ニュース

コスト度外視で最速Radeon搭載PCを作ったら7,000万円!?未発売製品も展示されたASUS×AMDイベントレポート

左からテクニカルライター 加藤勝明氏、ASUS JAPAN 市川彰吾氏、日本AMD 佐藤美明氏

 11月30日(土)、ASUS主催の自作PCイベント「ASUS x AMDプレミアムコラボイベント -AMD Ryzen & ASUS X870マザーボードで未来を自作(つく)る-」が開催された。

 同イベントには、ASUS JAPAN 市川彰吾氏、日本AMD 佐藤美明氏、テクニカルライター 加藤勝明氏らが登壇。AMD X870チップセット搭載マザーボードを中心に紹介が行われたほか、会場では国内未発売製品の実機も展示されていた。

 本稿では盛況を見せたイベントの模様をお伝えしよう。

会場のLIFORK AKIHABARA II
会場内の様子

イベント会場では未発売製品が多数お披露目

 イベント会場では、国内未発売製品が多数展示されていた。

 1つ目がピラーレスデザインのケース「TUF GAMING GT502 HORIZON」で、トレントのピラーレスデザインを採用したデュアルチャンバーレイアウトのPCケース。こちらは近日発売予定で、ブラックとホワイトの2カラー。

 ピラーレスながら30kgの耐荷重を備えた頑強さが特徴とのこと。専用アクセサリとして「ARGB LIGHTING KIT」も発売される予定だ。

TUF GAMING GT502 HORIZON WhiteとARGB LIGHTING KIT

 2つ目は大型ケース「ProArt PA602 Wood Edition」。ProArt PA602のバリエーションモデルで、フロントパネルやインターフェイス周りのパネル、トップのハンドル部分に木を採用したデザインが特徴。こちらも近日発売予定。

 木目塗装ではなく本物の木材を採用しながらも高い強度を実現しているとのこと。またサイドパネルには強化ガラスモデルだけでなく、金属製のソリッドパネルモデルも用意されるという。

展示されていたのはサイドパネルがガラス製の「ProArt PA602 Wood Edition TG」

 そのほか、近日発売予定製品として、80PLUS Platinum認証を取得したATX 3.1準拠の電源ユニット「ROG Strix 1000P GAMING」や、ARGB LED/PWMファンコントローラー「TUF GAMING ARGB PWM FAN HUB」なども展示されていた。

ROG Strix 1000P GAMING
TUF GAMING ARGB PWM FAN HUB
X870マザーボードやRadeonカード製品なども展示されていた

Ryzen 9000X3Dはデータセンター向けチップの技術を汲んだ製品

 前半セッションでは、日本AMD 佐藤美明氏がAMDの最新CPU「Ryzen 7 9800X3D」について紹介。第2世代の3D V-Cacheテクノロジーを採用することで、熱設計を改善し高いクロックを発揮できると説明した。

 第2世代3D V-Cacheテクノロジーでは高度なパッケージング技術が用いられているが、佐藤氏は、データセンター向けの「Instinct MI300A」ではさらに高度な3Dチップレット構造が採用されていることを紹介。HPC向けの高度なテクノロジーがコンシューマー製品として投入されているとアピールした。

 MI300AはCPUとAIアクセラレーター(CDNA3)、複数のIOダイ、メモリ(HBM3)を1チップに統合した、いわば“ド級のAPU”だが、CPUチップレットを省きCDNA3だけを搭載した「Instinct MI300X」も存在する。Instinct MI300Xでは単体でも大規模なアクセラレーターでありながら、8枚を組み合わせて1つのアクセラレーターとして扱える設計も特徴だ。

 佐藤氏は、以前のAMD主催イベントで「コスト度外視の最速GPU」という要望がメーカーから挙がったことに触れ、仮に最速GPUとして「(アクセラレーター用アーキテクチャの)CDNAではなく“RDNA(グラフィック用アーキテクチャ)版MI300X”が出たら、ASUSさん対応マザーボード作ってくれますよね?」と意趣返しする場面も見られた。

ちなみにInstinct MI300X×8とEPYC 9684X×2、2TBメモリを搭載したAI向けサーバーの国内参考価格は7,000万円ほどだそう

 ASUS JAPAN 市川彰吾氏は、同社のAMD X870/X870Eチップセット搭載マザーボードについて紹介。

 国内発売が決定となった、ROG Strixシリーズ最上位モデル「ROG STRIX X870E-E GAMING WIFI」では、強力な電源回路設計や、DRAMスロットのピン設計を改善し最大400MT/sのクロック引き上げを実現するという「NitroPath DRAMテクノロジー」など、Strixシリーズの上位モデルに相応しい機能や設計を盛り込んだマザーボードになっていると説明した。

X870マザーボードはB650の知見が反映されたモデルに

 KTUことテクニカルライター 加藤勝明氏による後半セッションでは、X870シリーズマザーボードについてと、Radeon独自のフレーム生成技術AFMF2について解説が行われた。

 X870マザーボードでは、各社ともB650チップセットでの知見が反映された製品が投入されていると説明。

 ASUSマザーボードでイチオシとして紹介されたのは、最上位モデルの「ROG CROSSHAIR X870E HERO」。

加藤氏イチオシの「ROG CROSSHAIR X870E HERO」は、バックパネル/VRMカバーのROGロゴがLEDで浮かび上がるデザイン。「電源の通電状態が一目で分かる」とマニアック過ぎる観点からの高評価となった。

 セッション後半では、番外編としてAMDのアップスケール/フレーム生成テクノロジー「AFMF2」についての解説も行われた。より詳細な内容については、PADチャンネルにて4日(水)21:00より開始予定のYouTube配信をご覧いただきたい。