
2022/05/04 - 2022/05/05
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ウェンディさん
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この旅行記のスケジュール
2022/04/30
2022/05/01
2022/05/02
2022/05/03
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谷地温泉
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この旅行記スケジュールを元に
昔々のそのまた昔
日本がまだ今の形ではなく、
大陸と一続きで、
地球のあちこちからは
噴き出す熱い炎が空を焦がしていた頃
この地には
氷のように透き通る鱗が輝く大きな龍が
いました
その龍がねぐらにしていたのが
ひんやりと冷たい鍾乳洞。
昔々のお話ですが
今でも東北地方に残る青の洞窟の中の
ドラゴン・ブルーに輝く水の中には
太古の龍の気配が漂っています
- 旅行の満足度
- 5.0
-
今年のG.W.は久々の行動規制なし。
だから私もお休みをいただき、ちょっとした旅へ。
さて、行き先は何処?
そうだね。
東北で冬の余韻に浸りと春の始まりをリピートするのはどうかな。
旅のメインテーマは縄文。
最近はまっているDOGUを第1テーマとして、洞窟のBlue World、そして春のスノー・トレッキングもプラスして。
亀ヶ岡、三内丸山、是川の美女たちの足跡を辿ってみようか。
渋滞を避けた往復夜行7泊8日の少しハードな日程は私たちの年代にはちょっときつめだけど、楽しみには代えられない!
今回の旅行記で紹介するのは、8日間の旅で出会ったBlue World-青の世界から
•龍泉洞の深さ98mの青い水をたたえたドラゴン・ブルーの地底湖、
•浄土浜の透き通る青の洞窟
の2つをセレクト。
もう一つの青の世界;八つ墓村にある幻の滝;滝観洞、それはまた次の機会に・・・。亀ケ岡遺跡 名所・史跡
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テーマの2つ目の雪山遊びは、少しハードにトレーニングも兼ねて。
5月の東北の山は、春の雪山。
春の雪山歩きの難度はそれほど高くはなく、私でも遊べる程度。
初心者でも簡単に歩ける八甲田山と岩手山でトレッキングを愉しんできた。八甲田山 自然・景勝地
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イチオシ
テーマの3つ目が、この旅行記でもタイトルとした碧の世界。
本当は初日に八幡平の青いDragon Eyeへと歩く計画だったのだが、想定外の寒波が東北に大雪をもたらし、八幡平へとアクセスするアスピーテ・ラインが道路凍結のために通行止め。
八幡平そのものへのアクセスが何人たりとも不可となり、八幡平は潔く諦めた。
しかし、捨てる神あれば、拾う神あり・・・で、この旅では3つの幻想的な青の世界に出会うことができた。
(写真:龍泉洞) -
イチオシ
そして、現地滞在の最終日に思いがけず時間的余裕ができたので、2年前の東北旅の取り残しである、柳田国男の昔話の世界へ潜入することに・・・。
銀河鉄道が夜空を走り抜ける遠野物語の世界を駆け足で巡ってみた。めがね橋 名所・史跡
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東北での旅程はこんな感じ↓
1日目 前日の23時出発→八幡平
八幡平→(変更)→岩手山
八幡平温泉郷 Pアドバンテージ泊
2日目 亀ヶ岡遺跡
浅虫温泉 H秋田屋泊
3日目 三内丸山遺跡 小牧野遺跡
寒水沢温泉 H八甲田リゾート泊
4日目 八甲田山
谷地温泉泊
5日目 是川石器時代遺跡 龍泉洞
H休暇村陸中宮古泊
6日目 浄土ヶ浜 滝観洞 遠野
19時に東北を出発→翌朝2時半帰宅
かなり時間的な余裕を持らせたプランニングだった筈なのだが、遺跡見学などに予想以上に時間を費やし、なかなか思うようには行かなかった。
全体を通して見れば、八幡平のトレッキング以外は予定通りコンプリートしたので、まずまず良い計画案だったのだと思う。
現地5泊の全ての宿を温泉にしてみたが、日本三大秘湯の一つである谷地温泉と八甲田の寒水沢温泉の泉質が私好みで、特に寒水沢温泉は弱アルカリの炭酸泉で、お肌がツルリとなる美肌の湯だった。
(写真:日本三大秘湯の谷地温泉)谷地温泉 宿・ホテル
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青の絶景で最初に訪れたのは、岩手県岩泉町の山の中にある鍾乳洞の龍泉洞。
龍泉洞が有名なのは鍾乳洞としての洞窟と言うよりも、その鍾乳洞内にある深さ100mにも及ぶ青い地底湖の姿だ。
洞窟への入場はチケットを購入時に5分程度並んだ以外は比較的スムーズ。
洞内の見学路には木道が敷かれ、歩きやすい状態だった。 -
龍泉洞は日本三大鍾乳洞のひとつで、その鍾乳洞の中に張り巡らされた洞窟の長さは、現在分かっているだけでも4-5km以上もあるそうで、まだまだ未踏破の枝鍾乳洞もあるとのこと。
