知識として「たくさんの作品を観ている人」になりたかった
別に、映画の感想をホームページに書いてコンテンツ化したいと思っていたワケでもなければ、表現の勉強のために映画を観て学ぼうなんて思っていたワケではありません。ただ単に知識として「たくさんの映画を観ている」ことがカッコイイと思って、たくさん映画を観ていた時期がありました。
例えば、誰かが「今のって、○○って映画の冒頭のシーンみたいだね」と言った時に、その映画を知らない人間よりもその映画を知っている人間でありたいと思ったのです。
当時の自分の向上心を、今の自分が率直に表現すると、
「やまなしさんって何でも知っているんですね!カッコイイ!」と言われる人間になりたかった―――という、ものすごくカッチョワルイ言葉になるんですけどね(笑)。
まぁ、そんなカンジで映画を観漁っていた時期がありました。
とは言っても、映画館に足繁く通うお金はなかったので、レンタルDVD屋さんの新作コーナーを順々に観たり、CATVで放送されている映画を1日1本のペースで録画して観たりして、有名なものもマイナーなものもごちゃ混ぜに「毎日1本ずつ映画を観ている」時期があったのです。
しかし、そういう時期は数ヶ月で終わってしまいました。
時間が足りなくなったことと、「毎日1本ずつ」くらいのペースにすると面白くない映画にも当たることも多くて、飽きてしまったのです。
似たようなことを、漫画でやっていた時期もありました。
立ち読みも含めて漫画雑誌は端から端までチェックしていて、昔の名作も全巻セットをヤフオクで購入して読んで読み終わったらヤフオクでまた売ってとしていた時期がありました。
私にはヲタク友達がいませんでしたから、当時やっていたホームページにその感想なんかを書いて、それを読んでくれていた人が今でもTwitterのフォロワーさんに何人かいるのですが―――これも、あるタイミングでピタッと辞めてしまいました。時間がなくなったことと、「立ち読みや古本を利用するのは作家さんのためにならないからやめよう」と思ったからです。
小説は「たくさんの作品を読もう」というよりかは、「この人の作品を片っ端から読もう」と小~中学生くらいの時は図書館に随分とお世話になりました。どのタイミングで辞めたのかは覚えていませんが、恐らく高校受験のタイミングで時間がなくなったからじゃないかなと思います。
ゲームはむしろ、今の時期が「たくさんの作品を知っている人になりたい」時期かなぁと思います。バーチャルコンソールが始まって「過去の名作が安価にダウンロードして遊べるようになった」ことで、とりあえず知識としてこれは遊んでおかなきゃなーとダウンロード購入する癖が付いてしまいました。
ですが、ゲームはクリアするまでに10時間単位で時間を必要とするので、ダウンロード購入したけど起動すらしていないゲームの多いこと多いこと(笑)。
アニメも、バンダイチャンネル&dアニメストアの「見放題」を使って過去の名作を全話一挙に観たのは「たくさんの作品を知っている人になりたい」という気持ちからだったりします。今はどちらも有料会員じゃなくなっちゃいましたけど、「見放題で観たい作品」リストが溜まってきたのでまた有料会員になってアニメを観漁ろうか悩んでいます。
多分、私には「知識のコレクション欲」があるんだと思います。
物のコレクション欲はそれほどでもないので、映画のブルーレイ&DVDはほとんど持っていませんし、ヤフオクで買った漫画を読み終わったらヤフオクに売っていた時期もありますし、小説は図書館で借りて読んでいたし、アニメは「見放題」で観れば置き場所も困らないやくらいに思っているのですが……それらの作品を、観た&読んだ&遊んだことがあるという「知識」は集めたいんです。
「知識のコレクション欲」というより「体験のコレクション欲」といった方が相応しいかも知れませんが、でも「体験」したという「知識」を集めたいというカンジなんですね。
映画や漫画や小説やゲームやアニメに限らず、ヲタク気質の人には共感してもらえるところがあるんじゃないかなぁと思います。
例えば「乗り鉄」と呼ばれる電車などに乗るのが好きなヲタクは、「この車両に乗った」という知識を集めて、全車両を制覇したいのでしょうし。アイドルでもお笑い芸人でもスポーツ選手でも、「俺はこんな初期から観ていた」と言いたいファンは「初期の彼ら・彼女ら」から観てきた知識をコレクションしているのでしょうし。グルメヲタクならば「この店もこの店もこの店も食べたことがある」と制覇していくのが楽しいのでしょうし。
みんなそれぞれ「好きなもの」はそうだと思うんですね。
観た&読んだ&遊んだ&乗った&応援していた&食べた―――そうした体験を知識としてコレクションして、いつかそれが必要になった時に御披露目したいのです。「どうだい?これが私の秘蔵のコレクションだよ?」と言わんばかりに、「あぁ、その映画は僕も観ていたよ。ラストが少し哀しいんだよね」なんてお披露目する日を待っているのです。
しかし、最近ふと「これって意味ないんじゃないかな」と思うことがありました。
そうやってたくさん観た映画の内容を、私は「その映画を観た」としか覚えていなかったのです。
何気なく聴いていたラジオから、その映画の名前が聴こえてきました。
「『○○』における××みたいな~~」といったカンジに、唐突に会話の中に出てきたその映画は恐らく10~15年くらい前の映画です。特にその映画の話をしていたワケではなく、別のものを説明する際の例え話としてその映画のことが「みんな観てて当然でしょ?」「この例えならみんな分かるでしょ?」と使われたのです。
ふむ、観てて当然だ!
俺も観ているぞ!!
