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第1回:Railsで構築されたオープンソースCMS「Rubricks」

著者:アスタリクス  大西 正太   2006/11/10
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CMSについて

   本連載では今話題のフレームワークRuby on Rails(以下、Rails)上に構築されたCMS(Contents Management System)である「Rubricks」を取り上げます。第1回の今回はRubricksの概要について解説します。

   Rubricksを紹介する前に、CMSについて導入の目的その意味について簡単に整理しておきます。

   CMSと呼ばれるソフトウェアには、静的なサイトにおけるデザインの統一化や構成管理に特化しているもの、プログラムの必要なくBBSやニュースといったアイテムの配置ができるといった特徴があります。

   さらに動的なサイト構築まで含めると、CMSという言葉の範囲は大変広いといえるでしょう。ただし、どのCMSでも「Webサイト構築/更新に関する共通的なルーチンワークの作業負荷を軽減する」ことを目的とする点は共通しています。

広義と狭義のCMS

   冒頭でも触れましたが、現在CMSというキーワードは非常に範囲が広く、捉え方のブレが大きいものになっています。今の「CMS」という言葉には広義の意味と狭義の意味があると考えられます。

「CMS」が指す意味
図1:「CMS」が指す意味

   まず「広義のCMS」は非常に大きな意味合いを持っています。ここでは、人間が書いたコンテンツをなんらかの形で整理してデコレーションを施し発信を行えばCMSと捉えます。言い換えると、情報を公開したり共有したりすることを目的としたWebアプリケーションはすべてCMSである、ということです(注1)。

   したがって、後述する狭義のCMSはもちろんのこと、WikiやBlog、コミュニティポータル管理ツールなどもすべて広義のCMSの一種であるといえます。冒頭で説明したCMSの目的は、広義のCMSを示しています。

   これに対して「狭義のCMS」は「Web版のホームページ作成ツール」と表現できると思います。通常のWebページ作成時には、ローカルで作成したHTMLファイルをWebサーバへFTP転送して公開する、といったスタイルが一般的な手順となります。

   狭義のCMSはこれらの流れをすべてWebブラウザ上で完結させます。主として企業のホームページなど、静的な統一感を保ちつつ管理していく目的で利用されます。

   デザインとコンテンツの分離やレイアウトの統一、公開までの承認フロー、バージョン管理など、すべての工程を統合管理できる製品もあり、様々な立場のメンバーによって分業化されたWebサイト構築サイクルをサポートします。

※注1: 最近ではECMS(Enterprise CMS)やDAM(Digital Asset Management)といった、社内情報システム全体の管理をCMSで行っていくという動きもありますが、本連載では取り扱いません。

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アスタリクス株式会社  大西 正太
著者プロフィール
株式会社アスタリクス   大西 正太
JavaEEフレームワークの設計構築や開発プロセス策定などの業務を経て、現在は新規ビジネス創生に携わる。Ruby on Rails上に構築したオープンソースのCMS「Rubricks」(http://rubricks.org/)のコミッタ。


INDEX
第1回:Railsで構築されたオープンソースCMS「Rubricks」
CMSについて
  Rubricksの概要
  Rubricksの特徴
  Rails上での構築