Google WaveとSalesforceの連係。ボットが問題解決を助けてくれる

2009年10月6日

Google Waveをビジネスアプリケーションのフロントエンドに利用しよう、という例がまた1つ登場しました。

セールスフォース・ドットコムは、顧客に対するサポート業務をGoogle Waveを通じて提供するというデモンストレーションを作成、ビデオを公開しています。デモンストレーションでは、過去のサポート事例をデータベース化したナレッジベースを基に、ボットが顧客に対して問題解決の手助けをしています。

ビデオからいくつかポイントを紹介しましょう。

携帯電話の利用者が、端末の動作不良をカスタマサービスに相談しようとしています。Google Waveにログインし、カスタマサービスのアドレスに連絡、メニューから「Hardware Probrem(ハードウェア障害)」を選択します。

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このとき、企業側は顧客のログイン名から自動的に保有している機器や過去の障害履歴、対応履歴などを把握することができました(顧客はログイン名を登録していた)。

顧客の一次対応をGoogle Waveのボットが行います。顧客の機種と症状などから、ナレッジベースを検索して該当しそうな情報を顧客にリアルタイムで提示します。

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これで問題が解決すればそれで終了です。しかし問題が解決しないときには、ここから人間のサポート担当をすぐに呼び出して対応してもらうことができます。担当は顧客がボットから受け取った情報も参照できますし、いま顧客と会話している内容を同僚と共有してアドバイスをもらうこともできます。対応内容はそのままログとして保存され、その顧客の次回以降の相談のときの資料にもなる、というわけです。

Google Waveの大きな特徴の1つがボットと人間が同じインターフェイスで対応できるということ。セールスフォースのデモは、その特徴をカスタマサービスに応用した例といえるでしょう。

過去にPublickeyで紹介した、Google Waveを利用したSAPのビジネスアプリケーションも、そして今回のセールスフォースの例も、Google Waveをアプリケーションとの対話機能としてうまく活用しています。

Google Waveはもしかしたら、コンシューマ向けの人対人のコミュニケーションツールとして広まるよりも先に、ボットやプログラムと対話するためのインターフェイスとしてビジネスアプリケーションで使われ始めるのかもしれません。

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Junichi Niino(jniino)
IT系の雑誌編集者、オンラインメディア発行人を経て独立。2009年にPublickeyを開始しました。
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