安倍晋三首相は3日午前の衆院予算委員会で、昨年末の日韓合意を受け元慰安婦支援のためにつくられた「和解・癒やし財団」が安倍首相名義の「おわびの手紙」を要請しているとの報道を踏まえ、手紙を出すかどうか問われ「われわれは毛頭考えていない」と明言した。
首相はまた、ロシアとの北方領土交渉を巡り、歯舞群島と色丹島の「2島先行返還」論があることに触れ、「4島の帰属問題を解決して平和条約を締結する考えに変わりはない」と強調した。岸田文雄外相も「4島の日本への帰属を明らかにする」と述べた。
首相はまた、ロシアによるクリミア半島併合に対し「領土交渉の中でクリミア問題について話をすることはない。これは明確にしておく」と語った。民進党の前原誠司元外相らの質問に答えた。
衆院予算委は3日、首相と全閣僚が出席して、平成28年度第2次補正予算案に関する2日目の審議を行った。政府・与党は4日の衆院通過を目指している。