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山道を行く

カラダとアタマと心。 すべて働かせるのが山の魅力でしょうかね。

【日々是好日261】 事故から1ヶ月 その2

前項の続き。


ガイド協会について書いたので、今度は違うほうから。

アミューズ社は観光庁長官第1種の旅行業者として登録されています。
一方のオフィスコンパスの方は、旅行業者としての登録がなされていなかったことが報じられていました。
「旅行業者ではなくガイド会社だ」なんて弁解をしていましたが、ちょっと苦しいような。。。

さて、本題は旅行業者登録云々の話ではありません。

アミューズ社は日本旅行業協会(JATA)の会員リストにその名前があります。

全く詳しくないのですが、旅行業者の業界団体は、このJATAと全国旅行業協会(ANTA)があるようです。

この日本旅行業協会の中にツアー登山部会があります。
以前に触れたのですがツアー登山運行ガイドラインを出したところです(遭難カルテ74参照)。
このツアー登山部会のサイトに、事故を受けて北海道知事から寄せられたツアー登山における遭難事故の再発防止についてと、長野県知事から寄せられたツアー登山の安全確保について(依頼)が掲載されています。
事故を受けてのツアー登山部会の対応だと思います。
会員に対する注意喚起すらないガイド協会(JMGA)と比べると。。。。

そもそも役所から、この手の書類すら届いていないのかもしれません。
もしそうならば、団体の「格」のようなものを、役所からそう見られているということに。。。。

ともに業界団体でありながら、事故に対するとらえかたの差が表れているのかもしれません。

国・都道府県登録の旅行業者という資格と、ほぼ無法状態といっていい山岳ガイド資格の差といったら言いすぎでしょうか。。。。


ちなみに、旅行業ツアー登山協議会の黒川惠会長はJMGAの会員でもあります。





中国新聞の記事に、事故に遭い自力下山した人のインタビュー記事が出ていました。
末尾の部分のみ抜粋します。

 登山歴16年で、月4回は広島県内外の山に登るが「初めての山のプラン作成や道案内は人に頼るしかなく、ツアーをよく利用している」と中高年登山愛好者の実情を代弁する。今回の事故ではガイドの状況判断に疑問が残る。一方で「主催者側だけの責任でもない。今後は、歩くのは自分という自覚をさらに強く持ちたい」と誓う。
 さらに、避難小屋の狭さや登山道の標識の少なさも指摘。「小屋は疲れをとれる状況になく、道案内も少ない。二度と犠牲者を出さないよう整備してほしい」と訴えた。


言いたいことは2つ。

まず、「『初めての山のプラン作成や道案内は人に頼るしかなく、ツアーをよく利用している』と中高年登山愛好者の実情を代弁する。」とあります
これって、裏返すと、行ったことのない山の計画は立てられず、読図もできないというのと同じではないかと。。。。。
16年の山の経験がありながら。。。。。
この人に限った話ではなく、実際はこれが「中高年登山愛好者の実情」なのかもしれません。
10年・20年の経験がありながら、技術や知識が伴わないケースは、ままあることだろうと思います。
では、そういった「中高年登山愛好者の実情」を生み出した原因はどこにあるのか?

簡単に答えの出る話ではないでしょうね。。。。。

でも、山登りってそんなもんじゃないと思います。
それじゃあダメだよって、だれかが大きな声で言わなければならないところまで来ているのかもしれません。
そういう人たちが「よく利用」する、まさにその場が一番手っ取り早い気がしますが。。。。。

いずれにしても、その山に行くのに大きく背伸びをしている「客」の現状が垣間見えます。
何年たってもただ歩くだけ、という人をいかに「自立した登山者」にするか、というのも課題かもしれません。。。


もう一点。

山小屋や登山道の整備を求める声。
事故直後にも地元関係者の中からあがっていました。

それは違うやろ!・・・・・と。。。。

よく整備された登山道、数時間歩くごとに小屋。。。。。
そういうところがあってもいいとは思います。
そうではないところには、そうではないがゆえにある魅力というものがあるんじゃないかと。。。。

日本の山がすべて北アルプスの一部のような状態になったとしたら。。。。。ゾっとしますね。

易しい山、厳しい山、いろいろあるべきだと思います。
そして厳しい山に向かうには、自らがそれなりに力をつけてからにすればいいだけのことです。
それをほったらかして、「二度と犠牲者を出さないよう」と言われても、違和感ばかりが残ってしまいます。


安全対策という意味からいうと、矛盾しているような気が、自分でもしないでもないですけど。。。。
ただ、行き過ぎた安全対策設備というのは、登山が登山でなくなるんじゃないかと危惧するのです。




テーマ:登山 - ジャンル:スポーツ

  1. 2009/08/18(火) 13:14:04|
  2. 日々是好日
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コメント

トレッキングなんですから

これまでフランス、スイス、カナダ、アメリカ、ニュージーランドでガイドを使った経験がありますが、「おまえは読図できるのか?」と聞かれたことはありませんね。顧客側が十分できなくとも、そうした欠けた部分をカバーすることで、ガイドビジネスは成立していますので。


個人として「教訓的に自身でもやならいとなぁ・・・」と思う人がいても不思議ではないですし、できるにこしたことないですから、それはそれでポジティブですからいいのですけど、「登山とはそういうものではない」という大上段の書かれ方は賛同できませんね。


トムラウシの事故を指して登山登山といいますが、現実は、トレッキングというのが実態ですよ。距離はありますから、それなりの体力は必要ですが、クライミングスキルが必要なわけじゃない。だから、新聞記者が後日歩いて記事も書けるわけです。


ですから、観念論を並べ立てるのは止めませんか? トレッキングというとても間口が広いアクティビティがあり、そこでの事故ということです。だからこそ、ガイドの問題は大きいわけで、ここの認識は管理人さんと一緒かと思います。

それゆえ、美瑛岳のほうがよっぽど不可解だし問題も大きいように思います。顧客3人でガイド3人、なのに、なぜ死者がでるの? と。
  1. 2009/08/23(日) 13:04:57 |
  2. URL |
  3. 山好き #L9FLFt/w
  4. [ 編集]

Re:トレッキングなんですから

山好きさまへ。


>「登山とはそういうものではない」という大上段の書かれ方は賛同できませんね。

え~っとですね、大上段に振りかぶったつもりはないんですが、そう見えてしまったのなら仕方ありません。
以下、お読みいただいて真意が伝わることを願うのみです。

表題の「トレッキングなんですから」。
そしてコメントの中から
>登山登山といいますが、現実は、トレッキングというのが実態ですよ。
この二つから、山好きさまのコメントは「あの事故は登山じゃなくてトレッキングなんですから」と読めてしまいました。
となると、本文に私が書いた「山登りってそんなもんじゃないと思います。」と、同じに見えませんか?
私には同じように見えてしまったので、「賛同できませんね。」といわれて、ちょっと困惑してます。
こちらのとらえ方が違うようでしたら、ご訂正ください。


>距離はありますから、それなりの体力は必要ですが、クライミングスキルが必要なわけじゃない。

個人的には岩登りなどの登攀要素がなく、ひたすら歩き倒すものでも「登山」だと思っています。
(登攀要素がない=クライミングスキルを必要としない、と考えてください)
「登山」と「トレッキング」の相違点というか、定義のようなものが違っているのかもしれませんね。

山に登ることを目的とした趣味の世界。
私がこのサイトで扱う「登山」の定義のようなものは、大まかに言うとそんな感じです。
細かく突き詰められると、困ってくる場面もありますが。。。。。

以前、別項で書いたのですが、登山やハイキングやトレッキングなどの境界線が、正直なところ私にはわかりませんし、明確な基準もないと思います。
「ハイグレードハイキング」なんて言われた日にゃ、「なんじゃそりゃぁ。。。。」とため息が出るばかりです。
山スキーとか沢登りとかなら、まだ区別がわかるような気がします。。。。
ですので、その辺もひっくるめての「登山」かな、と。

で、最初は誰だって地図が読めないだろうし、天気のことだってわからないわけです。
それを少しずつ経験を積み、学んだり、トレーニングをしたりしてスキルをあげて行く。
また、年齢を重ねて行くとことで落ちていく体力とどう折り合いをつけるかを考える。
その過程も含めて「登山」じゃないかな、とも思います。
ま、あいまいなところもあるので、もうちょっとよく考えてみます。



