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2024年もかなり売れたRyzen 7 5700XのゲーミングPC、MSIコラボ「POWERED BY MSI」のSTORM製オールブラックモデルをチェック!

POWERED BY MSIのゲーミングPC「幻界 Limited Black」 text by 坂本はじめ

STORM「幻界 Limited Black」

 STORMの「幻界 Limited Black」は、POWERED BY MSI ESSENTIAL認定を取得したMSIとSTORMのコラボレーションモデルにして、黒いカラーリングにこだわって構築されたゲーミングBTO PCだ。

 さまざまなパーツ構成で販売されている幻界 Limited Blackの中から、今回は2024年のゲーミングBTO PCの中でも定番仕様として好評を博したRyzen 7 5700X搭載モデルを用意。MSIとSTORMの協業体制によって構築された黒いゲーミングBTO PCの魅力を確認してみよう。

MSIとBTO PCメーカー協力のもと製造されるゲーミングPC「POWERED BY MSI」

 幻界 Limited Blackを紹介する前に、あらためて「POWERED BY MSI」について確認しておこう。

POWERED BY MSIモデルは、MSIとBTO PCメーカーの協力体制のもと製造されたBTO PC

 POWERED BY MSIとは、PCパーツメーカーとして知られるMSIとBTO PCメーカーとの協力のもと製造されたBTO PCであることを示す認定プログラム。MSI製の高品質なパーツを使用して構築されたPOWERED BY MSI認定モデルは、最高のゲーミング性能を発揮するとされている。

MSI製パーツの採用数によって3つのグレードが用意されているPOWERED BY MSI

 POWERED BY MSIには、「ULTIMATE」、「ADVANCED」、「ESSENTIAL」という3つのグレードが用意されており、もっとも要件の厳しいULTIMATEではMSI製パーツを6個搭載する必要がある。一方、STORMの幻界 Limited Blackが認定されているESSENTIALはもっとも自由度が高く設定されており、マザーボードとその他1個のパーツがMSI製品であれば要件を満たすことができる。

POWERED BY MSI ULTIMATEは、MSI製のマザーボード、ビデオカード、電源、CPUクーラー、PCケース、SSDを使用したモデル
POWERED BY MSI ADVANCEDは、MSI製のマザーボードとビデオカードを使用したモデル
POWERED BY MSI ESSENTIALは、MSI製マザーボードとMSI製のパーツを1点以上使用したモデル

 ULTIMATEがMSI製パーツの組み合わせによるシナジーを最大限に享受できるPCである一方、ESSENTIALにはBTO PCメーカー独自のこだわりを反映しやすいというメリットがあり、必ずしも上位グレードの方が優れているというわけではない。いずれのグレードでも、MSIとBTO PCメーカーの強固な協力体制のもとでMSI製マザーボードを中心に構築することで、高い信頼性とゲーミング性能を実現している。

STORMこだわりの黒いゲーミングBTO PC「幻界 Limited Black」

 MSIとSTORMがコラボレーションした「幻界 Limited Black」では、MSI製のマザーボードと水冷CPUクーラー、それにMSIのピラーレスケースである「MAG PANO M100R PZ / Black」を採用することで、POWERED BY MSI ESSENTIALの要件をクリアしている。

 Limited Blackの名が示す通り、PCケースや搭載パーツは黒を基調としたカラーリングにこだわって選定されており、4基のケースファンによるLEDイルミネーションが映える洗練されたビジュアルが魅力の黒いゲーミングPCだ。

フロントと左サイドに強化ガラスパネルを備えるMSI製のピラーレスケース「MAG PANO M100R PZ / Black」を採用する幻界 Limited Black
MSI製マザーボードとMSI製PCパーツを1つ以上使用するPOWERED BY MSI ESSENTIAL認定のモデル
左側面。強化ガラスパネル越しに内蔵パーツのビジュアルとLEDイルミネーションが楽しめる
右側面。金属製のサイドパネルを採用しており、フロント側にケースファン用の通気口が設けられている
2枚の強化ガラスを採用したフロントパネル。フロントパネルと左サイドパネルの間のシャーシを省略するピラーレス設計を採用している
本体背面。マザーボードやビデオカードなどのインターフェイスにアクセスできるほか、排気用のケースファンが1基搭載されている
天板には通気口が設けられている
本体左側面の前面側底部に配置されたインターフェイス群。電源スイッチやLEDイルミネーションの切り替えスイッチも配置されている

 今回紹介する「LB-57X47S」は、AMDの8コア/16スレッドCPU「Ryzen 7 5700X」に、「GeForce RTX 4070 SUPER」搭載ビデオカードを組み合わせた構成のモデルで、マザーボードにはAMD B550チップセット搭載マザーボードのMSI「B550M PRO-VDH」を採用していた。

 そのコストパフォーマンスの高さから、2024年のゲーミングBTO PCの中でも屈指の人気CPUだったRyzen 7 5700Xを搭載しているだけあって、ミドルレンジ上位の高性能GPUを採用しながらもLB-57X47Sの販売価格は226,000円(※記事執筆時、2024年12月18日の価格)。幻界 Limited Blackの中でも特にコストパフォーマンスに優れた一台だ。

