様の扱いで始めから単位を取り直し、同じだけ時間がかかることもありますしかし、それでも修士をとってからの方がいいのでは?・・と思うのには、いくつかの理由があります

(1)ほんとうにPhDまでとって研究者になるのか判断する時間ができる
  学部4年(3年の冬?)の進路を決める時点では、まだ研究の経験もほとんどなく、自分が一生の仕事として研究をやりたいのか、向いてるのか、判断するのは難しいです。ましてPhDのために留学というような、大きな決断を下すのはなおさらでしょう。

  修士を取ってからなら、ある程度自分の将来の方向性も見つけやすいし、インターンシップなどを通して、就職の可能性も考えてみる時間も取れるでしょう。

  確かに修士を取って留学した場合、学士をとって留学するよりも時間がかかってしまいますが、研究者になるなら、キャリアとしてそれほど遅れを取るということはなさそうです。

(2)ほんとうにやりたい分野を見つける時間ができる

  4年生で出願する時点では、興味ある分野で誰が有名でどんな研究をしているのか、限られた時間と知識で決断するのはとても難しいです(一般論+体験談)。修士で人と通り研究をこなしていると、読む論文数も多くなり、その分野の知識も増え、やりたい研究テーマが具体的になり、学会などを通してその分野をやっている研究室の情報をつかむこともできるでしょう。しっかり見極めてから選ぶ方が、脱落する可能性が少なくなるでしょう。

(3)基礎力をつけてからスタートできる

 いくら英語が得意でも、すべてを英語で理解し、表現するのは大きなチャレンジです。しかし、科学は世界共通なので、基礎となるバックグラウンドがあると、言語にハンディがあってもうまくやっていける可能性が高くなります。

 さらに・・研究に関しても、ある程度自分ひとりでやっていける基礎知識・技術を身につけておくと、例えば配属された研究室がまったくの放任主義でも、どうしていいのかわからず呆然とする・・ということも防げます。

 つまり、日本で得た基礎知識は、アメリカで研究をはじめる時の困難を多少やわらげてくれる効果が期待できます。

じゃ、なんでわざわざ修士から留学してるわけ?

 上記の理由はすべて今年の私の悪戦苦闘と、修士を持ってる友達との比較を根拠にあげています。まあ、学部時代にきちんと基礎力を身につけてる人なら、別に修士から留学しても、全然問題なくこなしていますが、凡人の私は・・・

私だって迷いました。とりあえず修士を日本で取ってからでもいいんじゃないかって・・・。でも、私が無謀にも決断にいたったのは以下の理由から

(1)英語を身につけるのは、できるだけ早い方がいい

一浪で大学に入った私。。。渡米する時はすでに24になっていました。将来の目標を考えても、英語は最低条件。修士を取ってからの留学だと26になるわけで・・・なるべく早いほうがいいと思いました。

(2)将来研究者にならない場合、若い方がいい

PhDを取るとすでに年齢的に不可能になる職業がたくさんあります。PhDの後、そこから他のキャリアをスタートさせる可能性を考えると、遅くならないほうがいいと思いました。

(3)野望は熱いうちに追え!

 将来いつか絶対に留学したいと思いました。絶対したいことなら、「いつかくるチャンス」を待つんじゃなくて、今動こうと思いました。

 将来日本社会に何か貢献できる人間になりたいと思いました。留学は何か他の人の役に立つような能力、経験を私が身につけるための手段の一つで、 その時たまたま私のそばに見えるものでした。修士を取ってから・・はっきりいって、凡人の私は、自分が修士をとった後も、夢を追うための情熱を保ち続けることができるのか?疑問だった。普通の環境で、普通の生活をしてたら、きっと私は特に目立つこともなく、そこそこの研究をして、おそらく普通に大企業にはいって、同じような育ちの人と結婚して・・普通の人生を歩むようなきがした。


(4)結婚・出産を考えると、なるべく早い方がいい

PhD過程中に結婚・出産する可能性は低いとして、24で渡米すれば、5年かかって29でPhD。修士をとってからだと、PhD取るときは31歳・・・30を過ぎて独身だと、いわゆる

「負け犬」

となるわけです。ただでさえPhD持ちの女なんて、結婚してくれそうな人は限られるのに、年を取れば取るほど女としての商品価値は下がり(人間としては磨かれていくと信じてます!!)結婚が難しくなるのは、やはり事実でしょう。30前に卒業したいと思うのは・・・ちょっとした女心です(笑)

「時間がない」

私にはそう感じられたんです。

だから・・・・

無理は承知で飛び出したんです。