>顧客側が十分できなくとも、そうした欠けた部分をカバーすることで、ガイドビジネスは成立していますので。

「欠けた部分」をどうカバーするのか、というのがガイド・ツアー登山の最も重要な部分だと思います。
今回は、その「カバー」の中に「欠けた部分」があったんだろうと思います。
また、一般論かもしれませんが、顧客側にも「欠けた部分」に対する認識の中に、さらに「欠けた部分」があるのではないかと思います。
それにはガイド・ツアー会社側がカバーすべき部分と、顧客側で自らカバーすべき部分があると思います。



>それゆえ、美瑛岳のほうがよっぽど不可解だし問題も大きいように思います。顧客3人でガイド3人、なのに、なぜ死者がでるの? と。

おっしゃるとおりですね。。。。。
ただ、こちらのほうは、なんとも情報が少なくて、手が出せない状態です。
どこか詳細なサイトや情報源など、ご存知でしたら教えてください。



  1. 2009/08/23(日) 16:16:55 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

アミューズも旅行業ツアー登山協議会に入っていたように記憶しています。旅行業ツアー登山協議会が発展的に解消し、日本旅行業協会(JATA)と全国旅行業協会(ANTA)に分かれたのだと思います。
全国旅行業協会(ANTA)に属していた会社は旅行業ツアー登山協議会に加入すると重複加盟することになっていたのを解消したのだと思います。
いずれもれっきとした団体ですし、文書が行っていないはずはありません。
ガイドレシオもツアー登山協議会が決めたレシオとガイド協会のレシオのダブルスタンダードになっています。ガイド協会が沈黙しているのは、これはガイド登山ではないと思っているからかも知れません。

登山かトレッキングかという議論には異論もありますが、山好きさんの「顧客側が十分できなくとも、そうした欠けた部分をカバーすることで、ガイドビジネスは成立していますので。 」というところは、うがって読めば「顧客側が十分できるようになるとガイドビジネスは成立しない」とも読めます。これはアルプスのガイドの考えとは少し違うような気もします。
クライミングスキルというのが単なる岩を登る技術を指すのか、もっと広い山を登る技術を指すのかどちらを意図されているのか分かりませんが、クライミングスキルが十分ない者を連れて行くことはアルプスのガイドならしないと思います。
  1. 2009/08/23(日) 23:45:48 |
  2. URL |
  3. よかっぺ #1JQD0tfs
  4. [ 編集]

両手が必要

海外のガイド資格の区分等において、
トレッキングと登山の違いは、簡単に言ってしまえば、
登る時に両手を必要とするかどうかです。

両手が必要となる岩場がある=ロープ確保が必要となるという理解です。


よって、低山の登山は、ほとんどトレッキングガイドの範疇ですし、
北アルプスの稜線縦走などは登山ガイドです。

ロープで確保すべき場所を鎖場にして
山を遊園地化しているのが日本ですね。

再び子どもにならんとする翁達=まさしく園児が
生まれる土壌を作ったのは、一体誰か、ということです。

子は普通、親および社会をみて育つわけですから、
日本の山岳界がその程度のものだった、という証明ですよ。

子を責める前に、親の責任考えたほうがいいんじゃないの、ということです。
  1. 2009/08/23(日) 23:45:49 |
  2. URL |
  3. 山好き #-
  4. [ 編集]

アルプスじゃないんだから

よかっぺさんへ

> うがって読めば「顧客側が十分できるようになるとガイドビジネスは成立しない」とも読めます。

十分できるならガイドはいらないじゃないですか?
それで何か問題あるのでしょうか?

でも、サンデー山愛好者には、十分な訓練の時間など取れないわけで、
そこを補う存在としてガイドはいるわけでね。


> これはアルプスのガイドの考えとは少し違うような気もします。
言わんとすることはわかりますが、
テクニカル・クライミングを必要とするレベルの
話をしているわけじゃないので。

繰り返しますが、所詮、トレッキングレベルのお話なんですから。

  1. 2009/08/23(日) 23:53:23 |
  2. URL |
  3. 山好き #-
  4. [ 編集]

自分が登れる力のない、歩ける体力のないところに行くことはガイド登山であろうとツアー登山であろうと問題だと思います。

どんなにトレーニングしても、はじめてのコース、はじめてのレベルというところはありますし、そういうところに行く事は不安もありますし、ちょっとミスすれば事故につながります。
山岳会であればそういう経験を持つリーダーに連れて行ってもらい、不安をなくし、十分力があることを確認できます。

ところが、そうでない方は十分な力をつけていても不安を持ったまま一人で行くしかありません。それを解消するのが、ガイド登山やツアー登山であるべきです。十分登れるはずだけどそれを確認するということです。(これはもともとのアルプスのガイドもそうであったはずです。)

理想論かも知れませんが、そうでないと外部リスクの悪化でこのような遭難が簡単に発生してしまいます。お互いの日本的な甘えの構造が事故の潜在的な原因としてあるのではと思います。

トレッキングレベルとはいえ、北海道の2000mの稜線の気象的なリスクはアルプス並みの厳しいものがあると思いますし、夏の北アルプスのような営業小屋もないだけ、アルプス以上かも知れません。
  1. 2009/08/25(火) 22:38:40 |
  2. URL |
  3. よかっぺ #1JQD0tfs
  4. [ 編集]

山好きさま&よかっぺさまへ。

まとめレスとなりますが、ご容赦ください。

まず、登山の定義が、山好きさまと私とでは、全く違っていることがわかりました。
多分、どっちが間違っているとかいないとかの話ではないと思います。
考え方は人それぞれですからね。。。。

例えば、山好きさまのいうところの登山とトレッキングであったとしても、どちらも読図や気象判断のもつ重要性には変わりないと思います。
ザイル確保の要不要は、当然ルートによります。
今回はそういうルートではなかったので、山好きさまのいうところのクライミングスキルについての論は初めから存在しないわけです。
いずれにも、双方に共通する部分での話なのではないでしょうか。
なので、トレッキングと登山をことさら分けて考える必要はないように思いますが、いかがですか?
今回のケースについて、2つを分けるべき理由が、どうもうまく読み取れないもので。。。。

「海外の」というのを持ち出してくる方、過去にもいましたね。
で、そういう人は、「だから日本はダメなんだ」みたいな感じで、その後の展開が毎回必ず同じパターンな気がするんですが。。。。
というのも、日本の現状に対して、海外のどういった面をどのように取り入れていけばいいのか、という具体的な話は出てこないんです。。。。。

山好きさまは、そうでないことを願うのみです。



ガイドのビジネスについて。

個人的には年配のリピーターに頼りすぎている面があるのではないでしょうか。
たとえ十分な訓練の時間のとれないサンデー山愛好者であっても、10年も20年もたって計画もできず読図もできす・・・なんてことが、当然でしょうか?

初心者の導入部分としてのガイド・ツアーという点には、意義があると思います。
そうすると、顧客は卒業と更新を繰り返していかなくてはならない。
ところが、現状ではそうなっていない。。。。
顧客の多くは、長年の経験を持つ初心者のリピーターで占められている。
一方で、新規の顧客開拓は難しい。。。
となると、将来的には先細りしかない、ということになります。

大小はともかくとして、双方に問題があるんじゃないでしょうか。
海外のことはよく知りませんが、日本のガイド・ツアー登山のビジネス、構造自体がどうなの?って感じです。

  1. 2009/08/26(水) 13:18:42 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

見方の問題

海外では云々以前に
トレッキングとクライミング要素のある登山では
必要となる対策レベルが異なりますよね。
ロープ確保が必要のないルート、となるだけで
敷居はずいぶん下がります。


対策レベルが異なるから、
参加者層の幅も広がるし、そこを案内するガイドに
求められるスキルの段階を付けてもいいだろう、となる。

それだけの話です。実際、日本山岳ガイド協会でも
ガイド資格に段階を設けています。
特殊な話を持ち出したわけではありません。


言い方換えれば「登山とは」という理念が先にあるのではなく、
「目の前にある危険の程度」にあわせて考えているだけです。




何年経っても読図できない人を当然と考えている
わけではありません。どのように進むべきか、
何をどのようにしてくのか、その道を示すのもガイドの役割でしょう。


ただ、この辺の話は身も蓋もないところに落ちるものです。
たとえば、電車の中で携帯電話で喋る人がいる、と同じ。


それに、通常、必要とされていないし、またその必要性さえも
きちんと理解されていない人に、やれやれいっても、やらないですよ。

来週は9月1日の防災の日が来ますが、食料の備蓄等
震災に対する用意はいかがでしょうか?
人は、可能性が低いと思っていることは、なかなか準備できないものです。


  1. 2009/08/27(木) 21:33:37 |
  2. URL |
  3. 山好き #mQop/nM.
  4. [ 編集]