木道の下には湧き水が流れ、見所ごとに名前がつけられ、この場所の名は長命の淵。
噂によれば龍泉洞の水を飲むと長寿となるそうだが、さすがに柄の長い柄杓を持ってきている観光客は見かけなかった。 -
入洞してしばらくは、足下の木道の下を流れる透き通る湧き水を眺めながら歩く。
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龍泉洞は本来ならば歩けるルートが幾筋かあるのだが、新型コロナ禍の現在は複数のルートが通行止めとなり、入ることはできない。
それでも鍾乳石が美しいエリアは見ることができ、ちょうど洞窟の中央部に達した辺りが鍾乳石の見所エリアの始まり。
そのゲートとなるのが、竜宮の門と呼ばれる岩の門だ。 -
竜宮の門の先は洞窟の天井が高くなり龍泉洞の中でも一番鍾乳洞らしいエリアで、天井からはヒダヒダの形状をした鍾乳石が降り注ぐ。
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このドーム状の空間は現実離れした不思議な景観から月宮殿と呼ばれている。
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月宮殿には様々な鍾乳石の芸術品が見られ、額が手前に置かれたこちらは洞窟ビーナス。
たしかに流れた鍾乳石が女性的なラインを醸し出してはいるが、ビーナスというよりも横向きの観音像の方がイメージしやすいかも。 -
地蔵岩は、赤い帽子と前掛けのアクセサリーのお陰で、そのままの雰囲気だ。
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鍾乳洞内の気温は1年中ほとんど変らないと言うことで、この日は9.8℃
真夏に来る場合は上着を持参しないと風邪を引きそうだ。
湿度は93%もあるそうだが、気温が低いのでそれほど蒸した感じはしなかった。 -
月宮殿は鍾乳洞内を照らすLEDライトの色がクルクル変るので、
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天井の同じ岩を見ていても、ライティング色によってその見え方が変わる。
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鍾乳石の機微が一番分かりやすい色合いはLEDの切り替わる瞬間の色で、岩の表面の凹凸が良く見て取れた。
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此処までならば、日本中のあちこちにある鍾乳洞とその内部の雰囲気は大きくは変わらず、何故、此処;龍泉洞が日本三大鍾乳洞の一つといわれるのか納得がいかないのだが、この先に広がる鍾乳洞の深部が、三大鍾乳洞と称される所以となっている。
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月宮殿の先は、鍾乳石の壁が両脇に立ち並ぶ細い通路なのだが、それだけではない。
通路の足下のすぐ脇には巨大な深い穴があり、通路からその穴をのぞき見ることができる。 -
穴は、鍾乳石が作った地底湖で、その中に照明が沈められ、不思議な青の世界を作り出していた。
この地底湖が第一地底湖でその水深は35mある。 -
通路は更にその先にも続き、次に現れたのは第二地底湖。
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写真の右上にオレンジがかって見えるのが歩行者通路で、そこから地底湖をのぞき込む。
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イチオシ
第二地底湖の水深は38mで、ここにたまる水は全て地面をしみ通って濾過されてきた水。
最も遠いしみこみ元は14kmも離れた場所だと説明看板にはあったが、この湖水が14km先のポイントを源とする水だと、どのような手法で同定したのだろうか。龍泉新洞科学館 自然・景勝地
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地底湖の最大の見所が第三地底湖で、その深さは最深部でなんと98m。
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第3地底湖は現在分かっているよりも更にその先が有り、まだまだ調査中とのこと。
こんな地底湖でのケイビング探検はダイビングをする方ならばワクワクするのだろうが、さすがに深さ100mは通常装備では難しいよね。 -
水は濾過水なので透明度が高く、肉眼では、ずうっと下の深部までもが覗き見れ、高所恐怖症の方だと怖さを感じるかもしれない。
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個人的には、吸い込まれそうなこの青い水の色をずっと眺めていたい場所だった。
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その昔は、この鍾乳洞に龍がいると言い伝えられてきたと云う。
此処が氷のうろこを持つ龍のすみかといわれたら、理屈は無視して、納得してしまいそうな美しさ。
