漫画のカラー化に魅力を感じますか
この記事は「俺がこう思うからお前らもこう思え!」って目的で書くワケではなく、「俺はこう思うんだけどお前らはどう思うよ?」という目的で書きます。コメント欄でもWEB拍手でも何でもイイんで、みなさんの御意見を聞かせてもらえると嬉しいです。
キンドルは相変わらず「近日発売」ですけど、タブレット端末もどんどん新しいのが発売されて日本でも少しずつ「電子書籍」が芽吹く土壌は出来てきたなと思っています。
というのも、最近よくWEB上のバナー広告で、『ワンピース』とか『ジョジョ』とか『るろうに剣心』とかの名作コミックスをカラーに塗り直してデジタル配信している広告を目にするんです。
とりあえず『るろうに剣心』のバナーが出てたんでリンク貼っておきます。価格は1冊473円か。
このサイトには「モノクロ版」と「カラー版」の両方を出している作品もあって、『ワンピース』のモノクロ版1巻は368円、カラー版は473円。ちなみに紙の本の1巻を新品で買うと410円。デジタル配信にするとちょっと安くなるけど、カラーにするとちょっと高くなるというカンジですね。
電子書籍というと、米国版キンドルに代表されるように「流通を介さずに個人で本が出せる」ことによって、「より安く」「より玉石混合の本が」「より手頃に」商品化される―――というイメージがあって、自分もそういう部分ばかりをプッシュしてきたんですけど。
大手出版社としては、そういうインディーズ方向ではなく。
前回の記事で書いた「大画面端末ならばデカイまま読める」とか、昔の記事に書いた「音声を付けられる」とか、今回の記事に書いた「元々は白黒だったものをカラーで配信し直す」という“紙の本”より豪華な方向に進む方が面白そうですね。
当然インディーズ路線も豪華路線もどっちもあってイイし、両方あればこそ「電子書籍もイイじゃん!」と思ってくれる人が増えるんだろうと思うのです。
(関連記事:電子書籍に音声が付けられれば、読書の概念が変わる)
(関連記事:サイズが小さくならない漫画単行本――電子書籍の可能性)
で、今日の本題です。
水を差すつもりではなくて、素朴に疑問というかみなさんの意見を聞きたいんですが。
「カラーの漫画」ってどのくらい求められていますかね?
自分は「読者としては」魅力を感じないんです。
例えば、全く新しい超面白い漫画が電子書籍で発売になりました。「白黒バージョンが400円です」「カラーバージョンが400円です」となった場合でも、自分は白黒バージョンを買うと思います。白黒の漫画が好きだから!
でも多分、一般的には「いやいや、同じ価格だったらカラーの方を買うよ」とか「1冊100円ずつ高くてもカラーの方を買うよ」とか「倍の値段でもカラーの方を買うよ」って人はたくさんいると思いますし、自分のような人間は少数派じゃないかって思っています。
なので、「漫画描きとしては」みなさんがどう思うのかを知りたいのです。
白黒の漫画を描く技術と、カラーの漫画を描く技術は、(共通点もありますけど)別ですからね。
○ 何故、紙の漫画は「白黒」がほとんどなののか?
「製造コストが安いから」です。
印刷にかかるインク代・紙代もそうですし、漫画家さんやアシスタントさんが白黒の方が「描くのが速い」ので短い期間で描き終えることが出来ます。「短い期間で描き終える」と人件費が安く抑えられますし、当然たくさんのページ数が描けますし、単行本もたくさん出せるようになります。
安くてたくさん出せるから、名作も駄作もたくさん生まれるのが日本の漫画ですよね。
もし日本がカラーのコミックしかない国だったら、あの作品もあの作品も生まれてこなかったと思います。
日本の漫画は「白黒」が基本です。
なので、「白黒」に特化した技術が向上してきました。「スクリーントーン」で白でも黒でもない色を表現したり、「ツヤベタ」で髪の流れを表現したり、「線の強弱」で陰影や質感を表現したり。
もし「カラーの漫画の方が求められている」のならば、これらの技術はあまり重要ではなくなり、色で表現する技術が重要になってくるのです。
『るろうに剣心』や『ワンピース』の例は、「1度紙の本で売ったもの」を「電子書籍で再発売」するのに電子書籍ならではの魅力を付けなくちゃならなくて、だからこその「カラー化」なんでしょうけど。逆に言うと、この価格で提供できるのは「1度紙の本で売ったものの再発売」で「名作限定だからそれなりに売れることが確実」だからこそですよね。
色塗りは業者に委託しているんでしょうけど、全ページ塗るんならかなりのコストがかかるでしょうし、無名の完全新作が簡単に出来ることではありませんよね。
それでも、電子書籍は紙代もインク代もかかりませんし、数万円のPCとペンタブでデジタル彩色が可能な現代ならば昔ほどのコストはかからないでしょうし……結局のところは「需要次第」ってカンジですかね。
ということで、改めて質問です。
「そもそも電子書籍とか買いたくないし……」とか「タブレット端末持ってないし……」とか「キンドル始まらないし……」とかは全部置いといて。単純に、漫画がカラーになったら嬉しいでしょうか?
モノクロ版と比べて、1冊幾らまで価格が上がってもカラー版を選びますか?
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