RE:見方の問題

ようやく考えの違いがどこからくるかわかりました。
「トレッキングとクライミング要素のある登山では必要となる対策レベルが異なります」それはクライミング要素に対する対策が必要ですから異なりますが、クライミングを除くリスクに対する対策レベルが下るわけではありません。
逆に敷居が下ればそれだけ主観的なリスク(本人のリスク)が増えますので対策レベルはあげなければなりません。
クライミング要素も含まれていれば参加者の注意義務もより高くなります。

ガイドや指導員とかの資格で、日本はクライミング技術で差をつけたがりますが、ヨーロッパではまずリーダーに適しているかということで選別されます。いくらクライミング技術に秀でていてもリーダーシップがとれない人は落とされます。
日本山岳ガイド協会もクライミングで資格に差をつけています。もちろんクライミングのガイドをする人はクライミング技術が必要ですが、その前にリーダーに適しているかの方が重要な訳です。

もちろん参加者も読図ができた方が良いですが、できないならできないことを前提に、参加者個々のできないことを前提にガイドすべきでしょう。ガイドレシオがどうこうよりも、ガイドレシオで想定された参加者のレベルと参加者の実際のレベルに差があればそれは募集の時に参加者に約束したことが守れないので何らかのアクションが要求されるでしょう。

「通常、必要とされていないし、またその必要性さえもきちんと理解されていない人に、やれやれいっても、やらない」だからガイドが必要なのだと思いますが・・・・・・それがガイドとしてのリーダーシップだと思うのですが、会社とガイドとの関係もありますのでツアー登山のときはまた違う要素があるかも知れません。





  1. 2009/08/28(金) 19:49:11 |
  2. URL |
  3. よかっぺ #1JQD0tfs
  4. [ 編集]

>逆に敷居が下ればそれだけ主観的なリスク(本人のリスク)が増えますので
>対策レベルはあげなければなりません。

申し訳ありません。意味が理解できません。
主観的なリスクを認知バイアスの意味で使われているとするなら、
それば別の話です。また、対策レベルを上げるのが
一体誰なのか、主語がないので、言わんとしていることが理解できません。


> ガイドや指導員とかの資格
山岳ガイドと、日本独特の形態を持つ指導員はわけたほうがいいと思います。
日本型指導員の良い点もありますが、悪しき点はも多いですので。

 
  1. 2009/08/29(土) 10:09:25 |
  2. URL |
  3. 山好き #mQop/nM.
  4. [ 編集]

山好きさま&よかっぺさまへ。
まとめレスとなりますが、ご容赦ください。

>海外では云々以前にトレッキングとクライミング要素のある登山では必要となる対策レベルが異なりますよね。
>ロープ確保が必要のないルート、となるだけで敷居はずいぶん下がります。

要するに、ロープ確保の分だけしか敷居が下がらないのでは?
となると、今回の事故に関して言えば、「登山」と「トレッキング」を分ける意味がまったくわかりません。
確保技術云々については問題になっていませんので。。。。
ちなみに海外のことはよくわかりませんが、国内外にかかわらず同じだと思います。
「海外では」という部分の意味も、よくわかりません。。。。

ですので、よかっぺさまの書かれた
>それはクライミング要素に対する対策が必要ですから異なりますが、クライミングを除くリスクに対する対策レベルが下るわけではありません。
と同意見です。

>対策レベルが異なるから、参加者層の幅も広がるし、そこを案内するガイドに求められるスキルの段階を付けてもいいだろう、となる。

「対策レベル」や「ガイドに求められるスキルの段階」をクライミングに関するものとすれば、そのとおりですね。
ただ、くどいようですが、今回の件とはクライミングには関係がありません。

>言い方換えれば「登山とは」という理念が先にあるのではなく、「目の前にある危険の程度」にあわせて考えているだけです。

「目の前にある危険の程度」の差が、クライミング要素の有無であれば、それでいいと思います。
が、気象などそれ以外の部分については、これまた今回の件とは無関係ではないかと。



>もちろん参加者も読図ができた方が良いですが、できないならできないことを前提に、参加者個々のできないことを前提にガイドすべきでしょう。

同感です。
ですが一方で

>どのように進むべきか、何をどのようにしてくのか、その道を示すのもガイドの役割でしょう。

それを怠ってきたんではないか?と思うんですけどね。。。。

>その必要性さえもきちんと理解されていない人に、やれやれいっても、やらないですよ。

その必要性を理解させるのも役割のうちじゃないんですか?
電車の中で携帯電話で喋る人についても、最近は注意する人がいます。
また、通勤途上でみたのですが、車掌が客に注意する場面も何度か目にしました。
「身も蓋もない」といって、ほったらかしてしまうほうが、ちょっとなぁ…と思います。


>山岳ガイドと、日本独特の形態を持つ指導員はわけたほうがいいと思います。

日本の各団体が出しているガイド資格って、ほとんど「日本独特の形態を持つ指導員」みたいなもんじゃないんですかね。。。。
個人的にはそんな印象を持っていますが。。。。。



  1. 2009/08/30(日) 18:44:49 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

指導員というのは日本独自のシステムではなく、マウンテンリーダーという制度がUIAAに加盟している各国にあります。
ただし、一般的に日本の方がある意味で敷居が低いです。基本的に本人の登山技術だけの評価です。イギリスなどのマウンテンリーダーはクライミングの前にまずハイキングやトレッキングリーダーの資格をとらなければなりませんが、この合格率が10%強です。

主観的危険というのはドイツなどで良く使われていますが、本人の持つ経験や技術によって同じ場所同じ天気でも危険性が異なるということです。
敷居が低くなり、未経験者が増えると当然客の危険性が増えていきます。そういう参加者であることを認知しているならガイドの注意義務は増えます。クライミングのできる客よりも初心者の客を連れていく方がより判断力のあるガイドが必要なはずです。ところが現実はそうなっていないように見受けられます。

羊蹄山のときは、ガイドが企画した企画だったので、会社はあまり責任を問われませんでしたが、全体的に見て今回は、計画の事前検討含め会社の管理が問われると思います。ガイドの持っていた装備も正確にはわかりませんが、非常用の装備や通信手段など問題がありそうです。
老舗のツアー会社は90年代にはこのコースをやっていたようですが、もろもろの問題からもう撤退しているようです。A社は後発だったのでそのころの経緯を良く知っていなかったのかも知れません。
  1. 2009/08/30(日) 23:30:58 |
  2. URL |
  3. よかっぺ #1JQD0tfs
  4. [ 編集]

歩ければできるのがトレッキングなんで、
その程度のアクティビティの中での事故という考え方のほうが
いいのでは? という話です。

それゆえ、美瑛岳の事故は
トムラウシ大量遭難よりも、より問題が大きいという認識です。


携帯電話の例えは、2つあります。
・注意したからといって、全員がそうなるのは無理
・注意の仕方がパターナリズムの人が多い
努力は否定しませんが、成果を求めすぎるのは無理筋の話。


山岳ガイドと指導員をわけたほうがいいのは、
山岳ガイドはプロであり、指導員はアマチュア。
日本のガイドがお嫌いのようですが、
個人では優れた方もいますので、短絡的な切り方は
止められたほうがいいかと思います。


日本はガイドに限らず、専門技能のプロに対して
敬意が足りない面がありますよね。
鶏と卵じゃないですが、敬意がないから育たないのか
十分なレベルにないから敬意を得ないのか。

選手をやめた途端、コーチや監督になるプロ野球に
それがよく現れています。でも、プロ野球においても
個人では、優れたコーチは存在します。

言い換えれば、コーチという専門職に対する
システムと敬意は十分とはいえないが、
個人としては、優れた人は存在する。
よって、全否定するのは、不適切。

ガイドも同じです。システムは問題を抱えていますし、
改善点も多いでしょうが、優れた人もいます。
そうした人を、支えることも必要だと思います。


>主観的危険というのはドイツなどで良く使われていますが、
>本人の持つ経験や技術によって同じ場所同じ天気でも危険性が異なるということです。

これは違うのでは?
主観的危険というのは、主に、保険業界で使用されてきた言葉で、
もし使うのであれば、個人の主観(つまり知覚)によって
感じ取る危険・・・という文脈だと思うのですが。

客観的な危険が変動するかのような記述に
なっていますので、おかしいと思います。
 
  1. 2009/09/01(火) 09:53:00 |
  2. URL |
  3. 山好き #L9FLFt/w
  4. [ 編集]

