平沼・与謝野新党は何を旗印とするのか | 永田町異聞

平沼・与謝野新党は何を旗印とするのか

同じ「増税論者」の谷垣禎一と袂を分かち、与謝野馨は「真正保守」の旗頭、平沼赳夫と新党をつくるという。


その連合をけしかけたのがタカ派都知事、石原慎太郎で、相談に乗ったのが参院自民党のドン、青木幹雄というから、春とともに古い妖怪たちが蠢き始めたような賑々しさになってきた。


昨日の新報道2001に与謝野とともに登場した石原は、与謝野と平沼の新党にどうからむのかを問われ、「チアガールになる」とはぐらかした。


与謝野も「文学者の意見は参考になる」と適当なことを言う。どうもこの新党の性格、とらえどころがない。


与謝野とともに自民を去る園田博之の説明も、ピンと来ない。一昨日、園田は地元、熊本市内の会合でこう語った。


「政策はほとんど自民党と似ている。自民党と合わさって、民主党を挟み撃ちにして倒せばいい」。


自民党と同じなら、わざわざ別派をつくらなくてもと思うのだが、離党決断前、青木幹雄に事前了解を得ているのは何を意味するのだろうか。


4日付朝日新聞の記事はこう解説する。


自民党は民主党批判票の受け皿になり得ていない。ならば第三極としての新党を結成して民主党批判票を取り込み、自民党と議席の足し算で民主党に対抗したほうが得策というわけだ。こうした狙いで与謝野、園田両氏は青木氏に相談してきた


この理屈にも首をひねらざるを得ない。同質の政党が並び立っても、食い合って一方の票が減るだけかも知れないではないか。


しかも、そういう与謝野らの構想になぜ青木が同調するのか、もっと詳しく書いてほしいものだ。


与謝野や園田が思い切り宗旨替えして、平沼のような腹の据わった国家主義者になるのなら、新党はそれなりに寄り合い所帯の自民党や民主党と差別化できるだろう。


これまで党において、与謝野はどちらかといえば実務派としての信頼感が厚く、園田は新党さきがけ、自民党宏池会という歩みからみてリベラル色の強い政治家だ。


ふつうに見るなら平沼や石原の保守的思想信条とは、かなり距離を感じる。小政党は旗印を鮮明にしないと、存在価値が薄れ、大政党に太刀打ちできるはずがない。総合スーパーや百貨店と同じ土俵に乗らず、専門店として特色を出さねば生き残れない。


「消費増税による財政再建」の与謝野色を打ち出すのか、日本の歴史、伝統、領土を重んじる平沼の「真正保守」を党是とするのか。


そのあたりを明確にしないかぎり、単なる数合わせだと国民に見透かされる。


そもそも、思想信条や行動で筋を通すことをモットーとする平沼赳夫が、与謝野、園田と組むことで信念を全うできる形になるのかも甚だ疑問だ。


新党のメンバーには、麻生政権の元官房副長官、鴻池祥肇の名も挙がっている。思想的には平沼と近い。


女性スキャンダルで雲隠れ入院してオモテに顔を出さなくなった御仁だが、ほとぼりも冷めたころを見計らっての復活となるのかどうか。


ここに鳩山邦夫が加わったら、“白浪五人男”勢ぞろいの、豪華絢爛にして何がなんだか分からぬ新党になりそうではある。


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