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スケジュールとコストに関する指標が一目瞭然にわかるEVM
第2回:EVMの基本値から導出される値の説明と練習問題
著者:
プライド 三好 克典
2006/3/20
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はじめに
前回EVMの基本値について述べたが、今回はEVMで登場する用語およびデータ算出方法と意味を解説していく。まず、前回のおさらいとして基本値を再度掲載する。
PV(Planned Value)
成果物の作成期限と作成に必要な金額を見積ることで算出される値。実績測定ベースラインとも呼ばれる。この値を基準として、スケジュール遅延およびコスト超過を判断することになる。
EV(Earned Value)
出来高と呼ばれる、ある時点までに完了した作業の価値として算出される値。成果物の完成状況をあらわす。PVと比較することでスケジュールをチェックする。
AC(Actual Cost)
ある時点までに実際に使用した費用として算出される値。PVと比較することでコスト進捗をチェックする。
表1:EVMで使用される基本値
EVMの説明をする際に、すべての用語を1つの図に盛り込んで説明しているケースが多いが、著者としては情報量が多すぎて理解しにくいと考えている。そういった理由から、以下の3段階でEVMについての説明を進めていく。
スケジュール差異
コスト差異
完了時予測
表2:EVMを説明していく段階
ここではわかりやすくするために例としてプログラム作成の工程を取り上げる。また、イメージを容易にするために、金額ではなく人日で計算する。
以上を前提に次の状況を想定していただきたい。ここからは例題を通じてEVMを説明していく。
9週間(63日)で126本のプログラム作成する
126本のプログラムに難易度やボリュームの差はない
要員は5人確保した
5人のプログラム作成レベルは同等である
14日経過時点の状況をチェックする
まず14日経過時点の予定はというと、9週間で126本のプログラムを作成できるので、単純計算で14日経過時点では28本完成する予定となる。土日を除くと実働は10日間のため、作業工数としては50人日を要する予定となる。
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著者プロフィール
株式会社プライド 三好 克典
前職にてプロジェクト管理や標準化が非常に重要であると考え、技術習得及び実践の場を求めてプライドに入社。現在、システム開発方法論「プライド」を軸に、プロジェクト管理、標準化、情報資源管理の支援に携わっている。
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第2回:会議の進め方と議事録術
はじめに
スケジュール差異
完了時予測
解答