ミラノ・スカラ座とアレーナ・ディ・ヴェローナ(1)　ミラノ・スカラ座オペラ鑑賞　

7月3日18:00　キャセイパシフィック航空　羽田発　
香港管制から待機命令が出て16:25から18:00に1時間半遅れの出発。
当初乗り継ぎに4時間半取っていたので多少遅れても問題はありませんでした。
ミラノまで機内は寒いので長袖のポロシャツと薄手のジャンパ－を携帯した方が良いです。3割位はジャンパ－を用意しています。私は毛布2枚貸してもらいました。

座席は後期高齢者の年齢に近いのでエコノミ－症候群対策で少し座席の広いプレミアムエコノミ－にしました。日頃運動が不足しているので7時間後は足が痺れてきました。
機体最後方のスペ－スで屈伸運動して痺れは改善しましたが更に肩こりが出て肩回りの運動で改善。今回はフラットにシ－トができるビジネスクラスでなくても済みました。

全て予約した航空機の座席は中間の4列シ－トにしてトイレに行きやすい通路側を10日くらい前に選択。座席の座り心地は車だとコロナクラスでした。

夕食はパン、ごはん、チキン、果物、ハーゲンダッツのアイスクリ－ムでした。
米は日本米と違いパサつき料理の味は普通です。

果物

ハーゲンダッツのアイスクリ－ム

香港空港の乗り換えは大勢の出国する人達とは反対方向なので係員に確認しました。

ミラノ空港に到着、ミラノマルペンサ空港のバス乗り場はEXIT 4から出たところにあります。バス乗場を見つけるには空港内到着ゾーンが広いので時間がかかりました。

バス会社Terravisionのミラノ中央駅までのバス券はHPから予約済、往復16ユーロ(行き10ユーロ、帰り6ユーロ)。バスは1本前の便に変更できました。

高速利用し1時間ほどでミラノ中央駅に到着。画像はミラノ中央駅正面。
バス乗降場は中央駅の裏手にあります。

宿泊ホテルのブリストルはミラノ中央駅から300m位。各国にチェ－ン展開しています。半年前の予約で一人部屋なら100ユーロ位で朝食付き。

ホテル ブリストル
ダブルルームをシングル使用にしたのでシングルとして部屋は広めです。

バスタブ付きですがヴェロ－ナから戻った時は同じ部屋のクラスでもシャワ－だけでした。戻った時は30℃超えなのでバスタブなしでも支障はありませんでした。

RicaricaMI（リカリカミ）Pasmoのような券
中央駅内のタバツキで3日券15.5ユーロ、24時間券7.6ユーロ、1回券(90分有効)2.2ユーロをイタリア語を調べてメモを渡して買うと長蛇の列に並ぶ回数は1度で済みます。
3日券、24時間券、1回券の識別はリカリカミの背面の番号とレシ－トの番号を照合しないと表の外観ではわかりませんでした。
自動券売機の発券は言葉が外国語で操作が難しく駅係員に頼んで発券してもらいました。

地下鉄改札機
地下鉄はM1(赤),M2(緑),M3(黄)の各入口は良くわからず迷いました。
入ってからは行き先を確認しないと目的地へ行けません。行き先の駅が路線の看板図に記載されていれば目的地へ行けます。
緑に点灯した改札機にリカリカミの表をしてして青い画面の下の赤い((( )))のマークの上にPasmoのようにタッチします、券を黄色の挿入口に入れるとエラ－になります。

ホテルに荷物を預け地下鉄M2線でCentrale FSからLanzaで下車。
13:17 Osteria Da Fortunata - Brera Milano　手打ちパスタ店
創業はローマで1920年代、ローマ、ミラノ、ボロ－ニャの3か所に店があります。初めMoscova 店に行きましたがバ－みたいな雰囲気の店だったのでスマホからgoogle mapを使って検索しこの店に到着。google mapがないとこの店に着くのは難しそうな狭い道の奥にあります。スマホは海外旅行中はモバイルデータ通信ができるようにしています。

