「考えられない…」新鋭の立ち合い変化に首かしげる親方も

[ 2014年9月26日 21:00 ]

 26日に東京・両国国技館で行われた大相撲秋場所13日目で、モンゴル出身の新入幕逸ノ城関(21)が横綱鶴竜関から金星を挙げた。幕下付け出しデビューから所要5場所は最速で、新入幕力士では41年ぶり3人目と記録ずくめの初金星だった。だが、熱戦が期待された結びの一番は新鋭のまさかの立ち合い変化で決まり、館内は異様なムードに包まれた。

 逸ノ城関が花道から入場すると、観客は大きくどよめく。制限時間いっぱいから1度突っ掛けた若武者は、左へさっと跳んではたき込み。大量の座布団が舞う中、歓声とため息が交錯した。審判長として土俵下から見つめた鶴竜関の師匠、井筒親方(元関脇逆鉾)は「申し訳ない。横綱が止められなかった。面目ないし、(相撲)協会に申し訳ない」と重い足取りで引き揚げた。

 歴史的な快挙にも、親方衆は複雑な表情を浮かべる。逸ノ城関は取組後、テレビのインタビューで「(変化を)最初から決めていた」と平然と言ってのけた。ある中堅親方は「横綱初挑戦なのに考えられない。その感覚が分からない」と何度も首をかしげた。

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