【アクセシブルなPDF】Microsoft Word 2007を使用したタグ付けPDF作成(1)
前回までのエントリーでは、PDFをアクセシブルにする上で気をつけたい事柄を紹介してきました。本エントリーからは、具体的なタグ付きPDFの作成方法について取り上げていきたいと思います。
今回は、Microsoft Word 2007を利用して、見出しタグを含むPDFを作成する方法を紹介いたします。
Microsoft Word 2007で「見出し」の設定を行う
見出しタグが有効なPDFを作成するには、見出しとなる文字列に「アウトライン レベル」を設定します。
- Microsoft Word 2007で、文書を作成する
- 見出しとして認識させたい文字列を選択する
- [ホーム]タブの [段落]の枠組みの右下に表示されている矢印をクリックし、[段落]ダイアログ ボックスを表示させる
- [インデントと行間隔]タブの[アウトライン レベル]に、選択した文字列に適したレベル(見出しレベル)を指定する
- [OK]を押下する
PDFへの変換
PDFMakerがインストールされている場合は、以下の手順でPDFへ変換します。(Adobe PDFMakerはAdobe Acrobat製品をインストールすると、Officeソフトに標準的にインストールされる機能です。)
- [Acrobat]タブの[Adobe PDFを作成]から[環境設定]を選択する
- Acrobat PDF Makerの設定画面を開く
- [タグ付き Adobe PDFでアクセシビリティと折り返しを有効にする]にチェックを入れ[OK]を押下する
- [PDFを作成]を押下する
PDFMakerがインストールされていない場合は、Microsoftから配布されている以下のアドインいずれかをダウンロードすることで、Wordから直接PDFを保存することができます。
- 2007 Microsoft Office プログラム用 Microsoft PDF 保存アドイン
- 2007 Microsoft Office プログラム用 Microsoft PDF/XPS 保存アドイン
アドインを利用する際は、[名前を付けて保存]メニューの[PDFまたはXPS]を選択します。
変換したPDFでは、アウトライン レベルを指定した箇所が「h1」~「h6」の見出しタグとして認識することが可能です。対応するスクリーン・リーダー(JAWSやNVDAなど)を用いれば、Webページの閲覧同様にPDF内の見出しに直接移動することも可能になります。
次回のエントリーでは、より効率的に見出しを設定する方法をご紹介したいと思います。
コメント
Word 2007 SP2ではアドインなしにPDFやXPSの保存が可能ですが、これでもよいのでしょうか。
井上様
ご質問をいただきまして、ありがとうございます。
ご利用の環境からでも、問題無くタグ付きPDFを作成することが可能です。
ご指摘いただきました通り、SP2以降の環境ではPDFおよびXPSの保存が可能となっております。
既にSP2以降の環境をご利用の方は、エントリーで紹介しているアドインのダウンロードは不要です。
参考情報:2007 Microsoft Office スイート Service Pack 2 (SP2) および Microsoft Office Language Pack 2007 SP2 について
PDF/XPS 保存の組み込みサポート SP2 では Word、Excel、および PowerPoint 用に PDF/XPS のサポートが組み込まれています。アドインを別途ダウンロードする必要はありません。
以上、参考になりましたら幸いです。
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