Via Fiori Chiari通りに店はあります。　

手打ちでパスタをこねて包丁でカット、3名で作業を分担。　

若い人が多く店前には行列がありましたが客の回転は速く20分待ちでした。日本でいうと人気ラーメン店ですね。

13:40 ラグ－ソ－スの平打ち麺(タリアテッレ)
平打ち麺の食感は硬く噛み応えがありました、ひき肉はパサパサした食感でした。味付けはまずくはありません。

14:04　追加注文のカルボナ－ラです。円形の断面の麺は平打ち麺より更に食感が硬く讃岐うどん以上です。山梨県のほうとう、富士吉田市のウドン位硬い食感です。カルボナ－ラのソースは生クリ－ムは入っておらずシンプルに粉チ－ズと卵を混ぜている感じでした。
パスタは各18ユーロ、グラスワイン7ユーロ、席料3ユーロでした
グラスワインの白は美味しかったです。

19:29 ミラノのドゥオーモ (ミラノ大聖堂)Duomo
ホテルでスーツに着替えて地下鉄M3　Centrale FS駅からDuomo駅へ向かい、階段を上るとドゥオーモが見えます。

ヴィットーリオ エマヌエーレ2世のガッレリア
ドゥオーモを正面にドゥオーモ広場の左手に見えます。
ミラノ・スカラ座へ行くにはこのアーケ－ドを突き抜けます。

19:31 ヴィットーリオ エマヌエーレ2世のガッレリア
紋章の所には人だかりができています。

19:31 ヴィットーリオ エマヌエーレ2世のガッレリア
イスラム系の人など世界各地の人がここにやってきます。

19:36 スカラ広場にあるレオナルド・ダヴィンチ像
ガッレリアを抜けてここまで来るとミラノ・スカラ座が前方に見えます。

19:35 ミラノ・スカラ座
中央駅横のCentrale FSから地下鉄でM3(黄)に乗り4駅目のDUOMO駅から歩いて10分以内です。地下鉄出口からヴィットーリオ・エマヌエーレ2世のガッレリアを通ります。外壁は修繕中のようでした。チケットはミラノ・スカラ座のHPに登録してから購入しクレジットカードで決済後返信のEメールにチケットが添付されます。

ミラノ・スカラ座 ロビ－
チケットは正規の窓口で交換する必要はありませんでした。入口でA4に印刷したチケットのQRコードの読み取りをします。間違って7/9のチケットを出したら赤いランプが光りました。再度7/4のチケットのQRコードの読み取りをすると係員のスキャナ－が緑色に光りました。
演奏会前に顔見知りと談笑する人達の服装は少し派手めですがス－ツにネクタイ、磨かれた革靴なら問題ありません。日本のオペラ会場へ行く外出着でも問題ありません。

ミラノ・スカラ座のチケットです。

19：45
バルコニ－個室の通路です、持っているA4に印刷したチケットの部屋の番号と座席番号までの行き方を入口で係員に聴き、目標の階まで行ったら再度係員に場所を聴くと良いでしょう。私は入口扉に座席番号が貼ってある紙と自分で照合できました。
開演は20：00です。

通路の壁には各幕の予定時刻が張り出されていました。演奏時間になると天井の照明が明暗を繰り返します。
トイレの場所は係員にトイレットというと通じます。男子トイレの便器は各場所3つ位しかないので急ぎましょう。無料です。

今回の座席で購入したのは左手前の席です。舞台は立たないと半分くらいしか見えませんが立って見れば舞台は見えます。対面するバルコニ－でも後方は立ち見をしている観客がいました。個室の同席者は前方の席には50代前後のイギリス人夫妻、後方の席には50代前後のポーランド人の男性、そして私の4名。お互いに自己紹介し和やかな雰囲気でイギリス人夫妻は演奏中舞台が見難い後方の席で立って見ることを許容してもらえ、もっと前に出て見ても良いとのこと。イギリス人の奥さんはよく見える左前の席を夫に譲って右前に座っていました。

今回の購入した座席からのオーケストラ・ピットです。右側の奥まったひさし(天井)がある場所の打楽器などは音がこもります,手前側の楽器の音量は弱くなりますが生命線の第1ヴァイオリンが正対するのでメロディ－の進行はよく聴こえます。コンサ－トマスタ－は通常の第2ヴァイオリン首席の位置で弾いていました。

