環境への影響、住民に説明 日沿道・酒田遊佐線ルートで県(山形新聞)
記事を読んでいてやっかいだなと思ったものの1つは、この区間の話でたびたび出ている防砂林を横切るという点。記事では、
> クロマツ林は計11ヘクタールほど伐採することになるため、
> 道路のり面に植林したり、防風柵を設置するなどし環境保全に努めるとした。
さて、これで本当に機能復旧は果たされるのかな?ましてや法面への植林がそれ相応の大きさに成長するまでの年月を考えると、本当にこの方法がベストなのかな?
環境への影響を考慮して植林を施すというのは、もっぱら生態系への影響が大きな理由となる。しかし、防砂林の役割を果たすクロマツ林の機能回復というのは、そうそう例が無いだろうから、どこまでバックデータを示せるかが鍵になりそう。
また、意外に思ったのは、会場からこんな声が聞こえたという記事。
> 「ほかに検討したルートについても説明してほしい」
> 「データを示されても、比較対象がなく、理解しにくい」といった声が聞かれた。
都市計画法上、都市計画というのは「土地の合理的な利用」を目的としている。である以上、その都市計画(この場合は道路)の案が合理的であるという説明には、例えば「数案を比較したうえでこの案が最も合理的」という説明が必要になってくるはずだ。いくつかコントロールポイント的な事項を挙げて、「それを満たすのはこの案しかありません」というのは一見して合理性の説明になっているように見えるが、全長12kmの道路を作るのにそう簡単に1案に絞れるものではない。(とはいえ、数案を比較する方法にしても、実行する案ありきで他の案を作って最終的に削るように見せるというのはよくある手だけれども)
都市計画法では、住民は「措置に協力し、良好な都市環境の形成に努め」ることとされ、国や地方公共団体は「都市の住民に対し、都市計画に関する知識の普及及び情報の提供に努めなければならない」とされている。
どうも上手く説明がや情報の提供がなされていないような雰囲気を読み取ってしまったのだけれど、はたして大丈夫なのだろうか。