「胃ろうを造るなら受け入れる」・・・娘さんが迷って相談
一度断られた老健から「胃ろうを造るなら受け入れる」と連絡があったそうです。
「胃ろうはいや」
娘さんは訴えてきます。
「胃ろうにしたら、口から食べさせてもらえなくなる」
「安易に胃ろうだけからの栄養になりそう」
そして何よりも大きい理由として
「人間的でない」
娘さんの想いを受け止め、迷っていらっしゃる時に相談の中で、「以前のお母様ならどう考えられるでしょうか?」と問いかけてみました。また「どういった決断をされても、娘さんが一生懸命考えて下さった事に、お母様は満足されると思います」ともお伝え致しました。ご姉妹で相談され、結局は胃ろうを選択せず、手厚いケアをしてくれそうな有料ホームを探すことにしました、との報告がありました。
「これから先、また悩む事になるかもしれませんが、今はこれで行きたいと思います」
電話の向こうの娘さんの声は、迷いのない力強い清々しいものでした。
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コメント
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食べられなくなった時、やはりすぐに胃ろうが提案されたり、施設ではみられないので長期療養ができる病院を探して下さいと言われ、相談に来られる方は多くおられます。
医療上の処置により、療養の場の選択を迫られるのはつらいことですよね…
相談にこられる多くの方が、施設を出ることが前提で話が進み、どうしたら現状を打開できるかの話し合いがされていないか、しているのかもしれないが、そのことを家族が理解されていないケースが多いように思います。施設の方針もあるかもしれませんが、家族任せにせず、まずは、その方に何が一番必要かを皆で考えることが大切なのだろうと改めて思いました。
投稿: 岡山のメッセンジャーナース | 2012年7月27日 (金) 05時22分