よくわかる製本の基礎解説
見積もり依頼をしたいけれど、項目の内容がよくわからない。自分で製本をするのに知っておくといいことって何?など、そうした疑問にできるだけ解りやすく解説しています。お役立てください。
本の各部名称
判 型(仕上げ寸法)
●仕上げ寸法とは:製本した 書籍・雑誌などでは表紙を抜いた中身の大きさを、仕上げ寸法とします。
■ 一般的な書籍サイズ ■
※四六判とは : 本の規格外の仕上げ寸法。新書判よりは大きく、A5判より小さいサイズ。小口128㎜×天地188㎜(JIS X4051)。尺貫法では小口4寸2分〜4寸4分・天地6寸2分〜6寸4分だったが、これが概略4寸×6寸、つまり四・六の大きさで、四六判と呼ばれるようになったといわれる。
(実際は、出版社によって多少サイズが異なります。)
※菊 判とは : 初めて洋紙が輸入されたとき、ダリアの花の商標がついており、これが菊花に似ていたことから名付けられたという。
洋紙の旧規格寸法の636㎜×939㎜でA判よりやや大きい。書籍の菊判はこの紙を16折りにした大きさで小口152㎜×天地218㎜になる。
※新書判とは : B全判40取り規格寸法外の単行本で小口103㎜×天地182㎜。
(実際は、出版社によって多少サイズが異なります。)
折丁とは / 折りの手順
製本をするのには、まず両面印刷された一枚の大きな紙を、出来た本のページ順になるように決まった折り方で折ります。この折りたたんだ状態のものを折丁と言います。(本の仕様によって様々な折り方があります)
折りの基本として4ページ・8ページ・12ページ・16ページ・32ページ折りがあり、紙の厚さや縦本・横本などによっても折りは変わりますが、よくある上質紙を使った書籍では16ページ折りが一般的です。
■ 八つ折り(16ページ)折りの手順 ■
←こちらは機械で折った折丁です。前後にある見返し(黒紙)を含め、これで1冊分の折丁になります。
また一般書籍の刷り本には写真のような背標が印刷されており、これがあることで落丁・乱丁など様々なミスをふせぐことができます。
台とは / 台数(台割)
折丁を数える単位を台と言い、台数とは、この本は何ページ折りの折丁が何台で構成されているのか?ということです。
では286ページある本を例にして16ページ折りの計算をしてみます。
286(頁)÷16(頁折り)=17(台) 余り0.875(14頁)←1=16頁なので [例えばこの余りが0.5だと8頁になります]
余りの14頁分を8・4・2頁に順に1台ずつあてはめていくと
8+4+2=14(頁)になります。[例えば余りが10頁だと8+2で、8頁×1台、2頁×1台というようになっていきます]
つまり286頁の本は、16頁×17台、8頁×1台、4頁×1台、2頁×1台という構成でできている本ということになり、この台割計算を書いたものを台割表といい製本作業を行う上で絶対に必要になるものなのです。
※書籍の中には白紙のページなどを付け、余りをわざと出さないようにする場合もあります。
折丁で説明したように、本を作るためには数ページ分の印刷がされている1枚の大きな紙を決まった折り方で折ります。このとききちんとページ順に並ぶように配置することを面付けと言います。面付けは折りのページ数や縦組・横組、右開き・左開きなどによっても変わってきます。
ここでは16ページ折りの縦組み左開き・右開きの面付けを掲載します。
また右開き・左開きは、一般的には活字が縦組のものは右開き、横組のものは左開きです。
製本に使用される主な用紙
■ 本 文 用 紙 ■ | |
●上質紙 | 化学パルプ100%の印刷情報用紙。書籍本文・雑誌・グラビア、紙製品や商業印刷に使用されるもっとも一般的な用紙。 |
●アート紙 | 白色顔料の塗装を塗工したもの。印刷光沢度、網点の再現性などの印刷品質が良く、写真集や高級美術印刷などに用いられる。 |
●コート紙 | 抄紙機と一体となって原紙に白色顔料を塗光したもので、白紙はつや消し状で、印刷部分が光沢になる。 |
●軽量コート | アート紙の白色顔料が20g/㎡くらい塗工したのに対し、15g/㎡くらい塗工したもの。カタログ・雑誌の本文・カラーページ・チラシなどに良く使用される。 |
●色上質紙 | 漂白化学パルプ100%使用の着色紙で、表紙・目次・見返し・プログラム・カタログなどに使用され、ページの中で区分けをする時など幅広く用いられる。 |
■ 板 紙 (芯紙) ■ | |
●黄板紙 | 以前は稲わらと古紙を主原料としていたため濃黄色をしていたが、現在では木材パルプと古紙などをが合わされ薄黄色をしている。チップボールと比べ密度があるため、剛度が高く本の角が傷みにくい。 |
●チップボール | 古紙を主原料としている灰白色の板紙。特徴として軽く加工がしやすい・糊付け適正が良い・黄ボールに比べ密度がないので、出来上がった表紙の反りが少ないなどがあげられる。 |
ケース(函)の種類
(画像クリックで拡大)
スリーブケース