2016年5月31日から6月4日まで台湾・台北市で開催された「COMPUTEX TAIPEI 2016」において、大きな存在感を示してきたのが米インテルだ。
だがインテルは、2016年4月に最大1万2000人のリストラと合わせて、注力する事業をデータセンターやIoTにシフトすると発表。PC向けCPUには継続して取り組む一方で、モバイル向けプロセッサーの開発を中止したことが報じられた。COMPUTEX 2016ではインテルによる基調講演では後半がデータセンター向け事業に割かれたのも印象的だ(写真1)。
特集第2回では、Atomプロセッサーを中心にCOMPUTEX 2016の展示内容を振り返る。
ASUSが最新スマホでSnapdragonを採用
インテルは2016年4月に、スマートフォンやタブレット向けを含む次世代Atomプロセッサーをキャンセルしたと報じられている。これを象徴する動きが、台湾ASUSTeK Computerが最新スマートフォン「ZenFone 3」シリーズで米クアルコムのSnapdragonシリーズをSoCに採用したことだ(写真2)。
前モデルのZenFone 2は、Androidスマートフォンとしては珍しくx86アーキテクチャーのAtomプロセッサーを採用。インテルの尽力により、Androidで一般的なクアルコムやMediaTekなどARM系SoCとほとんど遜色のない使い勝手を実現するところまで来ており、日本国内でもSIMロックフリーのスマートフォンとして人気は高かった。