管理人さん 長文かつこの場をお借りすることをお断りします。私の方はこの件はこれまでとしたいと思います。明後日から講習会がありますので。

いまの山岳ガイドのどの辺までをプロといわれているのか良くわかりませんが、30万人というツアー客に対して活動しているガイドさんは2~3,000人はおられるでしょう。最大のガイドの団体でも800人くらいでその中には実質活動していない方もおられますので、2,000人以上の方がアマチュアとしてもガイドをされているということになります。
山岳ガイドと指導員をわけたほうがいいということですが、ガイドさんが組織登山者のリーダー(指導員)以上のことをやっていると言われる方がいたので、それなら最低指導員程度のの技術、経験、判断力をお持ちなのだろうということで引っ張っているだけですし、サッカーのようにプロとアマが共通資格のスポーツもあります。
個々のガイドさんは好きな方もいますし、きらいな方もいます。アマチュアの我々から見てもなんでこんな人がガイドなのと言う方もおられますが、個々の好き嫌いではなく日本のガイドのシステムそのものが、多発するガイド事故のひとつの要因になっていると思われるので、好ましくないと思っているだけで、ガイドを全否定しているつもりはありません。

日本はガイドに限らず、専門技能のプロに対して敬意が足りない面はその通りと思います。ドクターと言っても諸外国ほどの敬意は受けていないようです。これも言われるように鶏と卵だと思います。
サッカーでは指導員、コーチ資格をとらないとプロサッカーでもコーチや監督になれません。国家資格に準じますから何か不祥事があれば資格を停止され、その仕事につけません。

主観的危険というのはシグモンディという昔のドイツの方が書かれた「山の危険」の和訳の受売りです。保険のことは良く知りませんが、同じ車に乗っても、人によって保険料が異なるのは、この主観的危険が影響するように思います。雪崩にしてもそのリスクを知っていてその回避方法も知っている人と何も知らない人とでは、同じ客観的危険の中にあっても明らかにトータルのリスクは変わります。
主観的危険というのは簡単に言えば力量といえるかも知れません。
「客観的危険の総量>力量の総量」となった時に事故が起こる可能性が高くなると言われています。故に登山は一生勉強が必要ということで「登山学校」なる言葉も使われております。

「歩ければできるのがトレッキング」ということで今回のコースを「歩ければ行ける」ところと考えていたとすれば、その前提から私達とは考えが違っているような気がしますが、確かにツアー会社のパンフレットを見ますと、それどころかもっと補助があって楽であるかののようなニュアンスが伝わってきますが、決してそんなことはありません。

おそらくガイドの団体も、ツアー会社も自分たちでこの状態を解決するのは難しいのではと思います。何らかの外圧が必要になってくると思いますが、それはこういう事故はなくさなくてはいけないという登山者の「民意」がなければ外圧は発生しません。
1000万人を越えると言われていた登山人口がいまや600万人を切り、急減しています。にもかかわらず事故は反比例して増えています。組織登山者の側では2007年問題と同様技術や経験が伝承されず若い人の事故も増えています。未組織登山者ではツアーやガイド登山の事故が増えています。(もちろん仲間の置き去り事故も増えています)事故が二分化しています。「民意」を高めるにはどうすれば良いのかは正直わかりませんが、全山岳関係団体がプロもアマも本気になって(片手間ではなく)一緒にやっていくしかないのかなと思っています。
  1. 2009/09/01(火) 21:45:29 |
  2. URL |
  3. よかっぺ #1JQD0tfs
  4. [ 編集]

よかっぺさま&山好きさまへ。
まとめレスとなりますが、ご容赦ください。


>ただし、一般的に日本の方がある意味で敷居が低いです。
>基本的に本人の登山技術だけの評価です。

「日本独特の形態を持つ指導員」みたいなもんだと思ってしまうのは、そのへんにありそうですね。

>敷居が低くなり、未経験者が増えると当然客の危険性が増えていきます。
>そういう参加者であることを認知しているならガイドの注意義務は増えます。
>クライミングのできる客よりも初心者の客を連れていく方がより判断力のあるガイドが必要なはずです。
>ところが現実はそうなっていないように見受けられます。

ここの部分、同感です。

>歩ければできるのがトレッキングなんで、その程度のアクティビティの中での事故という考え方のほうがいいのでは? という話です。

ですから、なぜ分けたほうがいいのかがわからないのですよ。。。。
一緒だと考える理由は書きましたが、分けたほうがよい理由に追加の説明が頂けないようで。。。

>努力は否定しませんが、成果を求めすぎるのは無理筋の話。

とはいえ、最初から努力を放棄するのはどうかと思います。
少しでも減らすべく努力をすべきではありませんか?

成果は少しずつ出てくればいいわけで、完全に!なんてことは想定してません。
劇的に変わるなんてことは、ありえないと思います。
ですので、「成果を求めすぎ」ているつもりはありません。
また、どういう努力をすればいいのかを考えるべきで、「努力は否定しませんが」というような消極的なものでは、何も変わらないと思います。
同じテーマで議論をするのなら、少しずつでも前に進むよう考えていきませんか?

>山岳ガイドと指導員をわけたほうがいいのは、山岳ガイドはプロであり、指導員はアマチュア。
>日本はガイドに限らず、専門技能のプロに対して敬意が足りない面がありますよね。

同じ山に同じ時にいて、アマチュアのパーティーは無事に下りてきて、プロのガイドか率いたグループからは死者が出てしまいました。
この事実に、「プロに対して敬意が」といわれても、ねぇ。。。。

参加者のレベルは(アマチュアのパーティーより)低かったとしても、無事に下ろしてこそプロだと思いますよ。
それをすることは、その裏にいかなる努力があったとしても、プロとして当然の仕事であって、できたから賞賛する、というのではないと思います。
ガイドであろうがなかろうが、職業として職務を全うするのは、当たり前の話ですから。
前項の本文で、「ガイド>リーダー」であるべきなのに、リーダーのなすべきことすら十分にできていなかったということになる、と書きました。
このようなことがたびたび起きるようでは、敬意も何もあったもんじゃないと思いますが。。。
この点に関しては、鶏と卵と、どっちが先かはっきりしていると思います。
敬意が足りないから、アマチュアでもしなければならないことができないんだ、なんてのは本末転倒ですよ。

>日本のガイドがお嫌いのようですが、個人では優れた方もいますので、短絡的な切り方は止められたほうがいいかと思います。
>言い換えれば、コーチという専門職に対するシステムと敬意は十分とはいえないが、個人としては、優れた人は存在する。

優れた人がいること、そうした人を支える必要があること。
いずれも同感です。
さらに言えば、「短絡的」に「全否定」しているつもりはありません。
ですので、
>全否定するのは、不適切。
と書かれても、困惑するだけですが。。。。。。。

少し前のコメントで、初心者の導入部分としてのガイド・ツアーという点には、意義があると思います、と書いたとおりです。

問題だと思っているのは、山好きさまもご指摘の
>システムは問題を抱えていますし、改善点も多いでしょうが、
という部分なのです。
言い換えると、ガイド協会等の対応や資格のありかたなどの問題点や改善点についてなのです。
この点も敬意とは違って、鶏や卵の論にはなりえません。



よかっぺさまへ。

このコメントをアップしようとしたら、タッチの差で先を越されてしまいました。
3人の間のやり取りを振り返ってみて、
>その前提から私達とは考えが違っているような気がしますが
という部分、まったく同じ感想です。

ときに見解が食い違うこともありましたが、考える方向はおおむね同じだと、勝手に思っています。
今回の件はこれで最後とのことですが、また、暇な時間ができ、気が向いたら書き込んでください。


  1. 2009/09/01(火) 22:39:39 |
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  3. 管理人 #MAyMKToE
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管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます
  1. 2009/09/02(水) 08:51:53 |
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  3. #
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違った立場から少し。

「山の危険」とは、これまた超ーー古い本を。。。
検索かければ、トップページに保険業界の主観的危険はでてきますよ。
指摘があるように、妥当性を欠く使用なので、
訂正されたほうがいいですね > よかっぺさん


クライミング要素のあるツアーとトレッキングを分けて考えられないのは
それはアマチュアだからですよ。仕事として日々おこなっていないから。
そこでの線引きは、オペレーション上必要となる暫定的なもの。



> クライミングのできる客よりも初心者の客を連れていく方がより判断力のあるガイドが必要なはずです。

まるで、ガイディングというものをわかっていない。
判断力という抽象的な言葉を使っていますが、
これはクライアントケアというカテゴライズされた分野になり、
グループ構成に応じて、適切なことを行うように訓練するのです。


それができいないガイドがいるだろ、という突っ込みが
くるのでしょうかね。現状、ガイドの質は玉石混交ですし、
たとえ、質がそろっていたしても、事故は起こりうるわけでね。

