日本オラクルの「Oracle Exadata X3 Database In-Memory Machine」は、垂直統合型のデータベース専用システムである。クラスタ構成のOracle Database 11g搭載機の背後に、自前の検索機能を備えたストレージユニットを配備し、検索処理を分散することで高速化を図ったのが特徴。データウエアハウスやオンライントランザクション処理などの用途に適す。
ストレージユニットは、多数のハードディスクとPCI接続型フラッシュメモリーを搭載したLinuxマシンであり、Oracle Database 11gを基に開発した専用ソフトが稼働する。このストレージユニット群とデータベースサーバー群とがInfiniBandスイッチを介して通信し、検索時の役割を分担することで、クラスタ全体の検索性能向上を図っている。
具体的には、クライアントからSQLクエリーを受け取ると、前段のデータベースサーバーと連携して後段のストレージユニットが検索を実行し、結果をデータベースサーバーへ返す。この階層型アーキテクチャにより、検索対象データのすべてをストレージユニットからデータベースサーバーにロードする必要がなくなるため、大量データの検索処理が高速になる。
Oracle Exadata X3は、Exadataシリーズの第4世代に当たる。前世代「Exadata X2」と比較して、ストレージユニットが搭載するフラッシュメモリーの容量を4倍に増加した。独自のデータ圧縮技術「Hybrid Columnar Compression」と組み合わせることで、数百Tバイトのユーザーデータをすべてフラッシュメモリー内で管理できるようになった、としている。
モデル構成としては、データベースサーバーの違いにより、1Uサーバー(8コアXeonプロセッサ×2ソケット)を2/4/8台用いた下位機「Exadata X3-2」(4モデル)と、5Uサーバー(10コアXeonプロセッサ×8ソケット)を2台用いた上位機「Exadata X3-8」(1モデル)がある。
ストレージユニット「Oracle Exadata Storage Server X3-2」は、全モデル共通で、モデルによって3/7/14台を搭載する。1台当たりの構成は、12コアCPU、PCI接続型フラッシュメモリー4基(1.6Tバイト)、ハードディスク12基(高速型600Gバイトまたは低速型3Tバイト)。1ラックに最大14台を搭載可能で、このときのコア数は168、PCI接続型フラッシュメモリーは56基(22.4Tバイト)、ディスクは168基に及ぶ。
モデル | X3-8 | X3-2 |
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提供形態 | アプライアンス | |
可用性 | Oracle Database 11gのクラスタリング機能(Oracle RAC) | |
負荷分散 | データベースサーバーとストレージユニットの並列分散処理 | |
データベースサーバー | 10コア8ソケット×2台 | 8コア2ソケット×2、4、8台 |
ストレージユニット | 14台 | 3、7、14台 |
きょう体 | 19インチラック | |
ラックタイプ | フルラック | 1/8ラック、1/4ラック、1/2ラック、フルラック |
外形寸法 | 幅600×奥行き1200×高さ1998mm | |
重さ | 929.9kg | 368.8kg、368.8kg、543.9kg、871.4kg |
消費電力(最大) | 15.0kW | 2.9kW、3.2kW、6.5kW、11.9kW |
参考価格(税別) | 最小ハードウエア構成で2230万円から | |
発表 | 2012年10月29日 | |
出荷開始 | 2012年10月29日 |