推しは生きがい
先ごろ発表された野村総合研究所の「生活者一万人アンケート」。10回目のトピックは、「推し」についての設問でした。「推し」とは、深い愛着を持っており他の人にもおすすめしたいと思う人物や物を指す表現。特定の人物やキャラクターを好きであることや、ファンであることを表現した言葉です。2000年初頭にネット上で使われはじめ、たとえば「AKB48」のファンが自分のお気に入りのメンバーについて話す際に使用されています。
「推し」を持つ人にとって「推し」とはどのような存在なのでしょうか。それは「生きがいや活力」「糧や栄養」「希望や元気の源」であり、「夢や憧れ、幸せ」です。どれもポジティブな印象を与える言葉であり、推しはパワーや癒しをもたらしてくれる存在であるようです。
生活者一万人アンケートでは、年代別、性別で顕著な傾向が見られました。最初の表は推しの有無、次の表は推しにお金や時間をかけるかどうかを尋ねたものです。すると、10代・20代の女性では実に6割前後が「推し」を持ち、お金や時間もかけるなど、若い世代や女性を中心に「推し活」へのエネルギーが高いことがわかりました。こうした推し活消費のうねりも、こだわり志向の消費を後押ししていると推察されます。
では、推しにかけるお金とはいかほどのものでしょうか。こんなアンケート結果があります。金融業を営む大黒屋が20~50代の各世代2000人ずつ合計8,000人に事前調査をし、その中で推し活をしている1000人に絞って本調査を実施しています。それによると、推し活にかけるお金は月平均で1万6605円、年間でおよそ20万円。対象は、俳優(舞台)、声優、YouTuber・インフルエンサーが三傑となっています。
残念ながら、ここに店や企業、店主や経営者はランクインしていません。あなたがぜひ先駆けとなってください。今後、推し活が生きがいや活力であることから、すべての世代に浸透していくでしょう。そのとき、推しの対象は今の形とは異なってくるかもしれません。
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