事故があるだろ、という指摘は、
まあ、安全地帯にいる人には、最強ですよね。


ところで、事故が増えているという話、データを示してほしいですね、
でないと、脅しをかけて扇動する人と変わらないですから。

だいたい、今ある山岳事故の8割が中高年で、
その多くが、踏み外しや転倒に起因する滑落等なわけですよ。
ぶっちゃけ、山岳特有の事故というより、年食って、
歩いていても、ものにつっかかりやすくなっているのが背景にある。

寝たきり老人となる原因第一位は、室内での転倒ですから。
基本的にそれと同じ。だから、登山の後半、
下りとか、あるいはなんでもないところで、事故を起こしている。
これは、山本先生のデータ。


ガイドから見ると、未組織登山者なんていう言葉はないのですわ。
お客様でしかない。

そもそも、登山って、個人スポーツですよ。
組織なんていらない。
考え方、超ーー古くないですかね。

そんな古カビはえた、登山論、リーダー論を
えらそうに語るじじいが、とある団体には多いから
若い人は敬遠するわけですよ。


ガイドの立場からいえば、
特に、美瑛岳のほうは、おまいら何してた、と
いう疑問はあるのでね。

ただね、後でみると、なにやってたの
という事故でも、実は、結果的にそうなっていって
しまうというケースがあるわけですよ。

これは山岳に限らず、ほかの分野でもね。
だから、プロはよくわからないうちは
安易な発言はしないわけ。

半端な情報で、いろいろ語って
それが結果的にミスリードしたら最低でしょ。
遺族に対する責任から、それを避けたいというのもあるわけ。

それに、発表にしても、遺族側が望まない場合も
あるということを、考えてほしいね。

まとまりないけど。
まあ、とりあえず。
  1. 2009/09/02(水) 17:16:28 |
  2. URL |
  3. しがないガイド #Cv2s2L.A
  4. [ 編集]

私は初心者を連れて行ったり、団体の募集登山の引率をしたりはしていますが、当然のことながらプロではありません。
そういう登山をするときには、事前にするべきことは十分したうえで行きますし、登山中もやるべきことはやっているつもりです。

しがないガイドさんのガイディングとか、クライアントケアというのはプロですからそれよりさらに優れたものなのでしょう。我々アマチュアのものとは全く違うものだとすれば確かに私はそれがどういうものか知りません。(ツアー登山には何回も参加しておりますが、そのようなすばらしいガイディングを受けた経験はありません。)

ツアー登山はガイド登山とは違うというならツアー登山で何とかガイド協会所属ガイドと称するのはどんなものでしょう?健康食品などでも、その大学で効能を研究していないものには大学教授の肩書きは使わせません。

私どもの山岳団体は3団体共同で第6回までの事故調査報告を公表しています。事故が増えているならデータをしめせというのは逆じゃないですか?そちらの団体が世の中に公表すべきことではないですか?増えていないなら堂々とデータで出せば良いのではないですか?それをしない言い訳が「発表にしても、遺族側が望まない」ということだったら最悪ですね。

15人の客を連れて3人のガイドで行動するスポーツが個人スポーツというのもおかしくありませんか?だから最後はバラバラになったなんてブラックジョークにもなりません。あげくに登山は自己責任だなんていわないでくださいね。
最近、この自己責任ということが正しいかどうか疑問に思っています。おきらいなようですが未組織登山者が客とすれば、客に自己責任だ、というのはおかしいと思います。特にツアー登山はほとんどが主催旅行です。京都旅行と同じです。京都旅行は自己責任なんておかしいですよね。(究極は自己責任だとしても)

シグモンディさんはもうとっくにお亡くなりになっていますので訂正の申し入れはできません。これを日本に広めた日本人で恐らく始めてヨーロッパのガイド資格をとった方の弟子なもんでいまだに教えを守っています。保険についての例えが適当でないなら取り下げます。

  1. 2009/09/02(水) 22:23:53 |
  2. URL |
  3. よかっぺ #1JQD0tfs
  4. [ 編集]

しがないガイドさま&よかっぺさま。
まとめレスとなりますが、ご容赦ください。


>クライミング要素のあるツアーとトレッキングを分けて考えられないのはそれはアマチュアだからですよ。
>仕事として日々おこなっていないから。

なるほど、仕事として日々行っているプロにしかわからんよ、ということでしょうか。
ガイドの大半が専業ではなく、兼業のようですが、この非専業ガイドの方たちは「仕事として日々おこなって」いるほうになるのかな?

で、分けて考えた方がいいのかどうかはどうです?
ま、アマチュアにはわからんさ、というならそれまでですけど。。。

>しがないガイドさんのガイディングとか、クライアントケアというのはプロですからそれよりさらに優れたものなのでしょう。
>我々アマチュアのものとは全く違うものだとすれば確かに私はそれがどういうものか知りません。

かつてツアー登山のガイドさんの手伝いのアルバイトに行ったことがありますが、私もよかっぺさんと同意見です。



>現状、ガイドの質は玉石混交ですし、たとえ、質がそろっていたしても、事故は起こりうるわけでね。

ま、事故ゼロなんてのはあり得ないと思います。
ただ、質がそろえば、ゼロにならなくても随分と事故が減ると思います。
で、玉石混交の現状から、石を取り除くにはどうしたらいいですかね?
アマチュアから見ても、それでええんか?みたいな話は多いですから。。。
現状をそのまま飲め!というのは、ちとあんまりな話。
山好きさまが指摘された「敬意が足りない」ってのも、石が結構多く混じっているからじゃないかと思います。
この石の排除ってのは、ガイドさん方にとっては、とても大きな問題じゃないですか?
「ガイド」という肩書への信頼に直接かかわってくると思うのですが。。。。

>ガイドから見ると、未組織登山者なんていう言葉はないのですわ。
>お客様でしかない。

以前にも書いたのですが、そのお客様に酔った挙句に暴言を吐き処分された、ガイド組織役員もいましたね。
ガイディングとかクライアントケア以前のレベルじゃないかと思いましたが。。。。



>ところで、事故が増えているという話、データを示してほしいですね

警察庁から毎年資料が発表されていますし、その都度、マスコミでも報じられています。
去年も今年も「遭難者数は過去最多」なんて見出しが付いてましたが。。。。
警察庁のHPからも統計資料を閲覧できます。

ご存じではありませんでしたか?

文面から察するに、しがないガイドさまは、「仕事として日々おこなってい」るプロのガイドさんだとお見受けしましたが。。。。。
違ってたらごめんなさいです。。。。



>そもそも、登山って、個人スポーツですよ。

ザイルをつないだ時やパーティーを組んだときには、チームプレイですよ。
単独のときは個人スポーツですけど。

>15人の客を連れて3人のガイドで行動するスポーツが個人スポーツというのもおかしくありませんか?

同感です。
ほとんど「団体さん」じゃないですかね。。。

>グループ構成に応じて、適切なことを行うように訓練するのです。

これって、グループマネジメントそのものじゃないですか?
そのうえで「個人スポーツですよ」と言われても、矛盾しているように思います。
個人スポーツの団体さんって、おかしくありません?



>そんな古カビはえた、登山論、リーダー論をえらそうに語るじじいが、とある団体には多いから若い人は敬遠するわけですよ。

そうかなぁ・・・・。
山に行くと、組織・未組織、ガイド・ツアーなどにかかわらず、大半は年配の人で占められています。
若い人が山岳会を敬遠しているのではなく、登山自体を敬遠しているというのが現状でしょう。
ですから、山岳会には若い人があまり入らないんだと思います。
年齢にかかわらず、「えらそうに語るじじい」がいやで、入らない人がいるとは思いますが。。。。

しがないガイドさまは「古カビはえた、登山論、リーダー論をえらそうに語る」ことのない方なんでしょう。
となると、お客様は若い人でいっぱいのはずですが、実際のところ、いかがですか?



