電子書籍の超お買い得キャンペーンに思うこと
1月26日現在、角川書店の電子書籍が超割引キャンペーンを行っているみたいです。とりあえずキンドルでは1500冊以上が70%オフキャンペーンで、1月28日の朝9:59までだそうです。キンドルとkoboは70%オフなんだけど、eBookJapanは50%オフとか、差があるのは何なんでしょう……
とりあえず「知らなかった人は急いでどうぞー」という告知と、「必ず購入前に“ちゃんと割引価格になっているか”を確認してくださいね」という注意を最初に。
自分は去年の夏からずっと「自宅にある本を整理するために自炊して、それがちゃんと読める状態なのか確認がてら読み返す」のに忙しくて新しい本を読む時間がなかったり、「まだ完結していない本は電子書籍では買いたくないなぁ」と思っていたり(理由は後述します)で……この角川の70%オフキャンペーンも、スルーするつもりだったのですが。
『いなり、こんこん、恋いろは。』のアニメ第2話がまぁ素晴らしくて素晴らしくて、あまりに感動しまくったので勢いで原作漫画の1~7巻をキンドルで購入してしまいました!いつ読むんだ!!
そしてまぁ……
こうやって一つ「今まで自分のルールとして制限していたこと」を破るとタガが外れるもので、今まで気になっていた『クロスボーン・ガンダム ゴースト』の1~5巻と、<古典部>シリーズ(アニメ『氷菓』の原作小説ね)を5冊まとめてキンドルで購入!いやホント、いつ読むの!?
『いなり、こんこん、恋いろは。』はアニメ→原作の順で観たいので、アニメが終わった後に、しかも2期があることを願ってアニメでやったところまで読むことにして……
『クロスボーン・ガンダム ゴースト』は前シリーズまでをおさらいしてから読みたいので、それらを自炊して読み返した後に読み始めるとして……
<古典部>シリーズは、『氷菓』のアニメ2周目を観てから読み始めたいし……
うむ!これは「積み本」ではない!
「後で読む予定の本」を早めに買っただけなのだ!!
とまぁ……こんなカンジに見事に乗せられているワケです。
以前、確か「ゲームのダウンロード販売のメリット」みたいな記事を書いた時だと思うのですが……いただいたコメントで「ダウンロード販売は期間限定の割引キャンペーンが出来ることでユーザーにも恩恵がありますね」と言われて。その時は「でも、それだと割引期間以外に買った人が損だと感じちゃうし、あまりイイことばかりじゃないと思いますよー」と返したんだったと記憶しているのですが。
むちゃくちゃ「割引キャンペーン」の恩恵を受けているじゃないか、俺!!
ということで、今日はこの話を書きます。
○ 「超お買い得キャンペーン」の功罪
そう言えば、自分がキンドルファイアHDを起動して記事を書き始めたのが去年の2月ですから、「キンドルを利用するようになって丸1年が経過した」ことになります。
冒頭にも書いた通り、私はこの半年間「自炊した本」を読むのに忙しかったのと、キンドル以外の電子書籍サービスも利用しているので……実は1年間で買ったキンドルの本はそんなに多くないのですが。
ちょっと今、「クラウド」を見てみたところ……
この1年間で買ったキンドル本は40冊。
・「ゴールデンウィークの99円キャンペーン」で買った本が14冊。
・確か、いつかあった「ポイント50%還元キャンペーン」で買った本が4冊。
・KDPにそういう仕様があるらしいのですが、新しい本の販促でその著者の旧作を数日限定無料配布していたのが1冊(厳密には買った本ではないな)。
・今回の角川70%オフキャンペーンで買ったのが17冊。
正規の値段で買った本が4冊しかねえ!!!
