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PHPのすすめ
PHP開発プロジェクトの夢と現実

第1回:今だからこその「PHPのすすめ」

著者:オープンソース・ジャパン  須藤 克彦   2007/5/18
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オープンソースとLAMPの存在がプログラム環境を変える

   オープンソース、特に「LAMP(Linux、Apache、MySQL、PHP)」が喧伝されてから久しいですが、それでも実際に現場に身を置いていると、まだまだPHP技術者不足を感じることがあります。

   PHPだけがプログラミング言語ではありませんが、今後様々な意味においてPHPを使った開発をはじめとした技術が必要になるでしょう。そこで、本連載では3回にわたり、PHP開発の「光」と「影」について解説します。

PHPは習得しやすいか

   一般的に「PHPは習得しやすい」といわれています。これは、例えばJavaと比較して、新入社員が現場で実際にプログラミングできるようになるまでの育成時間に着目すれば、その差は明らかでしょう。

   Javaが難しいといわれるのは、Javaが言語として難しいというよりもオブジェクト指向の考え方を理解することが容易でないからだと考えられます。同じプログラム言語というカテゴリ分けで、単純にJavaとPHPは比較できない部分がありますが、プログラマとしての立ち上がりに着目すれば、そこに差があることは否めません。

   実際に「プログラミング言語がシステムの開発スタイルを変える」ことがあります。また同様に「プログラミング言語がシステムの品質や生産性に影響を与える」ことも事実です。


開発スタイルを変化させたC言語

   ここで、1970年前後に登場したUNIXとC言語の関係について考えてみます。

   C言語の登場により、それ以前からのプログラム開発スタイルを一変させました。従来のプログラミングでは、最終的にシステムが稼働する「ターゲットマシン」を開発マシンとして用意することが普通でした。

   しかしC言語では、開発マシンがターゲットマシンと同じである必要はありません。再コンパイルを行うことで他のマシンや環境で、開発したプログラムを動作させることができるからです。つまり、極端にいってしまえば、UNIXマシンが1台あれば、どのような稼働環境のシステムでも開発を行うことができたのです。

UNIXマシンとC言語による開発環境
図1:UNIXマシンとC言語による開発環境

   90年代に登場したJavaは、さらにプログラム環境を変えました。Javaのバイトコードを実行するための環境さえあれば、再コンパイルの必要すらなくなりました。これは開発環境の革命であり、同時にオブジェクト指向時代の幕開けでもありました。

Javaによる開発環境の変化
図2:Javaによる開発環境の変化
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   このように、時代とともに新しい言語や開発ツールが生まれ、その度に「変革」がもたらされました。

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オープンソース・ジャパン株式会社 須藤 克彦
著者プロフィール
オープンソース・ジャパン株式会社  須藤 克彦
青森オフィス 代表
1980年立命館大学理工学部を卒業後、独立系ソフトハウスに入社。CやFORTRANコンパイラなどの言語処理系の設計・開発に約10年間従事。その後ユーザ系企業でUNIXによるクラサバの設計・開発を主導。同時に企業の内外で人材育成に注力する。現在はオープンソースソフトウェアの普及と教育のため青森でOSSに関する教育事業を企画する傍ら、神戸情報大学院大学で講師として教鞭をとる。「ソフトウェア科学の基礎を勉強してオールラウンド・プレーヤーを目指せ」が技術者育成についての口癖。


INDEX
第1回:今だからこその「PHPのすすめ」
オープンソースとLAMPの存在がプログラム環境を変える
  開発環境の変化でプログラマは楽になったのか
  開発形態の変貌〜オープンソースソフトウェアの登場〜