国内

M9大地震後に周辺火山噴火例多数 東日本の火山一斉噴火準備

 死者50人を超す御嶽山噴火の悲劇は、なんとしても教訓とせねばならない。専門家たちの詳細なデータ分析は、首都圏を含む大都市にまで被害を及ぼす危険な兆候をキャッチしている。

 警戒を促す専門家の多くは巨大地震と火山の噴火の連動性に注目している。M9クラスの巨大地震の後に周辺の火山が噴火するケースは非常に多い。危機管理ジャーナリストの渡辺実氏の話。

「21世紀に入ってからM9クラスの地震は5回起きていますが、そのいずれも、数十時間から数年間の間に近隣の火山が噴火している。1960年のチリ地震の翌日にはコルドンカウジェ火山が噴火した。チリでは2010年にもマウレ地震と呼ばれるM8.8の地震が発生していますが、翌2011年から2012年にかけて、コルドンカウジェ火山と同じ火山群で噴火が相次ぎました。2004年のスマトラ沖地震の翌年には、震源地の西方にあるタラン火山が噴火しています」

 20世紀最大級の噴火といわれる1991年6月のフィリピンのピナツボ火山の噴火も、前年の7月に発生したフィリピン地震(M7.8)に誘発されたものと考えられている。

 日本の周辺でも、1952年のカムチャツカ地震(M9.3)の3年後にカムチャツカ半島にあるベズイミアニ火山が1000年ぶりに噴火し、その後、現在に至るまで活発な火山活動を続けている。

 1707年の富士山大噴火は、いわゆる南海トラフに起因する宝永地震(M8.6)のわずか49日後のことだった。立命館大学歴史都市防災研究所教授の高橋学氏は巨大地震と火山噴火のメカニズムをこう説明する。

「プレート境界で巨大地震が起きると、つかえが取れてプレートの沈み込んでいくスピードが上がり、その摩擦でプレートが溶けて大量のマグマになり大噴火を引き起こすと考えられています」

 2011年の東日本大震災以降、高橋教授によれば通常年間10センチほどだった太平洋プレートの沈み込みが、年間30~40センチにまで速度を上げているという。

「震災以降、東日本の火山は一斉に噴火準備に入っているということを前提に危機に備えなければいけません」(高橋氏)

※週刊ポスト2014年10月24日号

トピックス

中村芝翫と三田寛子
《恋情ドライブデート》中村芝翫「愛人との関係が切れない…」三田寛子が待つ自宅との“二重生活”、愛車は別れを惜しむようにベイサイドを周回
NEWSポストセブン
傷害致死容疑などで逮捕された川村葉音容疑者(20)、八木原亜麻容疑者(20)、(インスタグラムより)
【北海道大学生殺害】「年上の彼女に頼られて…」女子大生2人が死刑か無期懲役の強盗致死罪で起訴 なぜ少年Aは見知らぬ相手を死に至らしめる暴力を振るったのか
NEWSポストセブン
大阪桐蔭時代に夏の甲子園第100回記念大会の優勝投手となった元日本ハム・柿木蓮
【戦力外通告を受けた大阪桐蔭「春夏連覇のエース」の現在】元日本ハム・柿木蓮が明かす「イップスに苦しみました。投球フォームがバラバラになっていた」
NEWSポストセブン
セクシー女優への転身を発表した瀬戸環奈さん
【セクシー女優転身】1000年に一人の逸材・瀬戸環奈に60分独占インタビュー「水着と裸は布1枚あるかないかの違いでしかない」
NEWSポストセブン
フォロワー370万人超のインスタを約1年ぶりに更新した長澤まさみ
長澤まさみ、“1件残して全削除”していたフォロワー370万人超のインスタを約1年ぶりに更新 スタイリングを担当した“芸能界のお姉さん”のためか
女性セブン
ボランティア女性の服装について話した田淵氏(左、右は女性のXより引用)
《“半ケツビラ配り”が話題に》公選法違反で東大卒医師が逮捕「先生は私を開発してくれる」編タイ姿でよじ登る人も…女性スタッフが語った“真相”
NEWSポストセブン
旧交を温めたふたり(時事通信フォト)
安倍昭恵夫人がトランプ次期大統領と面会「仕掛け人は麻生太郎・元首相」説が浮上 「石破首相に恥をかかせるため」の見方も
週刊ポスト
田村瑠奈被告(右)と父の修被告
《“地獄の家”に戻り…》ススキノ事件・田村瑠奈被告(30)の母親・浩子被告 保釈後に自宅付近で目撃される「髪を後ろで一つにしばって」
週刊ポスト
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《独占告白・八田與一容疑者の祖父が語る》大分・大学生死亡ひき逃げ事件「時効がきたらあたたかく迎えてやる」「コロナでフラフラだった」
NEWSポストセブン
「食レポSNS」を再開した斎藤元彦・兵庫県知事(時事通信フォト)
兵庫・斎藤元彦知事が「食レポSNS」を再開で「またおねだりか?」の厳しい声も…再選後に訪れたそば店が明かす“イメチェン”の成果
NEWSポストセブン
物議を醸した一連の投稿(現在は削除済み、画像は編集部で一部加工しています)
《頭部がたくさん並んでいるよ》女性美容外科院長“ご献体”前でのピース写真が物議 主催者は「投稿に違和感はない」と反論
NEWSポストセブン
ドラフト会議で注目を集めた清原正吾
《慶大体育会野球部・清原清吾の就職先》両親の影響で「電通か博報堂」も浮上 芸能関係の会社も視野に
NEWSポストセブン