学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地売却問題で、財務省近畿財務局が作成し、途中で書き換えた文書(決裁文書を含む書類の束)は14あり、このうち1つは、情報公開法に基づく開示請求後に書き換えていたことが11日、分かった。財務省は12日に調査結果を国会に報告する方針だが、これまで書き換えを否定してきただけに、野党は反発を強めており、事態収拾のめどはつかない。
複数の政府高官が明らかにした。
書き換えがあった14の文書の内訳は、貸し付けに関する決裁書が2つ、売買に関する決裁書が1つ、特例に関する稟議(りんぎ)書が2つ、これらに付随する文書が9つだった。1つの文書から交渉の経緯などを削除しようとしたところ、玉突きで次々に書き換えせねばならなくなったという。
開示請求後に書き換えた文書は、近畿財務局と森友学園の籠池泰典理事長(当時)の交渉に関するメモ。籠池氏と価格交渉したと受け止められかねない部分について開示請求後に削除したとみられ、財務省理財局の職員が関与した疑いが強い。
理財局が保管していたのは決裁後の文書だけ。近畿財務局も文書の大半を大阪地検に押収されていたため、財務省は森友学園との交渉に関与した近畿財務局職員27人からヒアリングを行い、自民党幹部らに「明確な書き換えの事実はみつからなかった」と説明していた。