遠い昔にテレビで「とんでもないところに建っているせいで、世界遺産に登録された途端に積年の領土紛争を再燃させたお寺」というと...
続きを読むんでもない紹介のされ方をしていた場所、カンボジアのプレアヴィヒア寺院。それがなぜか妙に印象に残っており、それとなく情報を集めること約十数年、この度この旅にてついに訪問を実現することができました。
個人訪問はよほど行程にゆとりがあり且つカンボジアに旅慣れている人でないと厳しそうです。そうでない我々のような一般民は、大人しくツアーを手配しましょう。プレアヴィヒア単体のツアーの他に、復路の途中にある別の遺跡(コーケーやベンメリア)もセットで訪問してまる一日コース、という日帰りツアーが多いようです。
私の場合は市内にある日本人宿の「BLANKゲストハウス」さんが提供している相乗りツアー(他の遺跡観光2ヶ所分も含めて$180)に申し込みました。自分は一人旅で同日に同行者も現れなかったためこの金額でしたが、参加者が多ければちょっとずつ安くなるそうなので、グループ旅行の人なら利用価値は大きいと思います。
ただ、それにしても抜群に遠いです。タイ国境近くの辺鄙な所にあり、車を飛ばしてもらってもシェムリアップからの所要時間は片道4時間ほど。(これでも近年の舗装道路の伸長によってまだ格段にマシになったほうだとか…) 行かれる方は半日~まる一日をプレアヴィヒア(+人によってはコーケーとベンメリアも)に捧げる覚悟でいましょう。
プレアヴィヒアはなかなかの標高の山の上に位置しており、麓のチケット売り場で入場料($10。アンコールパス対象外)とは別にバイクタクシー(往復で$5)を購入する必要があります。山の中腹までは快適なイージーモードなのですが、中腹から頂上付近の入口まではえげつない坂道を上ることになるので、スリルを楽しむ寛大さとそれなりの覚悟、そしてそれなりの体幹の筋肉が必要です。ただ、割高になりますが四駆車で上る手段もあるそうです。
寺院の敷地はアンコールワットほど規模があるわけでもなくそこそこレベルの広さなのですが、それでも最初の門から最奥の本堂(?)まではなかなか距離がありますし、参道は延々と且つうっすらと上り坂なので意外と体力を消耗します。
ただ、この寺院が一番有名なのは(もちろん建物も面白いんだけど)、その背後に待ち構える断崖絶壁から見下ろせるカンボジアの大平原のおかげ。南側を向いた崖からの見晴らしは非常によく、まさに「絶景」です。ひたすら緑色に広がる眼下のカンボジアの大自然。さすが「天空の寺院」と旅行代理店に名付けられるだけあります。
これを目当てにしている人は多いようで、そこかしこに絶景に感動しながら写真を撮っている観光客がいました。あと、遺跡と化した寺院+絶景の組み合わせに弱いという共通の完成を持つ人がやたら多いせいなのか、日本人観光客をお見掛けする機会が他の寺院や遺跡と比べてなぜか多かったです。
ただその反面、アクセスの難しさもあってか大人数の団体さんはそこまで見かけなかったので、「絶景に浸りたいのに周りの団体客がうるさくて全然感動できない!!」的な事態は心配しなくて良さそうです。
次の行程が控えている都合上、他の遺跡を含めたツアーだとプレアヴィヒアの絶景を楽しめる時間もどうしても20~30分程度に限られてしまいますが、それでも行ってよかったと強く思ってますし、大満足でした! 弾丸旅行じゃないので日程に余裕がある人、且つ絶景系の場所に飢えている人…ぜひ訪問を検討してみてはいかがでしょうか?
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投稿日:2024/05/23