100mも深さがあるのだったら、本当に龍が潜んでいてもおかしくないよね。 -
コロナ禍のせいなのか龍泉洞内は現在は一方通行で、出口は鍾乳洞の入口とは離れた場所で、そこまでの通路には初期の頃の龍泉洞の観光の様子の写真などもあり、とてもアドベンチャーな雰囲気。
私も、こんな風に小舟で鍾乳洞内の探検をやってみたい! -
青の絶景二つ目の地点は、山から海へ。
龍泉洞からは車で1時間ほどの浄土ヶ浜が、次の青の舞台だ。浄土ヶ浜 自然・景勝地
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浄土ヶ浜があるのは、陸中高田。
リアス式海岸の中にある海岸線の美しいエリアだが、ここは2011年3月の震災時に巨大な津波が海岸部を襲い防波堤を乗り越え、多くの命が失われた場所でもある。
この日に訪れた浄土ヶ浜も震災時には津波の被害に遭い、海抜の低いエリアの建物はことごとく被災したそうだ。
津波の被害が著しかった地域を震災後に訪れる旅は今回がは初めてで、高台を貫く国道を車で走りながら海岸線に立ち並ぶ異様に背が高い防波堤を目にした時には、帰宅困難者となったあの晩にTVに流れた津波の映像が脳裏に蘇り、フラッシュバックのようにあのときの揺れの恐怖が蘇った。
(写真:浄土ヶ浜の遊歩道の展望台より入り江を眺める) -
浄土ヶ浜は三陸ジオパークの中にあり、岩が作り出す海岸線が美しいエリアで、海波と海風に削られて白い肌を見せる岩の入り江がまるで浄土の光景の様だとのことから“浄土ヶ浜”と名付けられているそうだ。
更に、入り江の岩の一つ一つには浄土にちなんだ名がつけられていて、
岩に二つの目、鼻の穴が開いた岩はドクロ岩、 -
とがった先を持つ岩は“剣の山”、
-
剣の山から繋がる岩の窪みは“賽の河原”・・・など、特徴のある岩には地獄を連想させる名がついている。
浄土といえば私の頭の中にイメージされるのは、蓮の花が咲き乱れる極楽浄土なのだが、どうやら”浄土”という単語は相反する二つのことを同時に示すらしく、浄土ヶ浜の景観は地獄浄土の方らしい。 -
そんな浄土絵図が繰り広げられる浄土ヶ浜だが、実はここはジオサイトの一部であり“摂理”のパラダイスである処で、柱状節理、板状摂理・・・など多くの摂理が見られるが、そのなかでも多いのが板状摂理で海岸線の遊歩道沿いの岩壁にも摂理を見ることができる。
しかし遊歩道沿いから見える摂理は限られているので、ジオパークとして浄土ヶ浜を愉しむならば、お勧めなのが浄土ヶ浜のボートクルーズ。
ボートクルーズは“さっぱ船”と呼ばれる小舟に乗って浄土ヶ浜の景観を20分ほどで楽しむクルーズ・ツアーで、私たちもさっぱ船が目的で此処へとやって来た。(地獄浄土の景色はボートクルーズ時に撮影したモノ) -
浄土ヶ浜のさっぱ船(1500円/一人)は1日を通して営業をしているが、お勧めなのは午前中の早い時間。(その理由は後述するので、省略)
午前中に浄土ヶ浜に来るためにはこの近くでの前泊が必須であり、私たちも浄土ヶ浜のすぐ近くの休暇村陸中宮古に宿泊した。
(写真:休暇村宮古の朝食の一押し;瓶丼の瓶に入った状態) -
イチオシ
休暇村陸中宮古は、海産物のバイキング形式の夕食が美味しい♪とのことだったが、夕食のクオリティは微妙で☆2といったところだったが、朝はお勧めで、特に瓶丼(びんどん)がメカブたっぷりで美味しかった。
瓶丼とは宮古のB級グルメと言われていて、最近、一気に有名になった食べ物で、簡単に言えば、瓶に綺麗に詰められた海産物をどれだけ美しくご飯の器の上に展開できるかを競うメニューで、食べる人の盛り付けの腕も問われる。休暇村 陸中宮古 宿・ホテル
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休暇村宮古があるのは浄土ヶ浜の北側なので、周囲のリアス式地形も見所の一つ。
私たちも朝散歩をしてみたが、浄土ヶ浜北側の“タコの浜の遊歩道”の散歩がお勧めで、宮古層群からなる地層の島の”日の出島”や、約一億年前の礫岩や堆積岩が作り上げた岩島の姿などが一望できた。 -
その休暇村に宿泊した翌朝は大忙しで、朝7時にバイキングの朝食を胃へと押し込めたらチェックアウトをし、浄土ヶ浜へ移動する。
宿から浄土ヶ浜までは車で10分ほどだ。
浄土ヶ浜のさっぱ船でのボートクルーズの営業は朝8時半からだが、事前予約はできなく、窓口での申し込み先着順での乗船となる。
さっぱ船の台数は6艇のみで、1回のクルーズ時間は20分。
一艇に2-6名しか乗れないので、1時間に捌ける人数は多くて25名。
とにかく先手必勝で乗船を申し込まないと、G.W.なだけに乗船待ち時間だけで数時間ということにもなりかねない。 -
私たちの船着き場への到着は8時15分頃。
もう既にボートハウス(浄土浜マリンハウス)では受付が始まっていたが、私たちの待ち時間は40分程度だとのことでそれほど長い時間は待たなくて良さそうだ。
救命胴衣とヘルメットを受け取り着用してスタンバイし、9時過ぎにはさっぱ船の上に乗っていた。
このさっぱ船の上では乗員に課せられたミッションがあり、そのミッションを果たすべく、全ての乗員には乗船前に“かっぱえびせん”の小袋が渡される。 -
船が船着き場を離れるとすぐに、ミッション・スタート!