今回の購入した座席から正面の左側のバルコニ－席ですが6階あります。休憩中に他の席へ移動しました。6階は最前列でないと良く見えないようでした。安くて音響的に良さそうなのは7/7に座った6階中央付近の最前列でした。視覚的にさえぎるものは目の前の手すりですが上から見るか手すりの下の空間から見るしかありません。1階はどこが良いか掴めていません。

舞台正面のバルコニ－席です。下から途中階までの最前列は最高価格の設定です。
最高価格はオペラ、バレエ、コンサ－トによって異なります。

第3幕の演出
紅葉したモミジが上から球体の中に入り込みました。演出意図は当地の専門家の記事でもはっきりしていませんでした。

トゥ－ランドット姫役は現在屈指のソプラノ歌手アンナ・ネトレプコです。
アンナ・ネトレプコ(ロシア出身)が昨年3月来日公演でユシフ・エイヴァゾフ(アゼルバイジャン出身)との共演以上に絶好調で声量は大きく声質も輝きがあり甘美、クール、威厳を持たせる強靭な声を備えた素晴らしい歌唱力。マリア・カラスの方が役に即した冷たい声質ですがこれだけのパフォ－マンスはなかなか聴くことはできないでしょう。

カラフ(謎の王子)役　ユシフ・エイヴァゾフ
エイヴァゾフも第2幕から声量を上げ始め妻のアンナ・ネトレプコと夫婦らしい息の合った共演。第3幕ではエイヴァゾフの「誰も寝てはならぬ」は聴かせどころを的確に捉えた見事な歌唱力でした。全幕を通じ声の調子のマネジメントが非常に上手く曲のピークに声のピークを完璧に合わせていました。
7/7はヴェロ－ナで「アイ－ダ」のラダメスをマイクなしで歌うようなので少しセーブしているようでした。

召使リュー役　ローザ・フェオラ
カラフをかばい自刃する召使リュー役のローザ・フェオラ (Rosa Feola。1986年生まれイタリア出身)は悲劇的な役に相応しい可憐で透明な高音の響きで魅了しました。6月の英国ロイヤルオペラのラングワナシャより悲劇性を感じさせ同情を誘うリリックな歌唱力とスリムな美貌でした。

ティム－ル(ダッタン元国王)役　ヴィタリ・コワリョフ
第1幕ではカラフ役のエイヴァゾフは前半は声量を抑え気味で今年5月MET公演の元ダッタン王ティムール役(ウクライナ出身)のバス歌手ヴィタリ・コワリョフ(Vitalij Kowaljow)に声量は押され気味でした。頑健な体格から得られる深い声の響きと迫力満点のバス歌手です。

中国の皇帝役のラウル・ヒメネス(Raúl Giménez,1950年アルゼンチン生まれ)
6月の英国ロイヤルオペラの皇帝役の瀕死の演技と違いにこやかな笑みをたたえた小柄な好々爺の演技で声量も充分でした。こちらの皇帝役の歌い方はわざとらしくなく自然でした。

ピン・パン・ポンは東洋系の3名の歌手(Sung-Hwan Damien Park,Chuan Wang,Jinxu Xiahou)
声量と声質は揃い技量は6月公演の英国ロイヤル・オペラのピン・パン・ポン歌手の水準より高く歌唱は安定していました。

指揮者　ミケーレ・ガンバ
英国ロイヤル・オペラの指揮のパッパ－ノはオペラ全体をメリハリをつけ劇的に進行させ老練な上手さがありましたがミラノ・スカラ座のミケーレ・ガンバは音楽の流れに逆らはない歌いやすさを重視した演奏でした。

カ－テンコ－ル
合唱指揮者も含め全員が揃って1回目のカ－テンコ－ルです。
拍手喝采のみでブ－イングはありませんでした。

23：02　最後のカ－テンコ－ル
重要な登場人物がカーテンの前に出てきてお別れの手を振ったら最後になります。
帰りは深夜0時過ぎでも地下鉄が動いているので安心です。地下鉄の会社名はATMです。