>ただね、後でみると、なにやってたのという事故でも、実は、結果的にそうなっていってしまうというケースがあるわけですよ。
>これは山岳に限らず、ほかの分野でもね。

だからこそ、調査・報告・対策ってのが必要だと思います。
放置していい理由にはなりません。

>だから、プロはよくわからないうちは安易な発言はしないわけ。

で、よくわかってからなら公に発言するんでしょうか?
個人的には、これまでも発言らしきもの、ほとんど見たことがないんですけど。。。。。
従来からのパターンから言うと「よくわからないうちは安易な発言はしない」のではなく「ずーっと発言しない」の繰り返しでしたから。。。



>遺族に対する責任から、それを避けたいというのもあるわけ。
>それに、発表にしても、遺族側が望まない場合もあるということを、考えてほしいね。

今後やってくるお客さんへの責任はないんでしょうか?
事故があり、それをうけて改善するということを示すことは、重要なことだと思います。
工業製品のリコールのような効果はないと思いますが、確実に改善されると思いますし、客の安心感もアップすると思います。

遺族への配慮が必要なことは認めますが、「まず発表したくない」というのが根底にあるように思います。
遺族らに、その重要性や意味を説明し、発表への同意を取り付ける努力というものが不可欠だと思います。

>それをしない言い訳が「発表にしても、遺族側が望まない」ということだったら最悪ですね。

同感です。
「遺族側が望まなかったから」ではなく、「遺族側の説得に失敗したから」だったら、まだわかる気もするけれど。。。。。

前に事故報告書を作った時のことを思い出しました。。。。。




  1. 2009/09/03(木) 11:37:00 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

0,1歩の前進ですね

こんな記事を見つけました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


装備不十分なら「お断り」…ツアー登山指針見直し

9月3日8時32分配信 読売新聞
 北海道・大雪山系のトムラウシ山(2141メートル)で7月、東京都内の旅行会社が企画した縦走ツアー客ら計18人が遭難、8人が死亡した事故を受け、日本旅行業協会(東京都)が加盟社約1200社向けの「ツアー登山運行ガイドライン(指針)」を見直したことが2日、わかった。

 事故の再発を防ぐため、集合地で装備が不十分と分かったツアー客に対しては参加を断ることも検討するよう定めた。12月から運用する。

 ガイドラインは、業界の自主的な指針として2004年に策定された。見直しは初めてで、〈1〉外部委託のガイドは地元在住者にする〈2〉装備が不十分で「安全確保が困難」と判断したツアー客には参加を断ることも考慮する〈3〉避難小屋の場所取りはやめ、参加者全員の野営装備を持参する――などを新たに盛り込んだ。

 北海道は事故後、同協会に対し、ツアーに予備日を設け、日程に余裕を持たせるよう求めていたが、「旅行会社の判断に任せる」として見送られた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
日本では昔から「墓石行政」というのがありますが・・・何か事故が起きて犠牲者が出てはじめて手当てされる。
行政にしても企業にしても、犠牲者が出て社会的にもんだが大きくなってからの対応です。

想像力を誰も働かせない。というよりか想像力の欠如です。
  1. 2009/09/03(木) 13:52:49 |
  2. URL |
  3. 元山男 #tLotD3lc
  4. [ 編集]

Re:0,1歩の前進ですね

元山男さまへ。


> 日本では昔から「墓石行政」というのがありますが・・・何か事故が起きて犠牲者が出てはじめて手当てされる。
> 行政にしても企業にしても、犠牲者が出て社会的にもんだが大きくなってからの対応です。
> 想像力を誰も働かせない。というよりか想像力の欠如です。

ご指摘の通りです。
「墓石行政」・・・・いやな感じですね。。。。。

ただ、それでも前進しないよりは断然マシかと思います。
あくまでも、「マシ」の範囲から出るものではありませんが。。。

新しいガイドライン、JATAの登山部会のHPに掲載されていました。
十分か不十分かはともかく、一定の対応がなされたことにはなると思います。
進めようとした力に対して、押し戻す動きがあったのかな?なんて思う部分も、ないではないですが。。。。
ま、何をしようとしても「抵抗勢力」があるのは、いつも通りですかね。

で、ガイド協会はいつも通りダンマリか?と思ってたら、こんなのを見つけました。

====================================

 東京と神戸に本部を置く二つの山岳団体が、大雪山系のトムラウシ山(2141メートル)でツアー登山参加者とガイド計8人が死亡した遭難事故の再発を防ごうと、独自に原因究明に乗り出すことが29日、分かった。結果を公表して、登山者たちに注意を呼びかける考えだ。
 山岳団体の立場から原因究明を進めるのは、日本最大の山岳ガイド団体である「日本山岳ガイド協会」(東京)と、日本山岳協会など3団体が昨年9月に作った「日本山岳サーチ・アンド・レスキュー研究機構」(神戸)。
 このうち、日本山岳ガイド協会は9月上旬にも、山岳ガイドに登山経験の豊富な医師、学者などを交えて第三者委員会を設置。ツアーを催した東京の旅行会社「アミューズトラベル」に事情を聞くなどして、計画やガイドの判断の妥当性について検討する。
 一方、日本山岳サーチ・アンド・レスキュー研究機構は9月上旬に作業部会を開き、遭難したパーティーの装備が十分だったかどうかや、ガイドが十分な資質を持っていたかどうかについて検証する。同機構で会長を務める青山千彰・関西大教授は「裁判を待つのではなく、分かった点から注意喚起していく」と述べた。
(2009年8月30日 読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hokkaido/news/20090830-OYT8T00048.htm

====================================

やっと重い腰が・・・・・という感じですかね。
発表されるのを待つことにします。

日本山岳サーチ・アンド・レスキュー研究機構というのは、以前よかっぺさまが書かれていました。
HPなどが見つけられないので、WEB上で公表されるかは未知数ですが、何らかの形で世に示されるんでしょうね。
こちらも発表を待つとします。



トムラウシと美瑛岳の件と比べると、美瑛岳の方がいろいろと問題をはらんでいそうなんですけれど、こちらの方は何も動きがないようです。
ちょっと不思議な感じがしました。
  1. 2009/09/04(金) 08:57:58 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

なんだかグチャグチャしているので、主観的危険のみ簡単に。

指摘したかったのは、以下の3つ。
1)当初の訳語の妥当性
2)よかっぺさんが使用された文脈の問題
3)現在、よく用いられている分野

保険業界でよく目にする、というのは3の話。
そして、そこでの定義から考え、2を指摘した。
また、3から考え、また時代を考えれば、
1もあるのだろう、と思った、というところです。

他の方への、よかっぺさんのレスを読みますと、
当方の意図は、まるっきり伝わっていなかった、ということが、よく理解できました。



以下、管理人さんに。

クライミングとトレッキングを分けるを、あまり特別に考えない方が
いいのではないでしょうか。山によって、装備変えていませんか、それと同じです。

安全管理側からみて、またビジネスの側面から見て
区分したほうがマネジメントしやすい、というだけの話です。


「努力」という点については、スタート地点=前提の違いの話です。
・みんなが、それを守らなければならない=守らないヤツが悪い、
という位置に立つのか、
・みんなが、それを守るはあり得ないだろう。だから、それを前提にして、考えておこう、
という位置を採用するのか、です。


ミスをしてはいけない、を倫理目標にすると、息苦しいですよ、という話。
ミスはないほうがいいけど、誰でもあり得る、
だから、ミスはあるものとして考えておこう、、、というのと同じ話です。

どちらも、事故を減らす方向に進みたいのは同じ。
でも、入口が違うと、出てくる方策も異なってきます。


プロ云々については、
> 同じ山に同じ時にいて、アマチュアのパーティーは無事に下りてきて、
> プロのガイドか率いたグループからは死者が出てしまいました。
> この事実に、「プロに対して敬意が」といわれても、ねぇ。。。。
こうした書き方が、アンフェアだということです。



  1. 2009/09/04(金) 08:59:34 |
  2. URL |
  3. 山好き #L9FLFt/w
  4. [ 編集]

山好きさまへ。


> クライミングとトレッキングを分けるを、あまり特別に考えない方が いいのではないでしょうか。

えっと。。。。
最初にいただいたコメントで、「トレッキングなんですから」とあって、その中に
「登山登山といいますが、現実は、トレッキングというのが実態ですよ。」とあって、今度は
「クライミングとトレッキングを分けるを、あまり特別に考えない方が いいのではないでしょうか」
となりました。
???????な感じですが。。。。。。

>山によって、装備変えていませんか、それと同じです。

それからすると、例えば、夏などの雨が降るかもしれない季節なら雨具を持っていくわけです。
これはクライミング要素の有無とは無関係ですし、安全管理側からみて、またビジネスの側面から見ても同様でしょう。
ですから、「分けることを特別に考える必要がない」のはわかります。
となると、やっぱり冒頭の「トレッキングなんですから」がわからなくなってきます。
一度整理していただけませんか?

