雰囲気がエロい漫画だ！（挨拶）
帯コメント「眼鏡、手、髪、アナタは、何で妄想したい？」と挑発的な！

いわゆる1話完結のオムニバス形式の少年少女の話。まあ、かつては「BOYS BE…」を筆頭に1話完結のオムニバス形式ラブコメは僕の頬をニヤニヤさせてきたものです。でも「妄想少年観測少女」は、そういう系統ではなく、感情を掻き毟られる感じ。裏表紙の説明は以下のようなもの。


読んでてザワっとして背中がゾクゾクさせられる的な甘いようで切なく感情にビビッとに訴えるようで、10代の少年少女の感情の吐露をストレートにしているような（抽象的な言い方）。まあぶっちゃけ、究極のフェチズム溢れているっていう。たぎるな！

例えば、第1話「相良裕」は柏木真由に想いを寄せる少年。
彼には幼き頃から、一つの衝動がありました。一番古い記憶は幼稚園の頃、着せ替え人形の肌に落書きをする、中学になったらフィギアの女の体に夢中で絵を描き…高校生になった現在は、真由を裸にして絵を描きたいと妄想する日々。肌フェチである。

しかも、そんな妄想が叶うことに…。
真由を裸にして肌に絵を描く妄想を知られたら、ドン引きどころか妄想を叶えるとか言い出すのです。


…どうぞ
「キミの妄想叶えてあげる。ただし、条件はひとつ、この手。筆じゃなくて相原くんのこの指で描いて欲しい」

エロい女だたんだ柏木さんって思うのは当然。
喋ったばっかの男に自分の身体を触らせるなんてあり得ません。挙句の果てに愛おしそうに相原の指をペロペロ舐める始末ですよ。


ペロペロ
1話から僕の下半身が熱くならざるを得ません。

って、これじゃ柏木真由がただのエロ娘じゃないですか。
だって、1話の彼女の行動は、自分が裸体にされ肌に絵を描かれるという特殊な男の性癖を知り、実際に妄想を叶えてあげて、指をペロペロ愛おしそうに舐める…。理解できません。どう見ても変態でエッチな娘じゃなですか。

そんな彼女の謎の言動が理解出来るのが2話「柏木真由」。
彼女は彼女で日々妄想していたのでした。どうやら真由は手フェチであり、相良裕の手を以前から気に入っていた事が分かります。そして思うのです。

「彼の"手"が欲しいと思った」

1話の真由の謎の行動論理が彼女の目線で語られ、真由の心情がきちんと描かれており、１話の行動理論が理解できました。とは言え、真由がエロ娘である事に変わりはありませんが！


エロい
1、2話で1つの物語となっています。
1話完結のオムニバスとはいっても、1話目が男視点で2話目が女視点という形式を取っており、2話で一つの物語。男視点と女視点で物語を展開させると人物の言動など恋愛話に深みが増しますので、実に良い恋愛話のオムニバスとなっています。

どうも「妄想少年観測少女」というタイトルから、男は妄想し、女は観測する…という感じではありますけど女も十分妄想している！素晴らしいな。個人的に3、4話の義理の兄妹が一番かな。

両親の再婚＆離婚で子供の頃に一時だけ兄妹になっていた2人が高校で再開し…というもの。男は妄想し、女は観測するというスタイルを継続するものの、妹・はるかがエロ可愛すぎて俺の心の琴線を鷲掴みにしやがります！


はるか
フェチ度が最高であり、「人は恋をするとおかしくなる」とうのがテーマにありつつ、もともとおかしな性癖の持ち主がさらにおかしくなっていくという印象。

個人的には全てがツボにハマって、終始ニヤニヤしつつも色んな意味で熱くなりました。フェチとエロスを全面にお出した2話完結のオムニバス連作。お勧め。

また、特筆すべきはスン止めっぷりにあり。
よくあるラブコメ的なスン止めではなく、「前半・男、後半・女」の2話セットでありながら収録されてるのが5話って。5話の前半・男まで収録して後半の女視点の話が収録されてないなんて、凄いスン止めっぷりですよ！