ダーティなデータ | 悪態のプログラマ

悪態のプログラマ

とある職業プログラマの悪態を綴る。
入門書が書かないプログラミングのための知識、会社の研修が教えないシステム開発業界の裏話は、新人プログラマや、これからプログラマを目指す人たちへのメッセージでもある。

「データがダーティである」という言い方は一般的だと思うが、私の周囲では伝わらないことも多い。


何らかのデータを変更するプログラムにおいて、保存されているデータを直接書き換えるのではなく、データをコピーしてからそのコピーを変更し、最終的に元のデータに書き戻す、という方法をとることがある。このとき、「コピーの方は変更されているが、元データには反映されていない」という状態を「ダーティである」という。


たとえば、ユーザーが画面でデータを編集するようなソフトでは、既存のデータを編集してそのまま終了しようとすると、「変更されています。保存しますか?」といったメッセージを表示するのが一般的だ。このような、データが「ダーティかどうか」という判定を「ダーティチェック」と呼んだりする。


また、データベースで「ダーティリード」という時の「ダーティ」も同じ意味だろう(「汚い」という英語の意味を考えるとこれが語源かも?)。



「ダーティ」という言葉を使わなくても、「データが変更されたかどうか」と言えば伝わるのだから、あえて使う必要もない、と思うかもしれない。


しかし、開発チームの中で、このような、「使わなくてもやっていけるが、使うと便利」というレベルの言葉がどれだけ共有されているか、ということは、円滑なプロジェクトの進行のための要素のひとつである。


また、言葉を共有することの効果は、コミュニケーション面の向上だけでなく、ものの考え方(システム開発であれば「設計思想」など)の共有にまで及ぶことも多く、侮れないものである。







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