ゲームの有料DLCは、発売前にちゃんと告知して欲しい
自分も過去に何度か書いてきて、その度にコメント欄で罵声を浴びたり、Twitterで執拗な嫌がらせを受けたりしてきました。だからまぁ、ブログでもTwitterでもなるべく「有料DLCの話はしない」ように心がけてきたのですが……2013年、多くのパッケージソフトで「有料DLC」とか「ガチャ」とか「スタミナ制」が導入されている現状、一度しっかり書いておかなければなと思いました。
有料DLCの話題が「炎上しやすい」のは、人によって「どれがアリでどれがナシ」の基準が違うからです。それは、言い換えれば「その人がゲームに何を求めているか」が人によって違うからで。こんなものは統一しようのないことなんです。みんな違って当然。
それが分からないと、「なんでコレを受け入れられないんだ!分からずや!」とか「なんでこんなものを受け入れれるんだ!バカか!」となってしまうのです。
例えば、『ドラゴンクエスト』のようなRPGで言えば……
日本のRPGは「探索」「戦闘」「育成」「ストーリー」で成り立っていると考えると……同じRPG好きであっても「探索が好きな人」、「戦闘・育成が好きな人」、「ストーリーが好きな人」と色んな人がいるワケです。
「育成が好きな人」は効率よくキャラクターを育てて、時間をかけてレベルを上げて、強いチームを作り上げることをゲームの目的にしますから――――「リアル現金1000円払ったら最強の剣が手に入りますよ」って言われたら、もうやる気なくなっちゃうワケです。
「イヤならそんな剣を買わなければイイじゃない」ではないんです。必死にレベル上げて武器を強化して、という時間が……「現金1000円払えばもっと強い剣が手に入る」のだったらアホらしくなっちゃいますよね。
でも、「ストーリーが好きな人」はゲームをクリアすることが目的で、「探索」「戦闘」「育成」はただの障壁でしかありませんから……「1000円払えばレベル上げの時間が短縮されてボス戦も楽になるなら、イイじゃん」と思えますし。実際に有料DLCを提供する側も、「時間のない人でも有料DLCを買えばクリアまでの時間を短縮出来ます」と言っているソフトは多いですからね。
ゲームの何を楽しんでいるのか、ゲームに何を求めているかが人それぞれ違う以上は、「何を有料DLCにされるとやる気がなくなっちゃうのか」も人それぞれ違うのは当然のことです。
私が思う「こういう有料DLCが欲しい」という話は以前書きましたが、アレもあくまで私の話です。私とは正反対に、「ゲーム内で手に入る経験値なんかを有料で売るのは別に構わないが、有料でしか手に入らない追加ステージなどはイヤだ」という意見もよく見かけます。
みんなそれぞれ違う。
だから、自分しか持っていない自分の意見はちゃんと主張しなければならないし――――自分の主張に同意させようと他人の主張を否定することは、「その人がゲームに何を求めているのか」を理解しようともしないただの押しつけです。「俺の好きなものをお前も受け入れろ」と言っているに過ぎないのです。
そろそろ本題。
こんな風に「有料DLCの“どれがアリでどれがナシか”は人それぞれ違う」ということを前提にして、言わなければならないことがあるのです。これはもう「人それぞれ違う」とかではなく、絶対的に全てのソフトに行ってもらいたいことです。
有料DLCを販売するのなら、ソフトの発売前にはちゃんと「どういう有料DLCを予定していて」「どのくらいの金額で売るのか」「それを買うことでプレイがどう変わるのか」をしっかり告知して欲しいです。
2013年、パッケージソフトに有料DLCを導入することによる紛糾が幾つも起こりました。
『実況パワフルプロ野球2013』ではサクセスモードの「時間を戻すアイテム」が有料で売られることが、賛否両論巻き起こしました。今までシリーズずっと追いかけてきたからこそ、これだけは許せないと言う人もいました。
『ブレイブリーデフォルト フォーザ・シークウェル』ではリアル時間(ソフトをスリープ状態にした時間)が一定時間になると使える「ブレイブリーセカンド」という超強力なシステムを、有料のSPドリンクを買えば一定時間経たなくても使えるようになることが、賛否両論巻き起こしました。
私個人の好みを言えば、「お金を払った人が有利になるゲーム」は遊ぶ気が起きません。
でも、これらのソフトは発売より1ヶ月以上前から「こういうアイテムを有料で売りますよ」とちゃんと告知しているんです。「遊ぶ気が起きない」と私は書きましたが、そう考える余地を発売前にしっかり与えてくれているのです。
「この有料DLCがあるから買わない」という選択肢を我々に与えてくれているだけ、誠意のある行動だと私は思います。