> ミスをしてはいけない、を倫理目標にすると、息苦しいですよ、という話。
> ミスはないほうがいいけど、誰でもあり得る、
> だから、ミスはあるものとして考えておこう、、、というのと同じ話です。

誰も倫理目標にはしてませんが。。。。
いくらやってもゼロにはならないことは自明の理ですよ。
ただ、ゼロに近づける努力をしよう、と言っているだけですが、文面から読み取れませんでしたか?
先のコメントで「少しでも減らすべく努力をすべきではありませんか? 」と書いてある通りです。

> プロ云々については、
>> 同じ山に同じ時にいて、アマチュアのパーティーは無事に下りてきて、
>>プロのガイドか率いたグループからは死者が出てしまいました。
>>この事実に、「プロに対して敬意が」といわれても、ねぇ。。。。
> こうした書き方が、アンフェアだということです。

なにがどうアンフェアなのか、理解できませんが。。。。。
今回のようなシチュエーションと、出てきた結果から見て、そう思われても仕方ない面があるんじゃないですか?
アマチュアにはとってもできないことを、平然とやってのけるのがプロだと思ってます。
「さすがプロは違うなぁ」と思える場面があってこそのプロでしょう。
ご指摘の下りは、今回の件でそれが揺らいでいるんじゃないかという意図で書きました。
「それでもプロか?」なんて思わせる場面、プロにとってどうなんでしょう?
「そんなことはあってはならない!」というぐらいのプライドは持っていてほしいのですが。。。。
  1. 2009/09/04(金) 09:41:03 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

「主観的危険」と「主観的リスク」の違い

 話がこんがらがってきていますので、この際、「主観的危険」と「主観的リスク」の違いについて、整理をしておきます。


「客観的危険」と「主観的危険」
:保険の対象となる事故の発生確率に影響を与える要因

「客観的危険」については、外的(他主的)要因によって事故発生に影響するもの。山岳保険で言えば、活動領域の違い(登攀か軽登山か、冬山とその他の違い)によって事故発生率が分かれている。

「主観的危険」については、被保険者の内的(自主的)要因によって事故発生に影響するすべてのもの。1年限りの山岳保険では考慮されていないが、自動車保険では、例えば年齢や無事故期間を考慮している。英語にあえて訳せばsubjective hazardとなり、moral hazard(道徳的危険)なども包含する概念。

(註)
事故の発生には、大抵、客観的危険と主観的危険の両方の要素がからんでいます。客観的危険については個人の力でどうにもなりませんが、主観的危険については個人の力次第で、客観的危険に上乗せするものにも、客観的危険の影響を打ち消して事故の発生確率を0に近づけるものにもなります。


「客観的リスク」と「主観的リスク」
:リスクの認知に関する用語

 「客観的リスク」は、科学的・統計的根拠に基づいて、事故の発生確率と被害度を算定し、求めたリスク。
 「主観的リスク」は、各人の知覚・感覚によって認知されているリスク。各人のリスク認識の癖(認知のバイアス)によって、客観的リスクに比べて大きかったり小さかったりする。英語に訳せば、subjective risk。

 例えて言うなら、マムシにかまれて死亡するリスクは(世間一般にマムシは怖いと思われているので)主観的リスクが客観的リスクを上回る傾向にあるが、低体温症になって死亡するリスクは主観的リスクが客観的リスクを下回る傾向にある。
 主観的リスクが客観的リスクを上回っている場合は、本人の危険感受性が高く、事故が起きにくいが、逆の場合は、危険感受性が低く、事故が起きやすい。


 「主観的リスク」のことを「主観的危険」として用いるようになっている保険会社があるのかどうかは知りませんが、コメントの投稿記事に関しては、あまり目くじら立てずに、各々の文意を斟酌されていればよろしいのではないでしょうか。

  1. 2009/09/05(土) 07:13:00 |
  2. URL |
  3. ちよ #BbTkef3A
  4. [ 編集]

Re:「主観的危険」と「主観的リスク」の違い

ちよさまへ。

整理していただいて、助かります。
おかげさまでわかってきたように思います。

ここまでいまひとつ理解しきれずに、頭の中でこんがらがっていたため、話に入っていけませんでした。

コメント欄をもう一度読み返してみて、
>あまり目くじら立てずに、各々の文意を斟酌されていればよろしいのではないでしょうか。
というご意見に賛成です。

危険やらリスクやらの定義や分類なんて話になってくると、ちょっと苦手なもので。。。。
これからも勉強させていただきます。
  1. 2009/09/07(月) 11:36:53 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

本日の信濃毎日新聞に、以下のような記事が出ました。

http://www.shinmai.co.jp/news/20090907/KT090906FTI090002000022.htm

これも「墓石行政」 
  1. 2009/09/07(月) 19:05:51 |
  2. URL |
  3. 元山男 #tLotD3lc
  4. [ 編集]

管理人様

始めまして、トムラウシで検索してほぼ1ヶ月ほどROMさせて頂いており、色々な事例の分析など興味深く拝見致しました。
色々書こうかと思いましたが、長くなりそうなので手短に。

高齢者のツアー客は「登山(トレッキング)」に行くのではなく「山登り」に行くんです。
百名山と言う「物見遊山」ツアーです。

過激になりそうなので自主規制(笑)

ご存じかもしれませんが
http://subeight.wordpress.com/2009/07/18/tomuraushi-2/
こちらもですごく情報を収集されてます。
  1. 2009/09/08(火) 00:28:39 |
  2. URL |
  3. nyan #2QPJRcoE
  4. [ 編集]

RE:0,1歩の前進ですね

各山岳団体や、関係官庁でもこのトムラウシの遭難についてはかなり深刻にとらえているようです。これを無視することは自分たちの「公益性」を否定することにつながると考えているところもあるようです。

日本山岳ガイド協会さんが重い腰をあげたとのことですが、亡くなられたガイドの所属していた協会が、ツアーを催行したアミューズから話を聞きながら調査する委員会は、外部の人間を入れたとしても第三者委員会というのはちょっと苦しいかなと思います。いっそのこと当事者が再発防止のための委員会を作ったという方がすっきりすると思いますし、裁判とは関係なく再発防止はすぐやるべきと思います。
トムラウシ以外のツアーはどんどん催行されているようですが、見直さなくても大丈夫なのでしょうか?普通の会社で事故があると類似の設備や作業について総点検したり、原因がわかるまで設備の停止をしたりするのですが・・・・

いずれにしてもツアーだから予備日は無理とか、いろいろな事情で大きなリスクが残るルートは、ツアー登山には無理なコースだと思います。そうして安全を重視するツアー会社がやめたところは営業的においしいルートだとは思いますが、そこを催行する会社は安全に問題があると言われても仕方がないと思います。有料の気象サービスを活用し、安全が確認されたときのみ実行するとか、パーティーが2分しても大丈夫なガイドをつけるとか、通信手段や共同装備を確実に用意するとかすればリスクは下ると思いますが・・・・
いま、催行しているツアーにはこういう手はうったのでしょうか?心配です。
  1. 2009/09/08(火) 23:23:34 |
  2. URL |
  3. よかっぺ #1JQD0tfs
  4. [ 編集]

受け入れの地元側としてみれば、遠方からのツアー団体が把握できないと言うことがあります。
一応登山届けを出してと呼びかけていますが、
守られていないところが多い。またその為に監視員を登山口の常駐させるなどは、人員も資金もない。
そうなると、今現在山に何グループ何人いるのかがつかめません。
事故が起きなければ、そういうツアーは「風のようにいたりて風のように去る」存在です。

つまり「無」なのです。

例えば私の住んでいる地域の山は、2つの県にまたがり両方向から道路が頂上近くまで通り、初心者でも簡単に登山できる山として多くの方が入山しています。
そこで前に問題になったのは、昔からある「学校登山」です。1団体で数百人が頂上を目指しますので、頂上の混雑を解消し落石などによる事故も防止したい。
それで、少なくとも何時何処の学校が登山に来ているかを把握しようと言うことで方法を考えたのですが、両県にまたがっているためその登山口どうしの連絡体制を作るだけでも2年かかりました。
それでも、地元に連絡無しで入山する学校もあったりして、予想外の時に学校登山の渋滞が今でも起きます。
このように学校という比較的把握がしやすいだろうと想定しているところでも、なかなか把握できません。

ましてや、ツアー会社のツアーは地元の意向は無視されているようで、何ら連絡も登山届けもないです。そして遭難すれば、その負担は地元の我々の責任となります。
トムラウシでも警察や消防だけでなく地元の消防団などが動員されているはずです。
警察や消防は業務ですからまだ良いとして、消防団や地元救助隊はほとんど無給ですし、全体としての保険が低いので個人でさらに保険にはいると言う負担があります。
過去に長野県白馬で救助中になくなった地元救助隊員の経営している旅館が、経営困難になるという悲劇も起きています。(何とか立ち直ったようですが)
一家の主が人を助けに行って亡くなるのです。
その悲惨さを考えてもらいたい。

地元としては来てくれるのは歓迎ですが、いい加減な計画でその尻ぬぐいは地元の負担というのは困ります。
過去何人が救助中の不慮の事故による2重遭難に遭っているか考えてもらいたい。それで亡くなった方には最近は変わりましたが、昔は「死に損」だったのです。

それでも観光地だから、金になるから良いだろうと思う方もいるでしょうが、往々にしてそういう団体ほど地元には金は落とさずゴミと遭難を落としてくれるのです。
悪いですが、そういう方は我々にとってはお客様とは言えないのです。
つまり、ガイドにしてもツアー会社にしても「社会人としての最低のモラル」は守れと言いたいです。

個人の方が山で遭難したというならともかく、ガイドが介在して遭難とは、いい加減にしろと言いたい。

それに、避難小屋という存在はどういうものなのか真摯に考えてもらいたい。あくまでも山中での困難な状況に陥った人のために地元の負担で作られ、維持されているのです。たとえ汚くておんぼろでも、地元の人が篤志で掃除をしたりしているのです。
それも地元の人には大事で愛している山で、遭難して欲しくないという気持ちがあるからです。

それをツアーの日程で宿泊地として組み込むとは、一体どういう神経をしているのだろうか。
しかも「場所取り」? 

