重要なのは「新たなアクション」につなぐこと

 企業活動において、生成AI活用はもはや必須になったと言っても過言ではない。あらゆる業界で人手不足が叫ばれる中、生成AIをうまく活用することで一人ひとりの生産性を大きく向上できるからだ。生成AI活用の得手不得手が、組織のビジネス成長や収益に直接的なインパクトを与える。そのような時代が目の前まで迫っている。

 一方、日本企業における生成AIの利用状況を見てみると、残念ながら真の意味での生産性向上を実現しているケースはまだ少ない。会議の議事録を要約したり、メールの文面を作ったりして便利に利用している従業員は増えている。だが、それらは日常業務の効率化に過ぎず、圧倒的な生産性向上をもたらすまでには至っていない。

 原因は何なのか。考えられるのは、生成AIを使って「新たなアクション」につながる気付きを得られていないことだ。そもそも汎用的な生成AIサービスは、自社のビジネスに関係する内部データを学習していない。そのため、いくら使ってもビジネスの核心に迫る回答は得られないのだ。

 では、新たなアクションにつながる重要情報はどこにあるのか。代表的なものがSalesforceだ。多くの企業が利用するCRM/SFAであり、取引先や商談、活動履歴などに関するデータが大量に蓄積されている。まさに情報の宝庫といえるだろう。

 そんな有益なSalesforce上の情報を、これまで思うように生かせてこなかったのは、目的とするデータの抽出やレポート作成に一定のスキルが必要になることが大きい。

 そこで今、あるアプローチが注目を集めている。生成AIを使ってSalesforce内の情報を網羅的に検索し、簡単に引き出して活用するのである。「Salesforce×生成AI」によって新たなアクションにつなぐ方法とその効果について、次ページで紹介する。

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