対象的に『ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル』はスタミナ制のキャンペーンモードの存在を発売日前日まで告知しなかったことで、購入者から「騙された」という声が挙がってしまいました。
「発売日前日」だと予約は取り消せないでしょうし、Amazonも発送してしまっている可能性も高いタイミングです。「この有料DLCがあるから買わない」という選択肢すら我々に与えてくれず、「買ってみたらこんな有料DLCがあった」ということになりかねないのです。
私はバンダイナムコのゲームはWii末期に『ファミリーフィッシング』と『ゴーバケーション』を死ぬほど楽しませてもらったので、バンダイナムコは大好きなゲーム会社ですけど―――有料DLCの情報を発売直前までひた隠しにするような会社なら、バンダイナムコのゲームは恐ろしくて発売日には買えません。
いや、これはバンダイナムコに限った話でもありません。
任天堂も『ファイアーエムブレム 覚醒』や『ポケモン不思議のダンジョン ~マグナゲートと∞迷宮』で、発売前は「有料マップ売ります。第1弾は期間限定無料ですよ」としか言っていなかったところ、蓋を開けてみたら「レベルの上がりやすいマップ」なんかを次々と有料で売っていたワケで。
『NewルイージU』とか『ファンタジーライフLINK!キット』のように、ソフト発売から半年以上経って発売する有料DLCは仕方ないですが。ソフト発売同時とかソフト発売から二ヶ月以内に発売する有料DLCなんかは、ちゃんと発売前に告知して欲しいと思います。
誤解なきように、繰り返しますが。
私は「こういう有料DLCを売るな」と言いたいワケではありません。
ゲームの開発費が上がっているから、有料DLCを売らなければ会社が潰れてしまうんだ―――というのは分かります。別に開発費上げてくれとか次世代機出してくれなんて一度も願ったことはありませんけど、サードメーカーからしてもハード会社が新世代機出すから仕方なく開発費が上がってしまうのでしょう。
私が言いたいのは、「ならちゃんと告知しようよ」ということです。
「有料DLCがあるだなんて言ったら売上げ落ちちゃうかも知れないから、なるべく隠していよう」なんてのは“騙し”です。買ってくれたユーザーの信頼を失い、今後「あのメーカーのソフトは発売日には買わないようにしよう」と思われてしまうだけです。
私は「有料DLCを売りたいのならもっと真剣に売ろうよ」と思います。
先ほどから敢えて“「この有料DLCがあるから買わない」という選択肢”という表現を使ってきましたが、実際には“「この有料DLCがあるから買う」という選択肢”だってありえるワケです。
例えば……この記事の序盤で「リアル現金1000円払ったら最強の剣が手に入りますよ」という例を出しました。「時間がないからレベル上げなんてする余裕ないしRPGは買えないなぁ…」と思っている人からすれば、そういう有料DLCがあることで「じゃあ買おうかな」と思うきっかけになるかも知れないじゃないですか。
「レベルの上がりやすいマップ」も「ブレイブリーセカンドが使えるSPドリンク」もそうです。「この有料DLCがあるから買う」と思ってもらえる可能性はあると思うんです。
でも、全然そんなこと知ってもらえていないですよ。
発売前には告知しないとか、しても公式サイトの隅っこにチラッと書いてある程度では、「時間がないからRPGなんて遊べないなぁ」と思っている人はそんな有料DLCは知らずにスルーするだけですよ。
TVCMとかでガンガン言えばイイと思うんですよ。
「時間のない人でも有料DLCを買えばサクサク遊べますよ!」って言えばイイと思うんです。そんなことしたら売上が下がっちゃうなんて思っているんだったら、そんな有料DLCは辞めちゃいなさいよ。TVCM見て買った人が「こんな有料DLCがあるなら買わなかったよ!」と怒るような有料DLCを入れているのなら、それは“騙し”と変わりません。
これを欲しがっている人がいると思って入れているなら、堂々と売ってくれよと思うのですよ。
「有料DLCの“どれがアリでどれがナシか”は人それぞれ違う」からこそ、発売前の告知は大事だと思います。
「この有料DLCがあるから買わない人」もいれば、「この有料DLCがあるから買う人」もいるワケですから。ユーザーはもちろんありがたいし、メーカー側にも得なことが多いと思うんですけどね。「有料DLCがあることはなるべく隠しておこう」としていたら、有料DLCがどんどん胡散臭いものになっちゃいますよ。
| ゲーム雑記 | 17:59 | comments:9 | trackbacks:0 | TOP↑
八雲(01/16)
やまなしレイ(管理人)(11/29)
やまなしレイ(管理人)(11/29)
ヤタロウ(11/27)
匿名さん(11/27)
やまなしレイ(管理人)(11/11)
ああああ(11/10)