金融・旅行・アダルト・通信・本などありとあらゆるものがネット化されている。ウェブだけでほとんどの社会的生活を営む基盤を整えることは、非常に簡単である。
しかし、そんなネット社会においても、いまだにウェブ化・ネット化されない業界・媒体というものが存在する。それは「ファッション」「医療」「政治」「宗教」である。
私が個人的に非常に疑問なのが、「ファッション」業界のウェブ化率が非常に低いことである。コンビニに行くと非常に多くの雑誌が置いてある。旅行に株、アダルトに生活雑誌、そして一番占有率が高いのがファッション雑誌である。
旅行や株などその他ジャンルは、ウェブではどれもメジャーだ。旅行だと、じゃらんや楽天トラベルといった宿泊予約サイトや多くの観光ガイドサイトがある。株であれば、ご存知の通り、Eトレードや松井証券といった大手がそろっている。
それに大して、ファッションメディアのウェブ媒体というのは非常に少ない気がする。服やブランド鞄や下着を「販売」するサイトは非常に多いのだが、いわゆるファッション雑誌のネット版は非常に少ない。最近では女性誌で有名なVIVIが雑誌と連動したネット販売などをはじめたが、今までなかった方がおかしいし、誰でも思いつくレベルのビジネスだと思う。
ネット化すると、「雑誌の販売が落ちて、広告主が減る」とか、「モデルの芸能会社とネットでの写真の帰属問題がややこしい」とか、「ウェブ化するのはコスト面で難しい」とか、考えれば、いろいろと業界的な理由は思いつくが、できないをできるに変えるところにビジネスが落ちている。こういうウェブ化されていないニッチな隙間を狙うのも面白い。
いままでは、「○○ができないからウェブ化は無理。」という結論になっていたかも知れないが、これからは、「みんながウェブを使っているから、ウェブ化が必須で常識」となるような気がする。おまけの一部だったウェブが、本当の肝になる日は近い。
そんな日に、これらネット化されていない業界にこそ、ビジネスのチャンスが落ちている気がする。