馬鹿にするのもいい加減にしろと言いたいです。

登山道の整備にしても、何処が管理者なのかという管理権の問題で役所がなかなか動かないとき、見るに見かねて地元が自費で補修したりしているのです。

そういう細々した作業も、観光地だから当然なのですか?
それなら地元にお金が落ちることを考えてもらいたい。
ベンチや石の下にゴミを隠して捨てたりハイマツの下にゴミを押し込むなどと言うことをしないでもらいたい。

皆さんには反論もあるでしょうが、山の地元に住む者として書かせてもらいました。
  1. 2009/09/09(水) 09:11:27 |
  2. URL |
  3. 元山男 #tLotD3lc
  4. [ 編集]

不思議なのは

ひとつ不思議なのは、毎年事故を起こしている会社、しかも今年とても大きな事故を起こし周知のものになった会社のツアーにいまだに参加しようとする人の存在です。
選択権は、ユーザーの側にあるはずなのに・・・・。

おかしな会社は、使わなければつぶれるはずなんですがね・・・・・。
  1. 2009/09/09(水) 18:01:17 |
  2. URL |
  3. KDX #-
  4. [ 編集]

KDXさん、そういう会社ほど大々的に宣伝しているのです。

つまり雑誌社にも問題があるのだが、雑誌社より一般の新聞社などは何処まで調べて広告を載せているのか?です。



避難小屋のことで追記です。

昨年、私どもの県の側で登山口のバス停に避難小屋を立てる計画が上がりました。
登山客だけでなく観光客の方が、標高が高く天候が激変する場所で今まで何処にも避難できる場所が無く、かろうじて臭い便所に逃げ込むしかないと言うことで、やはり建てようとなりました。
それでも、その避難小屋を宿泊所代わりにするのがいるのではと喧々がくがくの議論になりました。

結局、天候被害者が出てからでは遅いと言うことになり、不届き者については議論のらち外だと言うことで、人命優先でしっかりした避難小屋が建ちました。
冬期の積雪の重量にも耐えられるものです。勿論、その建設に当たって環境省へは何度も相談して、特別保護区域内の建設許可を出していただきました。
建てたのは地方自治体ですが、維持管理は地方自治体と地元の共同作業です。
今年は出来たばかりで奇麗でしょうが、何年かすると使うのもはばかれる程に汚されるでしょう。

春になり、最初の小屋掃除に行くのがイヤだと、経験した誰もがそういいます。
つまり地元の人誰もが、登山者達スキーヤー達のモラルを信用していないと言うことなのです。
小屋を汚すのは観光客でなく、登山者や山スキーヤー達なのです。

私どもの所は、その避難小屋まで自動車で行けるので掃除機材などを持って行けます。トムラウシの場合はどうでしょう、大変な思いで管理していると思います。
その努力は「山で死んじゃならない」という思いからです。

その思いを足蹴にされた関係地の方の気持ちを思ってください。

これも反論が出そうですが、敢えて山岳地に住む者として書かせていただきます。
  1. 2009/09/10(木) 17:48:41 |
  2. URL |
  3. 元山男 #tLotD3lc
  4. [ 編集]

元山男さま&nyanさま&よかっぺさま&KDXさま。
まとめレスとなりますがご容赦ください。
また、レス遅れもあわせてご容赦ください。


信濃毎日新聞の記事に関連して、毎日新聞にもこんな記事が出ていました。
http://mainichi.jp/hokkaido/shakai/news/20090906ddlk01040164000c.html
二つの記事を読み比べて、???なことがありました。
日本山岳ガイド協会の磯野剛太専務理事。
各種あるガイド資格について、信濃毎日新聞では、「基準が違うと登山客には分かりにくい。何らかの形で一緒にできないか」とコメント。
一方の毎日新聞では「規制を強めたり、制度を一本化するような時代ではない」。
なんだかとっても正反対のような気がします。
これって、マスコミのせいかしらん?

nyan さまご紹介のサイト、以前にちらっと見ていたのですが、改めて読み返してみました。
事故関係者との直接のやり取り、ずいぶん生々しいものだなぁ…と。
いろいろと参考にさせてもらってます。

>裁判とは関係なく再発防止はすぐやるべきと思います。

同感です。
というか、これまでの別の事故も含めて、ガイド協会が何をやってきたのかが、ぜんぜん見えないんですね。。。。
たとえ「墓石行政」であったとしても、何もしないなんてことがあってもいいんだろうか?

>トムラウシ以外のツアーはどんどん催行されているようですが、見直さなくても大丈夫なのでしょうか?

私もいったん立ち止まるべきだと思います。
ツアーの方式に問題があったために起きた事故なのか、それともトムラウシだったから起きた事故なのか。
その辺がはっきりするまでは、やはりいったんストップしたほうがいいと思います。
必要なところにすべて手を打った後に再開、というのがあるべき姿なんでしょうね。

ちょっと話はそれますが、もうひとつの美瑛岳の事故について。
「オフィスコンパス」のHP、9月8日付でリニューアルされていました。
参加利用規約の末尾に「オフィスコンパスのガイド山行は旅行業法に基づく旅行ではありません」とありました。
旅行業者として無登録だったことで一騒動ありましたが、こういうことになったようです。

オフィスコンパスの上鶴篤史氏のブログがあります。
タイトルは「山隙による、山好きのための、山旅ブログ」。
「日々、山と旅を続ける、オフィスコンパス。現地からの生報告や山と旅の楽しみを提供します!」という副題がついています。
http://blog.livedoor.jp/yamatabi_guide2/
このサイトによると、上鶴氏は8月にはガイド山行を行っていることが記されています。
そして件の事故について触れられている箇所はありませんでした。
実際に事故後のWEB上での対応って、こんなもんなんですね。。。。

元山男さまの、地元の声。
真摯に受け止めなければならないと思います。
自らを省みると、コンビニと食事と風呂ぐらいしか、地元にお金を落としていません。
金額にしたら、しれたもので、せいぜい何千円かです。
それでも受け入れてくれることに、ずいぶん感謝する必要があるように思います。
これまでに、何度か本文やコメントでも触れましたが、よそから行く以上、忘れてはならないことでしょうね。

誰だって自分が愛着を持っている地元や出身地を、他人にほめられるとうれしいものでしょう。
そういう思いもあるんじゃないかと思います。
登山道や避難小屋の整備などなど、ありがたいことだと思います。

避難小屋については、思うこともありますので、近々何か書こうと思います。

ユーザーの選択権。
まず、情報公開がまったく進んでいないということに尽きると思います。

事故があった場合、ガイドやツアー会社の名前は公表されるべきだと思います。
趣味の会である山岳会の名前よりも、ずっとその必要があるのではないでしょうか。
ですが、事故を報じるマスコミも、ガイド・会社名を出さない場合があります。
ユーザー(消費者)としては一番知りたい情報ですし、知らせなければならない情報でもあると思います。
一度事故があっても反省を生かして立ち直っていくケースもあるでしょうし、駆逐されてしまうケースだってあると思います。
そうやって淘汰されていくのが理想的だと思いますが、現実にはそうなっていません。
一部リピーターの中には盲信的な人もいるんじゃないかとも思います。
また、元山男さまの指摘されたような「大々的な宣伝」に覆われてしまっているのもひとつではないでしょうか。
もうちょっとなんとかならんもんかなぁ・・・と思います。

  1. 2009/09/10(木) 23:58:12 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

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