船頭さんが浄土ヶ浜の見所ポイントまで船を動かす間、乗員達は指にえびせんを挟み、ソレを大空高く投げ上げる。 -
すると、それまで岩の上に止まっていたウミネコ達がボートの上に飛んできて、すかさず空中でソレをキャッチするという、ウミネコと人間のコンビネーションが試されるミッションだ。
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2者のコンビネーションとはいうものの鳥と人間という異種間では間合いをとるという意思疎通が難しく、投げたえびせんは放物線を描き、そのまま波の上へと落ちることの方が多い。
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しかし、中には器用なウミネコもいて、飛んでくるえびせんを空中キャッチ。
私たちのさっぱ船には私たち以外にもう1組家族連れが同乗していたのだが、その子供達は船頭さんの浄土ヶ浜の景観解説なんて上の空で、ウミネコとのえびせん遊びに夢中だった。 -
子供たちはウミネコに夢中だったが(因みにウミネコとカモメの見分け方、知っている?)、私の視線は、ウミネコに未練を残しつつも、浄土ヶ浜の奇岩の方へ引き寄せられていた。
浄土浜の海岸線には、大昔の火山の溶岩が流れ出た時の名残を残す摂理が多く残されていて、板状摂理と呼ばれる岩がそこらかしこに点在する。
浄土ヶ浜のこの白い岩は流紋岩と呼ばれる岩で、マグマが吹き上がる際に無色鉱物の結晶を多く吹くんだ為にこのような白い色になったそうだ。
(ウミネコとカモメの簡単な見分け方は脚色の違いで、ウミネコが黄色、カモメがピンク色!) -
船の上から奇岩の岩肌を注意深く眺めると、岩の表面に斜めに走る地層のようなモノが見えるがコレは地層ではなく、1億年前に溶岩が流れたときにできた溶岩の流れの痕跡で”流理構造“と言われる物だ。
浄土ヶ浜の岩には”板状摂理”や”流理構造”の岩があちこちにあり、その岩に残された痕跡から、どの辺に大きなマグマだまりがあり、どのようにマグマが隆起して地面を持ち上げ、浄土ヶ浜の入り江の形となったのか・・等も推測できているそうだ。サッパ船アドベンチャーズ 乗り物
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この流紋岩が作り出す景色はなかなか素晴らしいが、この景色はあと100年後、200年後は現在とはその見た目が変わって行く。
浄土ヶ浜の景観を作り出している白い流紋岩はその構造が比較的もろく、海波や風の影響により容易く崩れる。
だから、日々の波風の浸食で、その岩の形はゆっくりと変化し続けるそうだ。
そうやって教えられると、海の中から生える様にポツポツ見える小さな岩の塊も、その昔は一連の陸地であった岩の柔らかい部分が海水で浸食され崩れ落ち、現在のような形になったのだろうと容易に想像がつく。 -
さて、浄土浜のさっぱ船でのボートクルーズだが、岩が作り出した地獄浄土の見物やウミネコへ餌付けが全てではなく、皆が楽しみにしている場所が他にもある。
そこは浄土ヶ浜の入り江を抜け、少し海流の激しい岩陰にある海蝕窟で、地元の漁師さん達が八戸穴(はちのへあな)と呼ぶ場所だ。
八戸穴は以前はただの崖にあいた裂け目だったのだが、あるとき、そこの裂け目が特別であると気がついたのが始まりで、今ではイタリアのあの場所と肩を並べるくらい有名となった場所(地元の方の話によればだが、本場イタリアと肩を並べるのはモリモリ過ぎだろう)だ。 -
八戸穴は近づくまではただの崖の割れ目だが、割れ目に近づくにつれてそこが有名になった理由が分かってくる。
海の色の変化が、分かるだろうか。 -
以前は八戸穴と呼ばれていた岩の裂け目は、現在は名前を変え“青の洞窟”と呼ばれている。
私たちがさっぱ船に乗船したのはこの青の洞窟JAPANESE. Ver.を見たくて。 -
波が荒いとさっぱ船は洞窟の中へは入れないこともあるそうだが、この日は引き潮の時間帯だった上に海も凪いでいたので、さっぱ船は岩のアーチをくぐり抜けて無事に青の洞窟の中へ。
青の洞窟 (八戸穴) 名所・史跡