と、その時は思いました。
しかし、「俺も観ている」以上のことは思い出せません。外国の映画なのはタイトルから分かります。しかし、ジャンルすら思い出せません。戦争の映画だったような……SF映画だったような……タイトルからすると恋愛とかじゃなくて、殺し合いの要素がある映画っぽい。
確か市街地戦でのスナイパーの話だったような……と思ったのだけど、それは別の映画だった気もする。そもそも本当に観たのか?特徴的なタイトルを覚えているだけじゃないのか?いや、実際に観て「タイトルだけ見て想像していたのとは違ったなぁ」と思った記憶はある。そこそこ面白かったけど、絶賛するには一歩足りないくらいの感想だったような。そこまで思い出しているのにジャンルが分からないとはどういうことなんだ。
あれだけたくさん観た映画の、どれだけの内容を私は覚えているのだろうか……
ふとそんなことに気付いてしまったのです。
いや、映画だけではありません。漫画だって小説だってゲームだってアニメだって、読んだ&観た&遊んだことは思い出せても、内容まで覚えているものは何割あるのでしょう。「知識」として財産になるんだと思って、とにかくたくさんの作品に触れた結果、何年か経った今一つ一つの作品については何にも覚えていない―――
何のための「知識のコレクション」だったのだろうと思うのです。
娯楽はあくまで「今楽しむもの」なんです。その結果たくさんの作品に触れているのならイイのだけれど……「たくさんの作品に触れる」ことが目的化してしまうのは、あまり意味がないんです。そんなもの数年経てば何も覚えていないのだから。
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○ 余談
最近の自分は「記事傑作選」という厄介ごとが終わったこともあって、「買ったけど読んでいなかった電子書籍」とか「テレビで放送されていたけど観る時間がないからとりあえず録画しておいた映画」とかを順々に消化していっています。
電子書籍はセールがあると何十冊単位でまとめて購入してしまうため、タブレット端末の容量にはとても入りきりません。なので、購入した電子書籍はその場ではダウンロードせず、クラウドに「買った」という記録だけしておき、「今からこれを読もう」と思った作品だけをクラウドのリストの中からダウンロードして読む→読み終わったら端末から削除という形をとっています。
ということで、クラウドには「既に読み終わった本」も「まだ読んでいない本」も混在して並んでいるのですが……電子書籍を導入してまだ2年くらいだというのに、既に「こんな本、読んだっけ……」と記憶から薄れているものが結構あるのです。読んだかどうか分からないのなら「まだ読んでいない」だけかも知れませんが、読んだことだけは覚えているのだけど中身はサッパリ覚えていないものもあります。
このままだと「本を読む」という行為がすごく無駄な時間なことのように思えてしまうので、「読んだ」という知識を形にして残すために、読書メーターみたいなことを始めようかなぁと少し考えています。読んだきり中身を忘れてしまうのなら、その場で1~2行だけでも思ったことを残しておけばイイんじゃないかと。
ただ、残しておきたい1~2行の感想は誰かに読ませたいワケではなくて、あくまで自分のために残したいものです。「誰かに読ませる」という意識だと間違ったことは書けないし、例えば「全然面白くなかった。買って損した」みたいな率直な感想は書きづらくなってしまいます。「あくまで自分のために残す」のなら、感想は非公開に出来るものがイイです。
読書メーターは恐らく付けた感想を非公開には出来ないでしょうし、どうせなら「読書」だけでなく「観た映画」とか「遊んだゲーム」とか「観終わったエロビデオ」とかも記録に残しておきたい……自分の必要な使い道には読書メーターではカバーしきれないので、似たような他のサービスはないかなぁと探してみました。
ブクログは「本」だけではなく、「Amazon.co.jpにある全てのアイテムが登録できる」そうなので映画やゲームやエロビデオも登録できるっぽいです。しかし、それだとAmazonにはない3DSのダウンロードソフトとかは登録できないのかなぁ。
「非公開のメモを付けることが出来る」と書かれているのを他のところで読んだのですが、ヘルプの項目から探してもそれらしい記述はありませんし、登録しているアイテムを非公開にするには有料プランでないとダメみたいです。これだと自分の読んでいる本・観ている映画・遊んだゲーム・観終わったエロビデオが全部筒抜けになってしまうので、「やまなしってヒンヌー好きだと言っていた割に巨乳のエロビデオも観てんじゃねえかよ!嘘つきめ!」と炎上しかねません。
デザインはオシャレだし、パブーで本を出しているくらいなので、「ブクログも良いかな」と少し考えたのですが……自分の使い道にはちょっと合いませんでした。
色々見ていたところ、メディアマーカーがイイんじゃないかなと今は考えています。
デザインは簡素ですごく素っ気ないんですが、「本や雑誌、CD、DVD、パソコン関連品などのアマゾン取扱品をはじめ、iPhoneアプリ、Webサイトのブックマーク、独自アイテムなど、あらゆる情報メディアが一括管理できます。」とのことですし、「メディア管理ツール全体を非表示にできるほか、特定の本やDVD、音楽だけを非表示にすることも可能です。さらに、許可ユーザーだけが閲覧できる制限機能もあるので、会社や学校、読書会などの書籍管理にも便利です。」とのことで、柔軟な使い道が出来そうです。
面白かったWEBページの記録や、毎月の購入金額などのグラフ化も出来るみたいですし、毎月末に書いている「今月のまとめ」の記事に活用できることも多そうです。
今の時点では「自分のためだけのメモ」に使うつもりですが、もしこれから先に気が変わって「自分の読んでいる本をみんなにも見せたい!」と公開したくなっても、エロビデオは非公開にするとか、面白くなかった漫画は非公開にするとか出来そうですしね。
読んだ本や観た映画の感想をメモしておけるWEBサービスで、他にも「これがイイんじゃない?」というオススメがありましたら教えてください。
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