8コア/16スレッドCPU「Ryzen 7 5700X」。最新鋭では無いが、低コストで必要十分な性能を発揮することからゲーミングBTO PCで特に人気の高いCPUの一つ。
コアパーツのひとつであるマザーボードには、MSIの「B550M PRO-VDH」を採用。Ryzen 7 5700Xの性能を最大限引き出せる能力を備えたマザーボードだ。
CPUクーラーにはMSIの280mmオールインワン水冷「MEG CORELIQUID S280」を搭載。優れた冷却性能でRyzen 7 5700Xを確実に冷却する
MEG CORELIQUID S280の水冷ヘッドには、表示をカスタマイズ可能な液晶パネルのほか、CPUソケット周辺を冷却できるファンが内蔵されている
MSI製PCパーツに関しては、ユーティリティのMSI Centerからステータスの確認やイルミネーション機能のカスタマイズなどが行える
水冷クーラーの動作モードの切り替えや、ファン回転数などの調整も可能
●Ryzen 7 9800X3D搭載モデルなど、上位CPU搭載機もラインアップ

 幻界 Limited BlackにはLB-57X47Sのようにコストパフォーマンスを追求したモデルだけでなく、最強のゲーミングCPUと名高い「Ryzen 7 9800X3D」を搭載した高性能モデルもラインアップされている。

 POWERED BY MSI ESSENTIAL認定を取得したSTORMこだわりの黒いゲーミングPC、そのビジュアルに魅力を感じたのなら、自分好みのパーツ構成を採用した幻界 Limited Blackをチェックしてみるとよいだろう。

幻界 Limited Blackには、最強のゲーミングCPU「Ryzen 7 9800X3D」を搭載したモデル(写真:手前側)も用意されている
96MBの大容量L3キャッシュを備えるRyzen 7 9800X3Dは、低GPU負荷でCPUがボトルネックになりやすいゲームやハイフレームレートで抜群の性能を発揮するゲーミングCPUだ
マザーボードはSocket AM5対応のものに変更されているが、ケースや水冷クーラーはRyzen 7 5700XモデルのLB-57X47Sと共通

Ryzen 7 5700XとGeForce RTX 4070 SUPERを搭載する幻界 Limited Blackの実力とは

 ここからは、幻界 Limited BlackのRyzen 7 5700X搭載モデル「LB-57X47S」の性能を各種ベンチマークテストでチェックしてみよう。

 テスト時の動作設定や条件は以下の通り。Ryzen 7 5700XやGeForce RTX 4070 SUPERには標準的なリミット設定が適用されており、特に性能を制限するような設定は存在しない。

 CPUとGPUのCGレンダリング性能を計測する「Cinebench 2024」を実行した結果が以下のグラフ。CPUスコアはMulti Coreが「765pts」で、Single Coreは「93pts」。GPUスコアは「18,540pts」だった。

 スコアはいずれもCPUとGPUが本来の性能を発揮していると判断できる数値であり、幻界 Limited Black LB-57X47SはRyzen 7 5700XとGeForce RTX 4070 SUPERの性能をフルに引き出せているようだ。

Cinebench 2024「CPU (Multi Core)」
Cinebench 2024「CPU (Single Core)」
Cinebench 2024「GPU」

 ゲームベンチマークの「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク」では、グラフィックプリセットを「最高品質」、FSRやDLSSによる超解像を「無効」にそれぞれ設定し、3つの画面解像度でテストを実行。ベンチマークスコアと平均フレームレートを計測した。

 GeForce RTX 4070 SUPERの性能からすると、フルHD/1080pではCPUがより高速な物であればさらにスコアと平均フレームレートが伸ばせる値だが、WQHD/1440p以上の解像度ではGPUの最高性能をほぼ引き出せている値だ。フルHD/1080p時はGPU側に余力があるとはいえ、平均フレームレートは177.7fpsに達しており、ゲームを快適にプレイするのに十分なパフォーマンスが得られている。

 グラフィックのクオリティや高解像度など画質重視でGPU負荷の高い条件では、GeForce RTX 4070 SUPERの性能を十分に引き出し、ゲームを快適にプレイできるだけの実力がRyzen 7 5700Xには備わっている。それでいて安価なのだから、2024年になってもコストパフォーマンスに優れたCPUとして注目されるのも当然というものだ。

 Cinebench 2024の「CPU (Multi Core)」と、ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク(4K/2160p)を実行した際のCPUとGPUの温度を計測した結果が以下のグラフ。

 MSIの280mm水冷「MEG CORELIQUID S280」を擁する幻界 Limited Black LB-57X47Sの冷却システムは、Ryzen 7 5700XとGeForce RTX 4070 SUPERを完璧に冷やしきれており、サーマルスロットリングとは無縁の低い動作温度だった。

Cinebench 2024実行中のモニタリングデータ
FF14ベンチマーク実行中のモニタリングデータ

MSIのPCパーツが好きなら「POWERED BY MSI」のゲーミングPCMSI×BTO PCメーカーの手堅いモデルの指標に

 POWERED BY MSI認定のモデルは、MSIのPCパーツをメインにしつつ、BTO PCメーカーが最良と思われる構成で構築されたPCだ。MSIのPCパーツを使ったPCが欲しいユーザーは、POWERED BY MSIの表記の有無を気にしつつモデルを選んでもらいたい。

 STORMのPOWERED BY MSI ESSENTIAL認定の幻界 Limited Blackであれば、マザーボード、水冷クーラー、ケースというコアパーツにMSI製品を採用しつつ、STORMこだわりのパーツ選定によって構築されたルックスも美しいゲーミングPCに仕上がっている。

 今回はRyzen 7 5700Xを搭載したコストパフォーマンス重視のモデルを紹介したが、最新鋭のCPUを搭載したハイエンドモデル、高フレームレートで競技性の高いゲームをプレイすることを望むゲーマー向けのモデルなどもラインナップされている。黒くスタイリッシュなビジュアルが気に入ったなら、自分好みのパーツ構成の幻界 Limited Blackを探してみると良いだろう。