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青の洞窟の中で、これほどまでに水が青く見える秘密は実は未だ確実な理由は解明されてはいないのだが、私の勝手な推測では、マグマが作り出した白い流紋岩が一役を買っているのではないかと思う。
1.水には暖色系の光を吸収する性質がり、水の中では吸収された赤や黄色の光は人間の目には見えなくなり、水中では青の色のみ強調される。
2.更にレフ板効果を果たしているのが、洞窟の内壁の白い流紋岩で、レフ板に反射した青の光は更に輝きを増す。
3.また、流紋岩はもろく壊れやすい性質を持つ透明な鉱物から形成されているので、洞窟内に打ち寄せる波で細かく砕けた流紋岩は水の中では透明な微粒子となり、水の中に浮かぶラメパウダーの働きをし、鏡の様にキラキラと青い光を反射する。
この3つの要素が重なり、青の洞窟は妖しいほどに美しく青く輝くのだと思う。 -
そして、青の洞窟のブルーが美しく見える条件はもう1つあり、ソレは太陽光線。
いくら白い流紋岩が洞窟壁面を覆っているからって、光が入ってこないことには青い色は洞窟内には浮かび上がってこない。
今回のさっぱ船への乗船で“午前中の早い時間”という時間帯にこだわったのは太陽の方向と高度のため。
洞窟の穴の方向と太陽光が差し込む位置が一致しなければ、洞窟の中に太陽光が入り込まず、青の洞窟の青色は出現しない。 -
因みに私たちが洞窟の中にいる時に、太陽の光が陰った時間があり、その時の写真がこちら。
お日様がないだけで、青の洞窟内の色はこんなにも変わってしまう。
午後も洞窟内に日が入らなくはないが、洞窟の奥まで日が差し込むのは午前中の早い時間だけ・・・ということで、朝1番の時間帯を狙って、八戸穴(青の洞窟)へのさっぱ船に乗船した訳だ。 -
洞窟内の水は透明で、船の縁からは海水の中で岩に張り付いたイソギンジャクやメカブなどもくっきりと見える。
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イチオシ
でも少し離れたところの海面は、色は青いのだがその透明度は若干悪く更にその青色を周囲の白い岩肌に投影している感じで、洞窟の内部全体が青がかって見える。
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多分、これは細かく砕けた流紋岩の透明結晶の仕業で、水の中で青を反射する微少な鏡を造り、その青を洞窟全体に反射しているのだろう。
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さすがに午前中の太陽光といえども洞窟の際奥までは光が届かない。
洞窟の奥の方の水はただの透明な海水だが、この洞窟には秘密があり、昔の名である“八戸穴”が示すように、この洞窟の奥は遠く八戸まで繋がっていて大潮の干潮時には洞窟内の抜け道を歩いて八戸へと行ける・・と言われているそうだ。
八戸へ行ける・・・との伝説だが、コレは絶対にチャレンジしないでほしい。
例え洞窟内のルートが本当に八戸まで繋がっていたとしても、大潮の最干潮の時間帯のみに歩いて八戸へとたどり着くのは人間には無理。
宮古-八戸は直線で結んでも50km以上あるため、この距離を歩くのは数時間では絶対に無理で、潮が満ちてきたら溺れてしまう。 -
さっぱ船での青の洞窟での滞在時間はそれほど長くはなく5分くらいだが、じっくりと眺めるには十分な時間だった。
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青の洞窟を出る時にその入口を振り返ると、そこにはマグマが作り出した板状摂理と流理構造の姿。
青の洞窟はその色も美しいが、ジオサイトとしての岩も美しい。 -
イチオシ
今回の旅行記で紹介できなかったもう一つの青の世界“幻の滝が流れる滝観洞”については、また別の旅行記にて、幻想的な姿を綴ってみたい。
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