またChromeがOSに一歩近づく。Chrome Web Storeにオフラインアプリ専用のコーナーが登場

2012年6月15日

グーグルのWebブラウザであるChromeの「拡張機能」は、Webブラウザをちょっと便利にする小さな機能だけでなく、本格的なゲームが遊べたり、写真が保存できたりといった、これまでWindowsアプリケーションとして実行されていたような本格的なアプリケーションまでWebブラウザの上で実現されるようになってきています。

そして先日6月12日、グーグルはChromeの拡張機能を提供しているChrome Web Storeに、オフラインで使えるアプリケーション専用のコーナーを開設したと発表しました

fig すでに日本語版でも「オフラインアプリケーション」のコーナーがある

Google DocsとGoogle Driveがあれば、Windowsがなくても……

新しく作られた「オフラインアプリケーション」コーナーには、オフラインでもメールが見られる「GMail」、ドキュメントを編集できる「Google Docs」をはじめ、人気ゲームの「Angry Birds」、Webページを保存できる「Read Later Fast」、新聞記事が読める「NYTimes」などのアプリケーションが並んでいます。

ただし、このタイミングでChromeにオフライン機能が加わったわけではありません。この機能は少し前からHTML5の機能として実装されており、対応するアプリケーションも多数ありました。あくまで、Chrome Web Storeでオフラインアプリケーションのコーナーを明確にした、ということです。

とはいえ、グーグルは先日クラウドとPC上のファイルを同期する「Google Drive」を発表しました。これと、Google Docsのオフライン機能を組み合わせれば、オフラインでもWebブラウザからGoogle Docsでワープロを立ち上げて、ローカルのファイルを編集、保存する、といったことができるようになるでしょう(試してはいないのですが)。WindowsもOfficeも不要です。

グーグルは先月、新型Chrome Bookの発表と同時にChrome OSのアップデートを行い、オフライン機能を追加しました。これも同様の動きで、グーグルは「オフラインでもChromeを便利なアプリケーションのためのプラットフォームにする」という戦略を着々と進めています。

グーグルはChromeのオフラインアプリケーションを強調することで、ChromeがWindows OSのようなアプリケーションのプラットフォームであることをデベロッパーとユーザーに、以前より積極的にアピールし始めたのです。

この先には、ChromeがまるでOSのようにアプリケーションのプラットフォームになり、MacOSでもWindowsでもLinuxでも、Chromeが動いていれば共通のアプリケーションが実行できるという方向性が明確に描かれています。

あわせて読みたい

OS Chrome Google Webブラウザ




タグクラウド

クラウド
AWS / Azure / Google Cloud
クラウドネイティブ / サーバレス
クラウドのシェア / クラウドの障害

コンテナ型仮想化

プログラミング言語
JavaScript / Java / .NET
WebAssembly / Web標準
開発ツール / テスト・品質

アジャイル開発 / スクラム / DevOps

データベース / 機械学習・AI
RDB / NoSQL

ネットワーク / セキュリティ
HTTP / QUIC

OS / Windows / Linux / 仮想化
サーバ / ストレージ / ハードウェア

ITエンジニアの給与・年収 / 働き方

殿堂入り / おもしろ / 編集後記

全てのタグを見る

Blogger in Chief

photo of jniino

Junichi Niino(jniino)
IT系の雑誌編集者、オンラインメディア発行人を経て独立。2009年にPublickeyを開始しました。
詳しいプロフィール

Publickeyの新着情報をチェックしませんか?
Twitterで : @Publickey
Facebookで : Publickeyのページ
RSSリーダーで : Feed

最新記事10本


<!- script for simple analytics events -->