「この割引分はどこが負担するのか」はよく分からないのですが、Twitterでは「配信元(キンドルの場合はAmazon、koboの場合は楽天)らしい」という話も見ました。
本当のところは分かりませんが、現在は「電子書籍のプラットフォームのシェア争い」の真っ最中なのでその可能性が高いかなーと思います。ゲームハードのシェア争いで、NINTENDO64が発売される直前にプレイステーションが値下げされた、みたいなことで。
なので、こうしたキャンペーンって「どこかの企業が血を吐きまくっている」状態ですし、こうなると資本力のあるところが圧倒的に有利ですよね。キンドルでは70%オフ、eBookJapanだと50%オフというのもそういうことじゃないかと邪推しています。
また、ユーザー側からも「割引キャンペーンの時だけ買う」みたいな人が出てくるワケです。あっ、私のことだ!
こんなに頻繁に割引キャンペーンが行われると「その内にキャンペーンやるかも知れないから待とう」とか「キャンペーンの時に買いそびれたから買わない」とか「キャンペーンされない商品は買わない」みたいに思われちゃうんじゃないかと思いますし……
まさにこれ、「ゲームのダウンロード販売」について不安視していることなんですけど。
PCでゲームをやる人には「Steamはしょっちゅう割引するから超安値でゲームを遊べるんだぜ」と言っている人をよく見かけます。Wikipediaで見てみたら50%オフ、75%オフのセールもあるらしいんですね。
そういう人達の話を聞くと「期間限定で割引されているから欲しくないものも買っちゃって、そのまま遊ばないで積んでる」とか「Steamならこんなに安くゲームを遊べるからコンシューマー(ゲーム機)のゲームなんて買う気にならない」とか……私がこの1年間キンドルで味わっていることと同じようなことを言っているワケです。
このまま消費者の心理がデフレっていくことで、正規の値段を払わなくなっちゃう人が多くなるんじゃないのかと心配です―――って、私が書くと「どの口で書いていやがるんですか」と思われるでしょうけど(笑)。
○ このシェア争いの果てに
とは言え……
先ほど書いた「割引分は配信元が負担しているのでは」説が正しければ、キャンペーンで本が売れまくることも出版社や作者にとってはありがたいことですよね。
電子書籍がなくても正規の値段より安く買えてしまう“古本屋”は存在しているワケで、古本屋の株主になっている出版社はともかく、古本が売れても作者には一銭も入らないワケですから。
ただ、不安なのはそこからの話――――
この記事の冒頭で私は「まだ完結していない本は電子書籍では買いたくない」と書きました。その理由を書きますと、例えば今回私は『いなり、こんこん、恋いろは。』の1~7巻をキンドルで買いました。そうすると8巻以降もキンドルで買いたいんですよ。1~7巻はキンドルで買って、8巻以降は紙の本で買って本棚に並べます―――なんてのは収まりが悪いじゃないですか!
「紙の本」と「電子書籍」の話だけではないですね。
例えば私がキンドルファイアHDで読んでいる電子書籍は、キンドルで買った本、eBookJapanで買った本、自炊したりパブーでダウンロードしたりした本があるのですが。全部違う本棚に入っていて、別のソフトを起動しなければ読めないんです。だから1~7巻はキンドルで買って、8巻以降はeBookJapanで買うみたいなことはしたくないんです。
でも、Amazonがいつ「キンドル儲からないので辞めます!」と言い出すかは分かりませんよね。流石にキンドルは大丈夫だとしても……資本力のないところは何年持つのだろうと不安なところも多いです。もしそこが撤退したら「1~7巻は○○で買って、8巻以降は××で買う」みたいなことが起こりかねません。なので私は、電子書籍で買う本は「既に全巻買えるもの」に限定していました。
「電子書籍をどこの会社で買うのか」は「紙の本をどこの本屋で買うのか」とは別の次元の話なんですね。激しいシェア争いがあるからこそ、こういう割引キャンペーンが行われて、私達は安く楽しめるのでウハウハなんですけど。この激しいシェア争いの果てにあるものを考えると、不安も感じるのです。
市場を独占したらAmazonがどうなるのか……アフィリエイトをやっている人なら思うところがある人も多いでしょうしね。
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