情報番組のコメンテーターとしても活躍する社会学者の古市憲寿氏(31)が、「ユーキャン新語・流行語大賞」のトップテンに選ばれた「保育園落ちた日本死ね」というフレーズに対する批判に、異論を唱えた。
このフレーズは、1人の母親が匿名ブログで待機児童問題への強い不満を訴えたもの。大きな話題となったが、「日本死ね」という過激な表現に賛否が分かれた。このほど流行語大賞のトップテンに選ばれたことで、あらためて物議をかもしている。
古市氏は2日にツイッターで言及し、「言葉は文脈をともなって初めて意味を持つ。『保育園落ちた日本死ね』が話題になった時、『日本死ねなんてけしからん』という批判よりも、共感が多かったのは、『日本死ね』という言葉ではなく、あのブログが多くの人に読まれたから」と分析。「あのブログも読まずに『日本死ねなんてけしからん』と言われても。ちなみに僕が知る限り、あのブログが騒がれていた当時、『日本死ねなんてけしからん』と言っていたのは、おじさん政治家たちです。いま怒っている人との共通点は、ちゃんとブログ本文を読んでいないこと」だと指摘した。
また「死ね」という表現については、「人格攻撃でもなく、あくまでも比喩としての『死ね』と、具体的な他者や人格をおとしめるために使う『死ね』は全然違うよ。しかも、他にどうしようもなく、そうするしかない悲痛な叫びとしての『日本死ね』でしょ」との見解を示した。