北朝鮮外相、核実験は「米国の態度次第」

 【ビエンチャン=吉村英輝】東南アジア諸国連合(ASEAN)各国や日米中などの外相らが参加し、アジア太平洋地域の安全保障問題を話し合うASEAN地域フォーラム(ARF)閣僚会議が26日、ラオスの首都ビエンチャンで開かれた。北朝鮮の李容浩外相は会議出席後、記者団に、5回目の核実験を行う可能性について「全面的に米国の態度にかかっている」と強調し、米国の「敵視政策」転換を求めた。

 ARFは、北朝鮮が参加する数少ない多国間枠組みの一つ。5月に就任したばかりの李氏は、米国の敵視政策が情勢を緊張させていると主張し、核・ミサイル開発を正当化。会議と並行して中国との外交関係修復を演出し、国際社会の制裁包囲網を切り崩す構えを見せた。

 一方、ARFは、南シナ海での中国の主権主張を退けた今月12日の仲裁裁判所の裁定の受け入れを求める日米らに対し、中国が反発して応酬する構図となった。議長国のラオス外相は会議後の会見で南シナ海問題のやりとりを問われたが、「(仲裁裁定に触れなかったASEAN外相会談の)共同声明を見てほしい」としか答えなかった。

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