Wikipediaが検索上位表示される理由 – 2007年 1月11日

このごろ検索結果の上位にWikipediaの個別ページが上位表示されていると思いませんか?ググる度にWikipediaのページがヒットする。

例えば、「織田信長」といった人名はWikipediaの得意分野。「ラーメン」なんていう一般名詞も大丈夫。SEOの達人だ。


一体なぜこんなにヒットするのか?実は下記のような理由がある。

1.大量のインデックス数

WikipediaのGoogleでのインデックス数は「4000万」もある。単純に大量のページがあれば、それだけWikipediaのページを検索結果で見かける機会は多くなる。アクセスアップの大原則だ。

2.大量のページ数

インデックス数と同義ともいえるが、Wikipediaの場合は、すべてのページが異なるテーマを扱っている。サッカーのサイトで4000万ページを持っているのと、世の中のありとあらゆるテーマで4000万ページを持っているのでは意味が違う。ニッチな情報も多く、おのづとライバルは少なくなり検索結果上位表示される結果となる。

3.同じテーマでのページ内リンク

Wikipediaのサイト内は網の目のようだ。ページとページが複雑に絡んでいる。しかも、同じテーマ間で意図的にリンクしあっている。【ラーメン】ページには【メンマ】【タレ】【チャーシュー】といった似たテーマを持つページからリンクが張られている。より多くのページからリンクされるページは良質なページだというロジックが昨今の検索エンジンでは常識だが、それに加えて、同じテーマのページからリンクされているページはより良質だというロジックもある。どんなに多くのリンクがされた【ラーメン】ページがあったとしても、まったく関係がない(例えば、織田信長とか)からリンクされていても評価は低いのだ。

4.良質なコンテンツ

Wikipediaは集合知のサイトだといわれるだけあって、良質なページを多く持っている。複数の人が自分の得意な分野について書いているのだから、情報は非常に多いし、量も多い。更新頻度も高く、検索エンジンの評価は高い。

5.多くの外部リンク

良質なページであることから、結果的にWikipediaではないその他のサイトからのリンク数も非常に多くなる。これはPageRankを上げる結果にもなるし、被リンク数をあげる効果にもなっている。昨今急激なランクアップはWikipediaの知名度向上により、外部リンクが大幅に増えたことも要因だといえる。

6.綺麗なHTML

検索エンジンロボットがクロールしやすい、単純で綺麗なHTML構造をしている。

7.特化したコンテンツ内容

検索エンジンは、雑多なテーマが揃っているページよりも、同じテーマの特化されたページを好む。ラーメンを食べるならば、うどんも売っていて、ラーメンも売っていて、寿司も食べられる店よりも、ラーメン専門店の方がおいしい確率が高いのと似ている。そういう意味では、Wikipediaは同じテーマ、しかもかなり幅の狭いテーマ(キーワード)のページを大量にもっており、検索エンジンに好かれるのだ。

8.高いPageRank

多くの外部リンク等によりPageRankが非常に高い。

—————————-

これら以外にも要因はある。が、大体こんなところだろう。どれも対したことをしている訳ではなく、SEO入門サイトに掲載されているレベルだ。しかし、それらが結果的に着実に履行され、複雑に絡み合い、非常にSEO的にも強力なサイトになっているのだ。

検索スパムや裏技のようなものを研究するならば、Wikipediaのような正統派SEO上位表示方法を研究するのも学習になるかもしれない。

カテゴリー:技術・開発