さくらクラウドとAWSを私の使い方で比較してみた

さくらクラウドが新規利用を開始したので、試してみました。そして現在、私が使っているAmazon Web Services(AWS)とコストをメインに比較してみました。


私のクラウドの使い方

私(EY-Office)では、現在開発用のサーバーとしては、サクラVPSとAWSを使っています。 サクラVPSはRedmine, Git repository, Ruby on Railsのテスト用などに使っています。

本題のAWSの使い方は、

1. Ruby on Railsアプリの確認用サーバー

出来たアプリのAPI接続テストやお客様とのレビュー用。開発そのものは MacやVMWare上のLinuxで行うのでAPI接続テストやお客様とのレビューなどインターネットにつながってないと出来ない時のみ立ち上げて使っています。
現在、進行中の仕事でも使ったのは1週間ほどでしょうか? お客様側の都合などもありプロジェクト自体は2〜3ヶ月かかっているのですが、EC2インスタンス(サーバー)はほとんどは stopped状態です。

2. Ruby on Railsのデプロイ教育用サーバー

Ruby on Rails中級者コース で実習するデプロイのデプロイ先サーバー。

講習でデプロイ、Capistrano の実習を行う際のデプロイ先のサーバーに使います。講習の際には受講者の人数分の台数を立ち上げて使っています。しかし、デプロイの講習は長くても7〜8時間です。終わったら全てのEC2インスタンス(サーバー)は消してしまいます。後はサーバーの環境のイメージ AMI を保存しているのみです。

コストの比較

上の2つの使い方でコストを比較してみましょう。サーバーはRuby on Railsがまともに動く一番小さいサーバーということで、AWS では M1 スモールインスタンス 東京リージョン、さくらは プラン1 で比較します。 AWS はドル建てなので、$1 = 80円として計算します。

計算の前提ですが、

  • 1. はサーバー1台を 3ヶ月間借り、サーバーが起動している時間は1週間
  • 2. はサーバー5台を 8 時間のみ起動し、サーバーのイメージディスクを 3ヶ月保持しておくとします
ケース AWS さくら AWS内訳 さくら内訳
1 ¥1,440 ¥1,512 {ESB} $0.85 * 3 + {EC2} $0.092 * 7 * 24 {アーカイブ} 210 * 3 + {サーバー} 126 * 7
2 ¥448 ¥1,260 {AMI} $0.09 * 3 + {ESB} $0.33 * 5 + $0.85 {EC2} $0.092 * 8 * 5 {アーカイブ} 210 * 3 + {サーバー} 126 * 1 * 5

注) ESB,AMIの価格は請求書から引用


見てわかる通り、ケース1はほぼ同じですが、ケース2は時間課金のAWSは圧倒的に安いですね。このように教育の実習や、短時間で大量のCPUを使った計算などはAWSは安い事がわかりますね。

使い勝手

コンソールの使い勝手の感想は、

  1. 下のスクリーンショットで分かるように、AWSは今風のUIでUXもそれなりです、さくらの方もAjaxを使ってはいるのです古風な感じでUXも今ひとつです
  2. またAWSは一覧と詳細が一画面で表示出来て便利だと思います。さくらは別です。
  3. さくらのコンソールはヘルプへのリンクがありません!(実は在るけど見つからないのかな?) これはひどいと思います、早急に改善してほしいです。特に初心者には用語が分からない事がありヘルプが遠いページにあるのは良くないです。
  4. AWSは機能が豊富で、やや判りにくい面もありますが、さくらはシンプルで初心者には優しいかも知れませんね。
  5. コンソールの反応速度やサーバー自体の速度もさくらの方が早くて軽快です。


  • さくら


結論

さくらクラウドはAWSより安いというふれこみですが、教育実習など短時間しか起動しない場合はAWSの方が安くなります。逆に常時起動しているサービスなどではさくらクラウドは安いです。

クラウドをローコストで使うにはストレージのスナップショット、アーカイブなどクラウド固有な知識が必要になります。AWS、さくら共に情報、操作が必ずしも分かりやすくはないと思います。ただし、先行しているAWSにはネット上の情報、書籍、コンサル、サポートが充実している強みがあります。
さくらクラウドにも運用向け情報の充実や、コンソールの使い勝手の向上などをがんばって欲しいと思います。